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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

トルコでの停戦協議でロシア側がウクライナを威嚇し「ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」 「この場にいる誰かがさらに多くの愛する人を失う」。ウクライナ戦争即時停戦の障害はプーチン政権の存在そのものだ

2025年05月18日 | ロシアによるウクライナ侵略

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 2025年5月16日にウクライナ戦争に関するウクライナとロシアの停戦協議がトルコのイスタンブールで行われましたが、たった2時間弱で終了したそうです。

 それもそのはず、来ると言っていたロシアのプーチン大統領も来ず、これでは成果が上がるわけがないと思ったアメリカのトランプ大統領も来ないので、ウクライナのゼレンスキー大統領も引き上げたのですから、捕虜交換の話程度しかまとまらなかったのは仕方がないでしょう。

ロシアのプーチン大統領も親露派のアメリカのトランプ大統領もトルコでのウクライナ戦争の停戦協議に現れず。やはりウクライナ戦争の停戦を妨害しているのは侵略国であるロシアのプーチン大統領だ(当たり前)。

 

 

 この停戦協議について、イギリスの経済紙「エコノミスト」が同日、情報筋の話として報道したところによると、ウクライナ側が停戦実現を最優先に「まず即時停戦を」と30日間の無条件・完全な停戦を求めたのに対して、ロシア側を代表したウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官は、その席で、ウクライナ側がロシアが侵略している4州からウクライナ軍を撤退させた場合にのみ停戦に同意すると述べたとのことです。

 さらに酷いというか凄いのはこれからで、メジンスキー氏はウクライナ側の交渉団に対し、

「1年、2年、3年、どれだけ長くかかっても戦う用意がある」

「我々はスウェーデンと21年間戦ってきた。ウクライナは、いつまで戦うつもりだ?」

「おそらくこのテーブルにいる誰かが、さらに多くの愛する人を失うだろう。ロシアは永遠に戦う準備ができている」

と脅迫し、それでもウクライナが降伏しない場合、さらにハルキウとスムイを占領すると脅したということです。

 これは和平協議の時に言う言葉じゃなくて、宣戦布告の時の言葉でしょう。

 停戦交渉団の片方が相手をこんな風に脅し上げていたら、停戦協議なんてまとまるわけがありません。

 

 

 ちなみに、ロシア側が「スウェーデンとは21年間戦った」と持ち出したのは、18世紀のロシア帝政時代の大北方戦争のことです。

 ロシア政府はこんな時代錯誤センスで21世紀の戦争も戦っているのですから、ロシア伝統の人海戦術でウクライナ戦争開始から100万人も死傷しているというロシア軍兵士もたまったものではないですね。

 その後、米紙ワシントン・ポストが報道したところでも、メジンスキー氏はウクライナ側に対し、ロシアが占領しているウクライナの東・南部4州全域からのウクライナ軍撤退を要求し、

「ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」

「この場にいる誰かが、さらに多くの愛する人を失うかもしれない」

などとウクライナ側を脅迫し続けたと同じように報じています。

 このロシア代表団を率いた メジンスキー大統領補佐官は、 イスタンブールでの協議終了後、捕虜交換ができたから「ロシアは結果に満足している」と述べましたから、最初から停戦協議なんてする気がないのでしょう。

 侵略国ロシアこそがウクライナ戦争「即時停戦」の最大かつ唯一の障害であることは、このロシア側の言動から明白です。

欧州・ウクライナがトランプ米大統領に領土交渉や対露制裁緩和よりも停戦実現を優先する現実的な停戦案を提示。ウクライナに「たかが領土」だ、即時停戦しろと主張し続けてきた「今こそ停戦を」一派も納得の案だw

 

 

 しかしもう1人。

 このところウクライナ戦争に害悪を及ぼしているのは、自分が大統領になったら24時間でウクライナ戦争を停戦に導くと豪語していたけれども役立たずであることを露呈した親露派のトランプ米大統領も同じです。

 米国の駐ウクライナ大使を約3年間務め、2025年4月に辞任したばかりのブリジット・ブリンク氏が5月16日に、米ミシガン州の地元紙デトロイト・フリー・プレスに寄稿し、

「トランプ政権が始まってからの政策は、加害者のロシアではなく、被害者のウクライナに圧力をかけるものだった」

「私はもはや政権の政策を誠実に実行できなくなり、辞任することが義務だと感じた」

と辞任の動機を説明し、トランプ大統領の外交政策が辞任の理由だったことを明らかにしました。

 ブリンク氏は外交官としての30年近くのキャリアを踏まえて

「米国の国益を守る唯一の道は、民主主義のために立ち上がり、独裁者に立ち向かうことだ」

と述べましたが、この独裁者という言葉に彼女はプーチン大統領だけではなくトランプ大統領も込めているのでしょう。

 相互関税をふっかけるなど「ディール」の方法としては実は力押ししか知らないトランプ大統領が、独裁者同士でプーチン大統領と結託して小国ウクライナを押しつぶしてしまわないようにだけは、国際社会は監視していないといけないでしょう。

明日5月19日月曜日にプーチン大統領と電話で直接話すというトランプ大統領。どうなることやら。

トランプ大統領のウクライナ戦争和平構想がロシアの侵略を是認し、ロシアが侵略したクリミア半島併合を承認し、ウクライナのNATO加盟を排除するという親露派丸出し。ゼレンスキー大統領が呑めなくても仕方がない

 

 

編集後記

イスタンブールで行われたのはあくまでも「停戦」協議のはずなのに、ロシアのメジンスキー大統領補佐官は

「ウクライナが降伏しない場合、さらにハルキウとスムイを占領する」

と脅したのですから、ロシア側が求めているのは停戦ではなくウクライナの降伏であることは明らかです。

これに対して日本の親露派陰謀論者・反米拗らせ論者の混成軍から成る「今こそ停戦を」一派は、侵略しているロシアには撤退も停戦も求めず、なぜか侵略されているウクライナの揚げ足取りに終始してウクライナにだけ「即時停戦」と求めてきました。

この実態を見ていると、村野瀬代表がおっしゃっていたように、日本の親露派陰謀論者らの「即時停戦」論が実はウクライナに対する無条件降伏論であり、ロシアによる徹底侵略肯定説だとはまさに本質をついていたと今更ながら思いますね。

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トルコで16日に行われたロシアとウクライナの高官級の直接協議に関連して、ロシア側が「永遠に戦争を続ける用意がある」と述べたと伝えられるなど、協議の中でロシア側は強硬な姿勢を崩さなかったものとみられます。

トルコのイスタンブールで16日、およそ3年ぶりに行われたロシアとウクライナの高官級の直接協議では、それぞれ1000人の捕虜を近く交換することや、協議を続けていくことで合意しました。

協議のあと、ウクライナ外務省のティーヒー報道官は記者団に対し、ロシア代表団の具体的な発言は明らかにしなかったものの「受け入れられないものがたくさんあった」と述べました。

これに関連して、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、ロシア代表団を率いたメジンスキー大統領補佐官が協議の中で「この場にいる誰かが、愛する人をさらに失うことになるだろう。ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」と述べたと伝えています。

またウクライナのメディアは、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部と南部の4つの州の全域から軍を撤退させるよう要求したとしています。

協議の中でロシア側は強硬な姿勢を崩さなかったとみられ、次回の協議に向けては曲折も予想されます。

一方、協議から一夜明けた17日、ウクライナ北東部スムイ州ではロシア軍の無人機による攻撃があり、地元当局によりますとこれまでに9人が死亡し、4人がけがをしました。

ウクライナの警察は、バスが攻撃されたとし「ロシアが再び民間人を標的にした」と非難しました。

ロシア国防省は発表で、スムイ州にあるウクライナ軍の装備の集積場所を無人機で攻撃したとしています。

ロシア報道官 “代表団の合意で首脳会談可能”

ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、記者団に対し、プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談の可能性について「両国の代表団が、一定の合意に達すれば可能だ」と述べました。

首脳会談の開催に必要だとする合意の内容については言及しませんでした。

ゼレンスキー大統領は、プーチン大統領に対し、トルコのイスタンブールでの首脳会談に応じるよう求めましたが、プーチン大統領は受け入れず、高官らを派遣しました。

16日に行われた高官級の直接協議でも、ウクライナ側は首脳会談を提案し、協議後、ウクライナのウメロフ国防相は「次のステップには首脳レベルの会談が開催されなければならない」と強調しました。

 

ロシア「永遠に戦争を続ける」とウクライナを威嚇…高官級協議、30日間の無条件停戦では物別れ

 

 【イスタンブール=蒔田一彦】トルコ・イスタンブールで16日に行われたロシアとウクライナの和平に向けた高官級協議は、捕虜交換の追加実施で合意し、協議を続ける方向でも一致したが、ウクライナが求める30日間の無条件停戦については物別れに終わった。露側は協議で「永遠に戦争を続ける用意がある」と威嚇するなど強硬姿勢を崩さず、和平交渉は今後も難航が予想される。

ロシアとの高官級協議について説明するウクライナのウメロフ国防相(16日)=AP

ロシアとの高官級協議について説明するウクライナのウメロフ国防相(16日)=AP

 2022年3月以来となった両国の直接協議は、2時間足らずで終了した。協議後、両国の代表団は記者団に、双方が1000人の捕虜を近く交換することで合意したと明らかにした。

 両国は協議継続の方向でも一致した。ただ、露代表団を率いたウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官が「交渉を継続する用意がある」と語った一方で、ウクライナ側の代表団トップを務めたルステム・ウメロフ国防相は「次のステップは首脳レベルの協議を開くことだ」との考えを示し、ロシア側が拒んだ首脳同士の協議を改めて求めた。

 ウメロフ氏と共に取材に応じたウクライナ外務省の報道官は「露代表団は我々にとって受け入れがたい多くのことを主張した」と述べた。米紙ワシントン・ポストによると、メジンスキー氏はウクライナ側に対し、同国の東・南部4州全域からの軍撤退を要求し、「ロシアは永遠に戦争を続ける用意がある」「この場にいる誰かが、さらに多くの愛する人を失うかもしれない」などと戦争継続を辞さない構えを強調したという。

イスタンブールで高官級協議に臨んだロシアの代表団(16日)=AP

イスタンブールで高官級協議に臨んだロシアの代表団(16日)=AP

 停戦に応じないロシアに対し、ウクライナは米欧の圧力強化を期待する。16日、アルバニアでの「欧州政治共同体」(EPC)首脳会議に出席したウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、英独仏などの首脳と共にトランプ米大統領と電話で会談。ウクライナ側の発表によると、ゼレンスキー氏はロシアに対する「強力な追加制裁」の発動を訴えた。

 

 

ロシア代表団トップのメジンスキー大統領補佐官=15日、トルコ・イスタンブール(AFP時事)

捕虜交換で合意、停戦巡り議論 ロシア、ウクライナが直接協議

 ウクライナのメディアは16日、英ジャーナリストが関係筋から得たという情報を報じた。それによれば、ロシア代表団は「停戦の条件」として、ロシアが一部を占領する東・南部4州からのウクライナ軍撤退を要求した。さらに北東部ハルキウ、スムイ2州も軍事制圧すると脅した。

 ロシア代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官は「われわれは戦争を欲しないが、1~3年でも必要なだけ戦える」とも強調。「(18世紀の大北方戦争で)スウェーデンと21年間も戦った。(ウクライナは)どれだけ戦えるのか」と威嚇したという。

 

 

欧州首脳「ロシアの姿勢容認できず」、ウクライナとの和平交渉巡り

ロシアとウクライナの3年ぶり直接協議、進展なく2時間足らずで終了 停戦の条件にウ軍の撤退要求か(字幕・17日)
[ティラナ 16日 ロイター] - 英国のスターマー首相は、英・仏・独、ポーランドの首脳が16日、ウクライナのゼレンスキー大統領と和平交渉を巡るロシアの姿勢は「容認できない」との考えで一致したことを明らかにした。トランプ米大統領と協議したことにも言及した。 
スターマー氏は、アルバニアのティラナで開かれた欧州政治共同体(EPC)首脳会合で、マクロン仏大統領、メルツ独首相、ポーランドのトゥスク首相とともに短い共同声明を発表。首脳らが同会合に出席したゼレンスキー大統領と会談したほか、トランプ大統領とも電話会談を行ったと述べた。
欧州首脳「ロシアの姿勢容認できず」、ウクライナとの和平交渉巡り
英国のスターマー首相は、英・仏・独、ポーランドの首脳が16日、ウクライナのゼレンスキー大統領と和平交渉を巡るロシアの姿勢は「容認できない」との考えで一致したことを明らかにした。(2025年 ロイター/Leon Neal/Pool via REUTERS)
スターマー氏は「ロシアの姿勢は明らかに容認できないものであり、これは初めてではない」と非難。「ゼレンスキー大統領との会談とトランプ大統領との協議の結果、われわれは対応を緊密に連携・調整しており、今後もそれを継続していく」と述べた。
首脳らは記者からの質問には応じなかった。
ロシアとウクライナの和平に向けて16日にトルコのイスタンブールで行われた両国の直接交渉は約2時間で終了した。ロシアの侵攻開始直後の2022年3月以来、3年ぶりの直接協議で、開催地のトルコも同席したが、両国間の溝が縮まった兆しは今のところ見られない。
 
 

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