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仏像手相鑑定の旅

2017-10-04 19:35:26 | イベント
 アートテラーとに~さん主催の「仏像手相鑑定の旅」に参加した。今回が2回目らしいが、占い師の高天麗舟(たかまれいしゅう)さんを講師に迎えて、あろうことか、仏像の手相を勝手に占ってしまおうという荒唐無稽な企画。参加者はやっぱり仏像が好きな人が多かった。仏像の手相占いなんて漫才のネタみたいなツアー。生きている人間は生き方によって手相も変わるが、仏像さんは生きてないから手相が変わるわけでもない。

 麗舟さんによると、仏像の手相は総じて悪くないという。仏師は意図的に良い手相に彫ったのか、たまたまそうなっただけなのか、本当のところはわからない。麗舟さんがとある現代の仏像作家さんに突撃取材してみた所、意図的に良い手相にしていると言われたそうだ。そりゃまぁ、手相がわかる人が見たら、この仏像はダメな手相だ、なんて事がわかってしまい、周囲にそれを吹聴したら、ダメ仏と後ろ指をさされかねない。「うしろゆびさされ仏」なんて縁起でもない。やっぱりそんなの何もありがたくないから良い手相にしておくに越したことはない。

 でもみんながそうする文化だったのかどうかはわからない。仏像の手の平を掘るときは、普通に考えれば自分の反対の手を見ならが彫るのがいちばんの近道だ。私でも手の絵を描く時は自分の手を見るし。だから仏師がたまたま良い手相だったかもしれない。慶派の仏像はみな同じ手相をしていると麗舟さんが言っていた。真面目な弟子は師匠の作品を忠実に模倣するから手相も一緒で不思議ではない。

 そんなこんなで、護国寺、目黒不動、大圓寺、東博1階を訪問した。二重の知能線をもってロマンチックでストレスが溜まりやすい護国寺の仁王、野心の強い霊廟聖観音、大胆で目の前にボタンがあればすぐ押したがる目黒不動の仁王、子供のころから仕事してそうな微笑観世音菩薩、オレがオレがという性格の東博の十一面観音菩薩、引っ込み思案で慎重な阿弥陀如来坐像、負けず嫌いの薬師如来坐像など、いろんなブツの手相を見てアーダコーダ言いながらの楽しい旅だった。

 麗舟さんに、足の相は見ないのですのかと尋ねると、やったことはあるとの回答だった。それでは動物の手相は見ないのですかと尋ねると、チンパンジーの手相なら見たことがあるとのこと。なかなか隙が無い人だ。私は無理をして自分を追い込む性格だそうだ。マラソンが趣味だったり、と言われて、確かにのろのろジョギングはするけれど、自分を追い込むほど疾走はしないぜ。すぐ休むぜ。すぐ歩くぜ。





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