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いまだに日本には舶来信仰というのがあるのだなあと思わされたのが、フランスの「知の巨人」という触れ込みで紹介されている歴史人口学者?というエマニュエル・トッド氏。
1970年代にソ連崩壊を予言したということで、日本では物凄くありがたがられているのですが、ウクライナ戦争については当初からロシアが負けることはない等々、森喜朗元首相や鈴木宗男議員とまったく同じことをいっていて、首をかしげていたんです。
そのトッド氏が、最近は日本テレビ界の「知の巨人」(笑)である池上彰氏と2月にAERAで対談して、ウクライナ戦争について
「軍事支援を通じてウクライナを事実上の加盟国にして、今も武器を提供しているNATOと米国に、戦争へと仕向けた直接的な責任があると考えています。」
と親露派丸出しの発言をしています。
フジテレビは謝罪!池上彰氏は嫌日韓国ねつ造番組「池上彰緊急スペシャル!」を検証・謝罪すべきだ。
どんな知の巨人や、むしろ「痴の巨人」やろと思っていたら、上の対談と同時期に公開されたフランスの一流誌クーリエでのインタビュー
「クレイジーな反逆児野郎」が持論を展開 エマニュエル・トッドが仏紙に断言「第三次世界大戦はもう始まっている」
を読んでみたら、冒頭から
『「世間の顰蹙(ひんしゅく)を買う思想家」や「クレイジーな反逆児野郎」、あるいは「時代の先を見通す知識人」と称されることもある、フランスの人類学者で歴史家のエマニュエル・トッド。』
と紹介されていて笑ってしまいました。世界の顰蹙を買う思想家ってww
しかも、そのインタビューで初めて知ったんですが、トッド氏は
『1976年の著書『最後の転落』でソ連崩壊を予言したことで知られるが、ウクライナでの戦争についてはフランス国内で目立った発言をしてこなかったという。
これまでトッドがウクライナ戦争について語ったことのほとんどは、日本の読者向けだ。
「日本ではトッドの『第三次世界大戦は始まっている』という挑発的な書名の本まで出版されている」と仏紙「フィガロ」は報じている。』
というのですね(呆)。
第三次世界大戦はもう始まっている (文春新書 1367)
トッド氏をいまだに有難がっているのは日本人だけだったということなのですが、このクーリエのインタビューでも最初の質問が
『──ウクライナでの戦争に関する本を日本では出版したのに、フランスで出版していないのはなぜですか。』
というあけすけなもので(笑)、これに対するトッド氏の答えが
『日本での私のステータスは、ここフランスとはまったく異なります。
フランスでは、私の評判は「クレイジーな反逆児野郎」という荒唐無稽なものになっていますよね。
しかし日本に行けば、私は大手新聞各紙や主要雑誌に発言が載る人類学者、歴史家、地政学者として評判もよく、書いた本はすべて日本語に翻訳されています。
私は日本では落ち着いた雰囲気のなかで自分の考えを述べられるのです。』
という、トッド氏がもう日本でしか相手にされていない実態が赤裸々に述べられていて、爆笑してしまいました。
私の評判は「クレイジーな反逆児野郎」という荒唐無稽なものになっていますよね、と自分で言う。。。。可哀そう!(笑)
国連総会がロシア軍に対して「即時・完全・無条件」の撤退を求める決議を圧倒的多数で可決。ウクライナのインフラ・民間施設への攻撃の停止も求め、ロシアの戦争犯罪に対する調査と訴追の必要性を初めて明記。
いま日本で中国賢い、ロシア強いと言いまくっているトッド氏が「知の巨人」と日本で呼ばれたのは、文春やダイヤモンド社や朝日新聞が彼の本を売るために名づけただけだったんでしょうね。
逆に、三浦瑠麗氏は文春や新潮から一杯本を出しているから、夫が家宅捜索を受けたという例のスキャンダルでも文春と新潮は沈黙を守っているのだそうです。
朝日選書からもたくさんトッド氏の著書が出ているので、AERAでの池上氏との対談はその宣伝にもなるのでしょう。
出版社にとっては作家は良くも悪くも商品なんですね。
そういえば、同じく日本の親露派である佐藤優氏も単に記憶力が凄いだけなのに「知の巨人」と言われていました。
知の巨人、多すぎやろ!!(笑)
案の定、文春からこんなのが出てた(笑)。わかりやす!
ウクライナ戦争の真実 エマニュエル・トッド×佐藤優×片山杜秀
ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略を正当化。「ナチスのイデオロギーが現代的な装いで再びわが国の安全保障に直接的な脅威をもたらしている」。現代のナチスは国内外の人民を弾圧・殺害するプーチン政権だ。
さて、舶来信仰を利用したといえば成田悠輔氏の「エール大学」という肩書。
自称国際政治学者でしかない三浦瑠麗氏は論外にしても、学者の真価はなかなかうかがい知れないのですが、
エール大学助教の成田悠輔氏の「少子高齢化の対策は高齢者の集団自決集団切腹みたいなのしかない」発言をニューヨークタイムズ紙が「彼の極端な主張は何十万もの若者のフォロワーを獲得」と報道。日本の恥。
で紹介したエール大学助教の成田悠輔氏について書かれたニューズウイークの
成田悠輔エール大助教の「高齢者の集団自決」発言、「米国最高の教授」が欠けている視点を指摘
というコラムを見つけました。
自民党の麻生太郎元首相や二階俊博元幹事長に言うたらええ。
麻生大臣、血も涙もなく、「90歳になっても老後が心配とか、いつまで生きてるつもりだよ!」
このコラムを書いたサム・ポトリッキオ(Sam Potolicchio)ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)は、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授でもあり、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人。
堕ちた「知の巨人」エマニュエル・トッド氏や自称国際政治学者とは一味違います。
そのポトリッキオ教授は、成田氏について書いた前の記事である
『ウクライナ戦争1年、西側メディアが伝えない「それでもロシアが戦争をやめない訳」』
でも、ロシアで教えていた学者らしく客観的に
『その人物いわく、プーチンはウクライナだけでなくモルドバものみ込むつもりでいて、その後はさらに東欧も支配下に置き、ヨーロッパに冷戦時代の「鉄のカーテン」を復活させようとしているというのだ。
この見解を聞いた私は、ロシア国内ではこうした動きを支持するムードが高まっているに違いないと思うようになった。もっと言えば、プーチンが権力を保ち続けるためには、そのような行動が不可欠な状況になっているのかもしれない。
国民の気持ちが欧米との戦いに向いているとすれば、絶対権力者の地位を維持したいプーチンは、NATOをポーランドやリトアニアより西に追い払い、旧ソ連時代の影響力圏を取り戻さなくてはならない。
欧米メディアはいまだに、ウクライナ戦争に関してプーチンの誤算とロシア軍の失態ばかりを報じている。しかし、ロシア国内でのプーチンの支配力が開戦前よりむしろ強まっていることは間違いない。』
と淡々とプーチン大統領とロシアの状況を描写しています。
アメリカ大使館で講演するポトリッキオ教授。
そのアメリカ最高の教授の一人というポトリッキオ氏が成田氏の学者としての価値について
『成田は紛れもない秀才だ。博士号を取得したマサチューセッツ工科大学(MIT)には、経済学で最も優れた頭脳がそろっている。現在はMITに匹敵する名門エール大学の教員だ。
ただし、37歳で肩書はまだ助教。とびきり優秀な人材の多くは30代前半で教授になり、未来のノーベル経済学賞につながる重要な研究業績を既に残している。
成田はまだこのレベルの仕事をしていないので、経済学者として歴史に名を残すチャンスはもうないと悟っているのかもしれない。』
と語っているのを読んで、成田氏がなぜ急に日本で電波芸人化しているかわかった気がしました。
かつての天才は、今や自分に経済学者としての先はないと見極めたのでしょう。
助教授ではなくアシスタント・プロフェッサー(助教)。言ってることは維新から出馬しようとした長谷川豊氏と同じ。
【朗報】長谷川豊氏が全テレビ番組から降板。「透析患者殺せ」ブログで降ろされる。ブログでは未だ正当化。
そして、ポトリッキオ教授は成田氏が日本の高齢者は腹を切れ、集団自決しろといった件について、こう述べています。
『成田の発言には、政策の処方箋が欠けている。本人は高齢者の集団自決という表現は「抽象的な比喩」であり、高齢化社会の資源配分について必要な議論を促すと主張している。だが意地悪な皮肉屋なら、研究の代わりにSNSでの名声や注目を選んだのだろうと推測するかもしれない。』
『「サードレイル」政策を前進させるために必要なのは、成田のような挑発的「比喩」を避け、科学的証拠に基づく処方箋と代替案に焦点を当てることだ。社会保障の崩壊を叫ぶ政策通もいるが、私は「コップにまだ半分水が入っている」という楽観的視点から、技術革新とバイオテクノロジーの進歩(高齢者の医療費を削減できる)によって最悪の事態は回避できると考えている。』
そして、自分の父親について語って、このコラムを絞め括っています。
『私の父はもうすぐ80歳。今も週に数百人の患者を診る神経科医だ。この前、父が車で空港に迎えに来てくれたとき、以前よりずっとゆっくり運転しているのに気付いた。私の教え子や成田のような視点の持ち主は、作業効率が低下したと即断するだろう。
しかし、父が無償で私のために時間を割いてくれて、私は帰宅に要した時間の分だけ高齢の父と過ごす時間を増やせたということもできる。年齢的にみて、父が空港まで迎えに来るのはあれが最後だったかもしれない。私はもう少し時間がかかってもよかったと思っている。』
真に優れた学者というのは、こういう人間味のある物の見方ができる人のことを言うのでしょう。
アメリカの公共政策学の第一人者。
三浦瑠麗氏や古市憲寿氏や成田悠輔氏が偽物だというのはすぐに見抜けると思うのですが、エマニュエル・トッド氏が本国では「世界の顰蹙を買う思想家」と呼ばれていて、もはや日本でしか本も出せない状態というのですから、「学者」の真贋はよほど慎重に見極めないといけないと思いました。
まあ、トッド氏の場合にはあまりにも言ってることが偏っていたので、これはちょっとおかしい人だと気づきましたけど!(笑)。
なお、エール大学の公式サイトに「意見は彼個人のものであり、経済学部やイェール大学の見解を示すものではない」という記述が2月14日に追加されました。
成田氏が元エール大学助教になる日は遠くないかもしれません。
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成田悠輔エール大助教の「高齢者の集団自決」発言、「米国最高の教授」が欠けている視点を指摘
アメリカでも世代間に亀裂は存在するが…… Jean-philippe WALLET
<アメリカでも高齢者福祉にメスを入れることは政治的なリスクを伴うが、それでも......。成田発言について、「米国最高の教授」の1人であるサム・ポトリッキオが考えてみた>
米ジョージタウン大学の教え子の学部生が最も怒ったのを見たのは2020年夏、いつ対面式の授業に戻れるかを話し合っているときだった。
私は2年後の卒業までマスクの義務化は解除されず、対面接触のチャンスがない状態が丸1年続く可能性が高いという予測を口にした。学生たちはひどく動揺した。無理もない。大学時代は人とのつながりを育むのに最適な時期なのに、大半を「ズーム大学」で過ごすことになると言われたのだから。
しかし私にとってショックだったのは、数人の学生が高齢者に殺意のこもった怒りをぶつけ、家から出ない年寄りを守るために人生を台無しにされたと暴言を吐いたことだった。
成田悠輔エール大学助教の「高齢者の集団自決」発言を知ったとき、この悪夢が私の頭をよぎった。成田は紛れもない秀才だ。博士号を取得したマサチューセッツ工科大学(MIT)には、経済学で最も優れた頭脳がそろっている。現在はMITに匹敵する名門エール大学の教員だ。
ただし、37歳で肩書はまだ助教。とびきり優秀な人材の多くは30代前半で教授になり、未来のノーベル経済学賞につながる重要な研究業績を既に残している。成田はまだこのレベルの仕事をしていないので、経済学者として歴史に名を残すチャンスはもうないと悟っているのかもしれない。
成田の発言には、政策の処方箋が欠けている。本人は高齢者の集団自決という表現は「抽象的な比喩」であり、高齢化社会の資源配分について必要な議論を促すと主張している。だが意地悪な皮肉屋なら、研究の代わりにSNSでの名声や注目を選んだのだろうと推測するかもしれない。
私は暴言を吐く学生や成田の炎上発言から、高齢者福祉のような手を出すと政治的に危険な政策について考えてみた。アメリカでは「サードレイル」と呼ばれ、連邦債務上限引き上げ問題に関連した社会保障予算の削減をめぐりバイデン政権と野党・共和党の微妙な綱引きが続いている。
科学的証拠に基づく処方箋が必要
私はロシアに10年以上滞在していたが、プーチン大統領への支持が最低に落ち込んだのは、おそらく年金の受給開始年齢を引き上げたときだったと思う。定年退職者への給付や福利厚生に手を付けることの難しさは、民主国家と専制国家、東洋と西洋の違いを問わない問題なのかもしれない。
ともかく、世代間に亀裂が存在するのは確かだ。アメリカでは経済成長の鈍化と人口に占める高齢者の割合の増加(30年には23%に)が予測されるなか、配分する資源の不足が懸念されている。このままでは高齢者優遇への反発が強まりかねない。
「サードレイル」政策を前進させるために必要なのは、成田のような挑発的「比喩」を避け、科学的証拠に基づく処方箋と代替案に焦点を当てることだ。社会保障の崩壊を叫ぶ政策通もいるが、私は「コップにまだ半分水が入っている」という楽観的視点から、技術革新とバイオテクノロジーの進歩(高齢者の医療費を削減できる)によって最悪の事態は回避できると考えている。
私の父はもうすぐ80歳。今も週に数百人の患者を診る神経科医だ。この前、父が車で空港に迎えに来てくれたとき、以前よりずっとゆっくり運転しているのに気付いた。私の教え子や成田のような視点の持ち主は、作業効率が低下したと即断するだろう。
しかし、父が無償で私のために時間を割いてくれて、私は帰宅に要した時間の分だけ高齢の父と過ごす時間を増やせたということもできる。年齢的にみて、父が空港まで迎えに来るのはあれが最後だったかもしれない。私はもう少し時間がかかってもよかったと思っている。
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