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『ブレードランナー2049』

2017-10-29 15:49:13 | 映画[は]
『ブレードランナー2049』

製作総指揮:リドリー・スコット
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス

 1982年に公開された1作目では2019年の出来事が描かれていたが、今回はその30年後の2049年が舞台となっている。2019年なんてあと1年ちょいで到達してしまう。2049年だってそんなに先の事でもない。現実ではブレードランナーの出番はなくせいぜいマラソンランナーだ。空飛ぶクルマも実用化にはまだまだだ。この35年でVFXが進歩して大抵のことはデジタルで表現できちゃう時代になった。でも1作目もその独特なハマリ感が強烈なインパクトを放つ映画だった。もともとSFが好きだったので、フィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も読んだし、あのハン・ソロのハリソン・フォードが主演だ!ということで私的には半端なく期待感が高まっていた気がする。

 街のデザインもオリエンタル風味が胡散臭そうで雑然とした雰囲気が好きだった。今回も似たようなデザインの街並みが広がっているが、デジタル風味も加わってさらに妖艶な佇まいになっている。その中を飛び回るブレードランナーの乗るスピナーも、前作はシド・ミードのデザインが個性的だったが、今回のスピナーがかっこいいかというとそれほどでもない気が。今時のスポーツカーデザインにスピナー的な要素を付け替えただけの雰囲気は、前作よりも未来感が逆行してしまったような気がする。

 前回のエンディングを踏まえたトリッキーなストーリー展開は興味深い。デッカードの名前が出て来るとワクワク感がさらに高まる。前回は逃亡したレプリカントを追うのがメインテーマだったので、人間なのかレプリカントなのかという探り合いみたいなのがよくあったけれど、今回はそういうシーンは強調されず、判定技術が進んだからなのか、既成事実として市民に浸透しているからなのか、はじめからバレバレになっていて、世間からは「人間もどき」などと後ろ指さされていたりして気の毒だ。

 それにしてもハリソン・フォード、この映画もそうだけれど、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』など、昭和の名作の続編に親として再登場するのが平成名物となっている。名作だからこそまた作ろうという話が出るわけだが、本人が人気を保っていなければまた出てねとはならないだろう。そういう意味でもすごいなぁ。

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