北海道を代表する木は、どうも「エゾマツ」らしいんだけど、
俺の中では、北海道って言えば「シラカバ」ってことになっている。
樹皮が白く、白樺は、雪を連想させる。
数日前、地元の友達、十数人に、
「好きな景色ってある?」って、
アンケートを実施した。
その中の一人にも、「白樺の並木道かな」って奴がいて、
俺は、その友達が言っているであろう景色を探しにでかけた。
たぶん、この辺りだよなって、
道路沿いにたっている観光案内の地図の看板を眺めている俺に、
登山家のような格好のおじさんが、声をかけてきた。
「どこに行くんですか?」
「いや、この白樺街道を観ようと思って来ました」
「そうですか。この近くに、青い池があるんですが、行きましたか?」
「いや、行ってないです」
「すぐ近くだから、寄っていった方が良い。右側に建物が見えたら、右に入って、左にまっすぐ行くと、青い池があります」
「何て、名前の池ですか?」
「名前はわかりません。通称、ブルーリバーって呼ばれている川から流れ着いているから、青いらしいんですよ。ぜひ、行ってみると良い」
「ブルーリバー・・・、かっこいい」
まぁ、すぐ近くなら行ってみようかなって、軽い気持ちで、その場所を目指した。
車が一台しか通れない、両サイドには、草が生い茂っている、砂利道を走り、
途中、なぜかタクシーと出会い、バックで、相当な距離を戻り、
戻っては、砂利道を進み、川に出た。
観光名所にもなっていない場所だが、
俺よりも先に、先客がいた。
親くらいの年齢の夫婦。
一見、見慣れている普通の川があって、その左側に池らしきものがあった。
「なんじゃ、こりゃ」俺は心の中で呟いた。
カメラのシャッターを連続で押す。
ワクワクした顔をしてたんだろうね、
おばさんが、俺に声をかけてきた。
「あっち側から観ると、さらに、青いですよ」
その日は、いつもより、人に声をかけられて、
何か、写真を撮るよう、この池から導かれたような感覚に陥った。
再び、両サイド、草に覆われている砂利道を戻り、
少しばかり、車を止められそうな場所に車を止め、
再び、池を眺め、シャッターを押す。
足元は、雪駄だから、急斜面で滑りそうになりながら、シャッターを押す。
「お~い」
どこからともなく、おじさんの声が聞こえた。
やばい、車が邪魔なんだなって、俺は、「はーい」とでっかい声で返事をした。
白いタオルを頭に、だらんと垂らしているおじさんが現れて、
「いや、いや、つれを呼んだんだよ」って微笑んだ。
「何年ぶりだろう。ここから眺める十勝岳が一番、綺麗だ」
何年前に噴火したかも知らないけれど、十勝岳からは、未だ煙が出ている。
みんな、しらんだろな、この池。
くっくっくって、にやけながら、
故郷に贈る作品作りの写真を撮った一日。
*****
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俺の中では、北海道って言えば「シラカバ」ってことになっている。
樹皮が白く、白樺は、雪を連想させる。
数日前、地元の友達、十数人に、
「好きな景色ってある?」って、
アンケートを実施した。
その中の一人にも、「白樺の並木道かな」って奴がいて、
俺は、その友達が言っているであろう景色を探しにでかけた。
たぶん、この辺りだよなって、
道路沿いにたっている観光案内の地図の看板を眺めている俺に、
登山家のような格好のおじさんが、声をかけてきた。
「どこに行くんですか?」
「いや、この白樺街道を観ようと思って来ました」
「そうですか。この近くに、青い池があるんですが、行きましたか?」
「いや、行ってないです」
「すぐ近くだから、寄っていった方が良い。右側に建物が見えたら、右に入って、左にまっすぐ行くと、青い池があります」
「何て、名前の池ですか?」
「名前はわかりません。通称、ブルーリバーって呼ばれている川から流れ着いているから、青いらしいんですよ。ぜひ、行ってみると良い」
「ブルーリバー・・・、かっこいい」
まぁ、すぐ近くなら行ってみようかなって、軽い気持ちで、その場所を目指した。
車が一台しか通れない、両サイドには、草が生い茂っている、砂利道を走り、
途中、なぜかタクシーと出会い、バックで、相当な距離を戻り、
戻っては、砂利道を進み、川に出た。
観光名所にもなっていない場所だが、
俺よりも先に、先客がいた。
親くらいの年齢の夫婦。
一見、見慣れている普通の川があって、その左側に池らしきものがあった。
「なんじゃ、こりゃ」俺は心の中で呟いた。
カメラのシャッターを連続で押す。
ワクワクした顔をしてたんだろうね、
おばさんが、俺に声をかけてきた。
「あっち側から観ると、さらに、青いですよ」
その日は、いつもより、人に声をかけられて、
何か、写真を撮るよう、この池から導かれたような感覚に陥った。
再び、両サイド、草に覆われている砂利道を戻り、
少しばかり、車を止められそうな場所に車を止め、
再び、池を眺め、シャッターを押す。
足元は、雪駄だから、急斜面で滑りそうになりながら、シャッターを押す。
「お~い」
どこからともなく、おじさんの声が聞こえた。
やばい、車が邪魔なんだなって、俺は、「はーい」とでっかい声で返事をした。
白いタオルを頭に、だらんと垂らしているおじさんが現れて、
「いや、いや、つれを呼んだんだよ」って微笑んだ。
「何年ぶりだろう。ここから眺める十勝岳が一番、綺麗だ」
何年前に噴火したかも知らないけれど、十勝岳からは、未だ煙が出ている。
みんな、しらんだろな、この池。
くっくっくって、にやけながら、
故郷に贈る作品作りの写真を撮った一日。
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