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日記。

臺灣の私休(その1) 1913年6月21日

2016年12月09日 | 臺法月報
臺灣の私休 (其一)

私休とは臺灣人相互間の制裁卽社会的制裁である、而して中には實に聞くに忍びぬ残酷なものがある、是れは昔日、清人の明人虐殺、乃至は反賊の民人惨殺、官兵の復讐的勦滅、若は分類械闘及蕃人の馘首(かくしゅ)等常に惨酷酸鼻に堪えざる所行を見聞して居るからであらうと思ふ、勿論領臺以来此等安寧秩序を紊し一般風俗を傷ふ如きものは厳に禁止せられ居る譯なるも中には一二私かに行れ居らぬにも限らぬ、今其重なるもの數種挙ぐれば

△窃盗 捕へて縛し、或は吊るし打つ、又突屎禁とて捕へて倒まに厠の中に突き込む、又頭毛酷とて五分位の髪の毛を酷と尿とに入れて口よりつぎ込む、然すれば其賊は喘息又は肺病となり、物を取らんとして人家に入る毎に、咳の為に發覺して果たさぬと云ふ、又情状に依て割脚筋と云ふことをする、之れは足の筋を斬るのである、爲朝が臂筋を斷たれしよりは今一層、困難なることであらう。

△姦通 捕へて頭髪を斬る、又は割り耳とて耳を切る、灌尿とて尿汁を呑ましめる、又は寺廟用の物品を提供せしめ、其物品に氏名を明記して、物品の現存する限り人々の笑ひものとなり、後來は決して斯る耻かしきことすまじ、と思はしむるのであると云ふ、又罰として俳優を償はしめ、芝居を衆人に見せしむ、又爆竹を肛門に挿込み、火を點じて爆炸せしむるのもゐると云ふ、然かるに先頃他人の妻と通じたりとて、之を捕へて「サイダー」壜を肛門に挿込みたり、此被害者元来己れの招きたる禍ひなれば、苦しきをも忍びて家に歸り、自ら取り去らんとして鐵鎚にて打破はしたる為め、其砕片奥深く入り込み遂に如何とも致し方なく臺南病院に入院したるより、官の知る所となりたりと云ふ、随分危険なる制裁と云ふべし。
右の外處女に戯るれば、捕らへて灌尿を行ひ、殺人は捕らへて打殺し、又は情状に依り金餞を出して謝罪せしむ、又過失殺は金餞を出して謝罪せしめ、違約は菓子を買はせ、又は檳榔を用て謝罪せしむ、然し商品等にて違約の為め損害多きときは、其額に照して賠償し且謝罪せしむ。

臺法月報 第七巻第六號 1913年6月21日

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