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日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)が2025年5月1日、食料品の消費税率を1年間に限って0%に引き下げる立憲民主党の案について大阪府庁で記者団に
「減税を本気で実現するつもりがない」
「妥協の産物」
と批判したそうなんですが、日本維新の会の案は食料品の消費税を2年間ゼロにするというものなんです。
かたや立民も最大で2年間食料品の消費税をゼロにすると言っています。
吉村代表は、石破首相が立民案について事務負担を懸念した発言をしたことに賛意を示した上で
「事務コストがある以上、ある程度の年数は必要だ」
とも指摘したのですが、あんたらほとんど変わらんやん(笑)。
立民にしても維新にしても食料品の消費税を1~2年間ゼロにするというのがただの減税ポピュリズムで、参院選目当ての人気取りにしか過ぎないというのがミエミエなのは、まず第一に,、じゃあ1年ないし2年後に食料品の消費税をまた8%に戻すのか、戻せるのかということに全く答えられていないこと。
それこそ小売店などで消費税を下げたりあげたりするコストがかかる上に、1~2年後に消費税セロからまた8%に上げるなんて消費者から不満爆発なことをできるわけがないじゃないですか。
さらに食料品の消費税をゼロにした場合の年間減収額は、約5兆円と試算されていますが、その財源を両党とも示せていないことが問題です。
立民の野田佳彦代表なんてこれから財源を党内で検討させるなどと無責任なことを言っているわけですが、その点、国民民主党の玉木雄一郎代表ははっきりと消費税減税のために赤字国債を発行すると言っていますから、さすが無責任なポピュリズムの点では一日の長があります(皮肉ですよ)。
立憲民主党の野田代表が参院選の公約に、食料品の消費税率を原則1年間に限って0%に引き下げ、その後、給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」に移行する案。実現不可能なポピュリズム公約だ。
さて、日本共産党は第二次安倍政権がデフレ下にもかかわらず2019年に全体の消費税を8%から10%に増税した時点から「5%への緊急減税」を訴えていました。
そして、2024年10月の衆院総選挙でも消費税を5%に半減することを公約にしています。
この消費税半減には14兆円もの財源が必要なのですが、去年の衆院選での日本共産党の財源提案は、
(1)継続的な施策のためには、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革や大軍拡の中止などで、持続的な財源を確保する
(2)コロナ対策や物価高騰対策などの時限的な経費については、臨時の財源確保策で対応しつつも、必要に応じて国債も含めて機動的に対処する
というものです。
このように、日本共産党は法人税を増税したり内部留保への課税を創設することで大企業に対する優遇税制を是正し、所得税の累進課税率を上げたり資産税を創設したりすることで高所得層・富裕層への課税を強化することで格差の是正も打ち出しています。
つまり減税一本足打法の他のポピュリズム政党とは一線を画しており、福祉・医療・教育などを通じて所得の再分配ができるように、あるところ・払える人からはちゃんと税収も確保する応能負担を原則としているのです。
これに対して自国維公=「地獄逝こう」政党たちは、財界や大企業の労働組合の利益代弁者ですし、ホリエモンやひろゆきなど声の大きい高所得層に批判されるのが恐ろしくて応能負担などとは絶対に言えないのです。
現に、自公維で合意した高校教育無償化についても所得による制限は設けず、大金持ちでも庶民と同じ恩恵が得られる制度設計にしています。
消費税には所得の低い人ほど負担が大きくなる逆進性があるというのが一番の欠陥なのですからそれを減らすのはいいことですが、財源を確保しないと歳入がただ減ってしまって、国・地方公共団体による福祉や教育など市民へのサービスも低下するので、何をしているやらわからないことになってしまいます。
およそ公党ならば消費税減税先にありきではなく、日本をこれからどういう国にしていくかという方針の中で、そのための費用をどう賄うかという観点から税金についても議論をすべきです。
参考記事
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
kojitakenの日記さんより
編集後記
立民も創設者の枝野幸男氏は枝野ビジョンという「大きな政府論」構想を打ち出していたのですから、食料品の消費税を1年だけゼロにしますなどと言う小手先の減税ポピュリズムに走らず、日本共産党を見習って、もっと取れるところから取って庶民に分配する「所得の再分配」で格差を是正する大きな政府論で堂々と論戦をすべきです。
今のままでは立民も維新や民民と変わらず埋没するだけでしょう。
欲を言えば共産党も、立民が食料品の消費税ゼロを打ち出したことをただ喜んでいるのではなく、その財源を大企業や富裕層から持ってくるべきだと踏み込んで主張すべきです。
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2025年5月1日 20:00 日本経済新聞
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は1日、食料品の消費税率を1年間に限って0%に引き下げる立憲民主党の案を批判した。府庁で記者団に「減税を本気で実現するつもりがない」と述べた。立民内で意見が割れている状況を念頭に「妥協の産物」だともやゆした。
維新は食料品の税率2年間ゼロを政府に提言している。
立民案に関わる事務負担を疑問視した石破茂首相の発言に賛意を示した上で「事務コストがある以上、ある程度の年数は必要だ」とも指摘した。〔共同〕
吉村氏は「トランプ関税で経済が下向きになっても物価高が続くスタグフレーションになる可能性が高い。補助金より減税をすべきだ」と指摘した。定額減税終了などに伴う税収増加分をもとに、2年間の減税に必要な8兆円の財源を確保できると主張した。
減税の2年間で賃上げや社会保障改革による保険料引き下げなどに取り組むことを前提とした。ガソリンの暫定税率廃止とコメの生産強化への転換を加え、維新の経済対策として取りまとめ、政府に提言するという。
2025年4月23日(水) しんぶん赤旗
消費税減税 政界に旋風
世論うけ各党からも
恒久財源示し提案は共産党のみ
消費税減税をめぐる政治状況が大きく変化しています。日本共産党は16日、「物価高騰から暮らしを守る緊急提案」を発表し、恒久的な財源も示して緊急に消費税を5%に減税することを要求。日本維新の会、国民民主党からも消費税減税を求める声が上がり、夏の参院選を控える参院自民党内からも消費税減税の声が出ています。一方、政府・与党の経済対策は迷走を重ねています。
![]() (写真)緊急提案を説明する田村智子委員長=16日、東京・有楽町駅前 |
物価高に対する国民の悲鳴は日増しに高まっています。19、20両日に各社が行った世論調査では、8割近くの人が物価高の影響や不安をあげました。ANNの調査では、物価高対策として現金給付が必要だと「思う」が30%にとどまる一方、一時的な消費税減税に「賛成」が60%となるなど、国民の期待が消費税減税に集まっています。
一方、与党内では当初、物価高対策として全国民を対象とした一律3万~5万円程度の現金給付案が浮上していました。しかし、効果が薄いことや選挙目当てであることが国民に見透かされていることなどから、急速にトーンダウン。十分な物価高対策を示すことができなくなっています。
多くの党が消費税減税を主張するなか、立憲民主党は消費税減税に関する意見の集約ができていません。野田佳彦代表ら執行部が慎重な姿勢を示すなか、党内には減税を強く主張する議員も多く、議論が続けられています。
問題は、消費税減税をめぐる財源です。「当面は国債で対応するしかない」(国民民主党の浜口誠政調会長、13日のNHK日曜討論)との意見があがるなど、どの党も責任ある財源を示せていません。国債発行で毎年数十兆円の規模で借金を増やすことは急激なインフレのリスクも高めます。
これに対し、日本共産党は「緊急提案」で、消費税5%減税の財源として「行き過ぎた大企業への減税、大金持ち優遇、不公平税制をただせば確保できる」と主張。本気で消費税減税を実行するためには恒久的な財源を示すことが不可欠です。
2024年10月18日(金) しんぶん赤旗
問われる財源構想
具体的に示すのは共産党だけ
各政党の総選挙政策では、減税や子育て支援、教育無償化など、国民の期待に沿った内容が列挙されています。しかし、その財源をどうやって確保するのか、日本共産党以外、どの政党も示していません。
この点については「物価高対策に前のめりな一方、その裏付けとなる財源確保の議論は低調だ」(「毎日」16日)、「負担減をアピールするが、財源への言及は乏しい」(「朝日」16日)などと、マスコミも批判しています。
日本共産党の財源提案は明確
ただ、大手マスコミが言わないのは、日本共産党だけは明確な財源提案を打ち出しているということです。日本共産党の総選挙政策には、表のように、消費税の5%への減税をはじめ、賃上げや社会保障、子育て・教育などの継続的に行う施策に23兆円、最低賃金引き上げのための中小企業支援や奨学金返済負担の半減、当面の物価高騰対策などの時限的な施策に18兆円が必要だという金額が示されています。
そして、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革や、大軍拡の中止をはじめとする歳出改革など、財源確保の提案についても示しています。
こうした財源提案への賛否自体は人によってさまざまかもしれませんが、批判を恐れずに、自分たちの政策の金額的な規模と財源案を有権者に示さない限り、政策的な議論は深まりません。財源構想を国民に示すのは、政党としての当然の責務です。
ところが、日本共産党以外の各党は、自分たちの目玉政策を並べるだけで、その政策にどれだけの金額を要するのか、それをどうやって確保するのかについては、ほとんど明らかにしていません。なぜ、こんなことになるのでしょうか。
大軍拡推進では財源を語れない
自民党が財源を語れない根底には「5年間で43兆円」という大軍拡計画があります。
岸田前政権では、復興特別所得税の流用をはじめとした軍拡増税の方針を決めましたが、国民の批判が集中し、実施時期も決められないままになっています。先の自民党総裁選挙でも、増税方針を決めた当時の党幹事長だった茂木敏充氏から増税反対論が出るなど、自民党内でも意見が割れたままです。
また、通常国会での子育て支援策をめぐる議論の中で、軍拡が他の予算を圧迫するために、子育て支援の財源確保が困難になっていることも、明らかになっています。
自民党が財源論を語ろうとすれば、軍拡増税や軍拡が他の予算を圧迫することについても、触れざるを得なくなります。それを隠しておきたいから、財源については語れないのです。
自民党の「政権公約」パンフレットには、軍拡を進めることは書いてありますが、この増税については一言も書いてありません。「選挙が終わったら増税」などというのは、卑劣な増税隠しです。
自民党は、「共産党の財源論は無責任」などと悪口を言いますが、政権党でありながら財源を語れない自民党こそ、無責任の極みです。
公明党の重点政策のパンフレットには、一般的な「国際社会の平和と安定」という言葉はありますが、いまの大軍拡計画への言及はありません。与党として軍拡を推進しておきながら、国民にはそれを堂々と語れないのです。当然、軍拡増税にもふれられないため、公明党も財源論を語ることはできません。
借金頼みの無責任な議論も
軍拡賛成で財源論を語れなくなるのは、維新の会や国民民主党なども同じです。これらの党は、消費税や所得税の減税(維新は法人税も)や、教育の無償化などを掲げ、その規模は20兆円以上になると思われますが、まとまった財源論は何もなく、せいぜい「議員定数の削減」(維新)や「教育国債の発行」(国民民主)くらいです。国会の予算は衆参合わせても1061億円ですから、これを削減しても全く足らないことは明らかですし、「教育」と看板をつけようと国債は借金に違いはなく、教育を受ける若い世代にツケを回すだけです。
軍拡などではなく、消費税の減税とか教育の無償化とか、それ自体では国民の利益になる政策であっても、安易に国債発行などの借金に頼ったのでは、利払い費の増加で暮らしの予算が圧迫されたり、インフレが起きたりするなどの経済・財政の危機が深まり、政策の持続性が保証されません。
「インフレが起きたら、その時は財政支出を減らせばいい」などという議論もありますが、ただでさえ物価が上がって家計が苦しいときに、消費税を増税したり、無償化された教育を有償に戻したりするとでもいうのでしょうか。
日本共産党の財源提案は、(1)継続的な施策のためには、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革や大軍拡の中止などで、持続的な財源を確保する(2)コロナ対策や物価高騰対策などの時限的な経費については、臨時の財源確保策で対応しつつも、必要に応じて国債も含めて機動的に対処する―というものです。
いったいどの政党が、選挙の票目当てだけでない、責任ある政策を示しているのかは、その財源構想を比べることでよくわかります。うわべだけの言葉に惑わされず、政策の中身をよく見ていくことが必要です。
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