2023/2/24 11:25 産経新聞

【北京=三塚聖平】中国外務省は24日、ウクライナ危機に関する中国の立場を示す文書を発表した。ロシアとウクライナの双方に対し「互いに歩み寄り、できるだけ早期に直接対話を再開することを支持する」と表明し、全面的な停戦を目指すよう呼び掛けた。

文書では、ロシアが使用をちらつかせる核兵器について「使用や威嚇には反対すべきだ」と表明。生物化学兵器についても「いかなる国がいかなる状況においても、研究開発や使用することに反対する」との考えを示した。

米国が主導する対露制裁を念頭に「国連安全保障理事会による権限委託を受けていない一方的な制裁に反対する」と牽制(けんせい)した。

文書は「各国の主権、独立、領土保全は適切に保障されなければならない」と指摘し、侵略を受けたウクライナ側の立場に配慮した。同時に、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に原因があるとするロシア側の主張を念頭に、「地域の安全は、軍事グループの強化や拡大によって保障することはできない」と主張した。

中国は、米国との対立激化をにらみ、ロシアとの連携を強化する一方で、ウクライナ問題では過度にロシア寄りの姿勢をとって国際的に孤立することを避けようとしている。