どんまい

いろいろあるけれど、それでいい。

北の国から~2006至福~

2006年12月31日 | little story
フェリーという乗り物に乗っただけで、お腹一杯だったにもかかわらず、
バス、JRを乗り継ぎ、北海道旭川市に着いたのが、30日、AM0:30。

「やっぱり寒いな」と体が痙攣を起こしたかのように、ガタガタ震える。
旭川駅の温度計は、「マイナス3.4度」。
煙草を吸うために、出した右手は、すぐにでも引っ込めたくなる。
「かじかむ」という表現がぴったりだ。
吐く白い息は、煙草の煙か、はたまた俺の息かも、微妙なライン。

「小学校の頃、マイナス20度で、学校が2時間遅れだったな」と、
マイナス3.4度で、すでに寒くて仕方がない俺は、懐かしむというよりも、改めて、びびる。

「思っていたよりも、雪は少ないな」と駅から歩くこと数分。
友達が予約をしてくれていたホテルに到着。
立ち止まると、体がふらつき、フェリーでの前夜祭の余韻が残っていることを実感する。


30日、AM2:00。ホテル到着から、1時間ばかりがたってから始まった「宴」は、
30日、PM11:00まで、途中、仮眠を挟むが、16時間続く。


本来であれば、3人と会えば、3日3晩の宴が、必要だけれども、
時間の都合上、どうしても、この1日に凝縮せざるを得ない。

ただ、この日は、絶妙なくらい、それぞれの会える時間が、
ずれたため、深夜、昼、夕方と、3人に、それぞれ会うことができる。

話しては、煙草を吸い、
話しては、トイレに行く。

慣れない寒さのせいか、話の合間、合間に、
煙草を吸った本数と同じくらいトイレに行く。
トイレに行った回数を数えていないから、公認記録ではないが、
たぶん、ここにきて、1日のトイレ回数は、29年間で1位に踊り出たはずだ。
まあ、ここでは、どうでも良い話だ。


「時間が止まってくれないかな」。
俺は、あまりにも至福な時を過ごしている最中に、時々、ありもしないことを思う。
それくらい1時間という時間は、あっという間に過ぎ去る。

電車の時間が、どうだとか、ここで考えるのは不要。
金。けちるところじゃない。
ただただ、共有できる時間ギリギリまで、その宴を楽しんでいたい。

予定はしていなかったが、想像はしていたとおり、
俺は、再び、前日に友達がとってくれたホテルに寂しい気持ちで向かう。


「人と人の繋がりから得られる、この至福は、やっぱりすげぇな」と、あらためて感じる
2006年、最後の締めくくり。
最高なひとときをくれた3人に感謝をします。



こうして、2006年、楽雲庵塾、最後の更新を終えることになりました。
楽雲庵塾を楽しみにしていてくれる人がいたら、俺は幸せです。
みなさんにとって、2007年も、良い年になるよう願っています。




俺は、その日を前夜祭と呼ぶ

2006年12月30日 | little story
旅行に行く前日は、実際に、旅行に行ってる時のように楽しい。


俺は、その前日を、「前夜祭」と呼ぶ。
特に何をするというわけじゃない。
気分の問題。
前夜祭とつけるだけで、1日、楽しむ日が増えたみたいに感じる。
前夜祭から、一人オールをするのも、また良し。
それくらいのテンションで、前日は、臨みたい。


年末、年始と北海道で過ごすことにした俺は、
フェリーの中で、前夜祭を行うことになる。

あまりにもひどい悪天候。
人は、それを「オオシケ」と呼ぶ。

船の中は、まるで遊園地。
ざっぶん、ざっぶんと荒い波。
上下に揺られる体。
船に乗っているのに、遊園地の乗り物に乗っている気分。

遊園地みたいに感じるだけで、もはや前夜祭だと思うが、
このまま起きていたら、確実にK.Oは、1ラウンド目に訪れる。
そんなことを考えているまもなく気持ち悪い。
こうなったら、もう寝るしかない。


朝、起きても、まだまだ続く前夜祭。
持参した本も、もう読み終わった。
暇すぎる。
もうこれは、軟禁だなと、あまりにも暇を持て余し、想像を巡らし、時間つぶし。


もし、この船が大波によって、沈んだら。


誰しもが、飛行機に乗った時には、想像するんじゃないだろうか。
こんな鉄の塊が、空を飛ぶなんて、ありえない。
もしや墜落するかもしれない。

船もまた然りなわけだ。
こんな鉄の塊が、水に浮いているなんて、ありえない。
もしや沈没するんじゃないか。

ここから見える陸まで泳ぐか?
いや、俺は、25メートル泳ぐのが、精一杯。
それは小学校の時の記録だから、
今は、そんなに泳げる自信も無い。

陸に辿りつく前に、確実に体力は、尽きる。
しかも、服を着てると、さらに体力が消耗するって聞いたこともある。

そうこうしているうちに、救助がきて、
海に、ぽつんと、一人。
絶対、発見されるわけがない。
グッバイ。

やはり、ここは、でっかい船の近くにいることが一番ベストだな。


船に乗ること、ウン十時間。
もう数えるのすら、めんどくさい。


俺は、両生類みたいだ。
やっと、陸だと、辿りついた北海道。


ただいま、北海道。




『風が強く吹いている』三浦しをん:新潮社

2006年12月27日 | book
結構、分厚い本なんだけど、先の話が気になり、一気に読んだ。
次が読みたいという欲求を駆り立てられる本は、ひさびさ。
これが、小説の一つの良さなんだろうなぁ。

この本の話は、ボロアパートに住んでいる10人の住人(大学生)が、箱根駅伝を目指す話。

心に突き刺さるセリフみたいなのは、なかったんだけど、本を読みながら、登場人物の10人を応援した。
応援したくなる。

圧倒的な強さを誇る登場人物よりも、
弱さがある登場人物に惹かれる。

箱根駅伝が好きな人は、読んでみて。
もちろん、箱根駅伝に興味がなくても、おもしろい。



この本は、楽雲庵塾にメッセージをくれた、みゆみゆさんから、紹介してもらった本です。
みゆみゆさん、紹介してくれてありがとう。
みなさんも、おもしろい本があったら、教えてください。

忘れられないクリスマスプレゼント

2006年12月24日 | little story
父と母からもらったクリスマスプレゼントのほとんどは、
何をもらったかも忘れたのに、
一つだけ、はっきり思い出すことができるプレゼントがある。

クリスマスの時期、新聞の間に挟まってくる、
おもちゃ屋のチラシが、楽しみで仕方がなかった小学生の頃。

毎年、楽しみにしていたクリスマスの日。
母は、いつものように、「部屋を綺麗にしないとサンタさんは来ないよ」と、
俺の部屋掃除を促す。

普段は、勉強に使わない勉強机を、綺麗にし、
待ちに待ったクリスマスプレゼント。


その、クリスマスプレゼントは、俺が期待していないものだった。


「こんなのいらない」と駄々をこねる俺。
悩んで買った母の気持ちを理解しようともしなかった俺。


今更ながら、申し訳ないことをしたなと、
あの頃を振り返り、切なかった母の気持ちがよぎって、切なくなる。
ごめんな、オカア。

俺も大人になり、プレゼントは、その悩んでくれた過程が嬉しいと思うようになりました。
プレゼントをもらえるだけで、ありがたい。


先日、母にメールをした。
「正月に帰ったらジンギスカンにして」
「うまいジンギスカンをかっておくから わかったよ」

「何か食いたいものがあるか」と聞かれても、
「特にない」と答える俺が、食いたいものを言うのも珍しい。


オカアの作る飯は、絶品だって、家を出てから知りました。




笑って暮らせるように

2006年12月21日 | little story
その一本の電話は、幸せな夢のようだった。


寝ぼけまなこで、とった携帯電話。
携帯電話を手にとったことすら、夢と現実の境目。

名前を聞いて、一気に目が覚める。
顔が蘇ってきて、一気に嬉しくなる。


教育実習の時に出逢った生徒からだった。


何ヶ月前か、何年前かも忘れたけれど、
地元の友達が、一緒の職場で働いていて、
「俺の電話番号とメールアドレスを、聞かれたから、教えておくね」って言っていたのを思い出した。

あまりにも、長い期間が経ったから、
その話すら忘れていた。


自分が楽しい生活を送れるようになったら、電話しようと決めていたらしい。
それが、今になったって言っていた。

「辛い時だって、電話して良いんだぞ、
覚えてくれていた、それだけで、俺は嬉しいんだ。」
と電話口で答える。


教育実習から、今に至る俺の話は、
怒濤の如くある。

「うけるね」と、
何度も聞こえる、笑い声。

あまりにも嬉しくて、
ついつい自分の話ばかりする悪い癖が出てしまったと、
後で、反省した。


たぶん、なかなか電話はしずらいと思うけれど、
また、いつの日か、電話をちょうだいよ。

嬉しいことや、悲しいこと、辛いこと、何でもいいからさ。
何も無くてもいいや。
何も無い時は、俺の話をするからさ。
ここぞとばかりにね。


これからも、笑って暮らせるように、
俺は、ここで、陰ながら祈っているよ。








もっと軽快に、もっと軽やかに

2006年12月19日 | little story
寒い冬のせいなのか、
はたまた、めんどくさがりなのか、
家でゆっくりしたいという気持ちが先走る。

「めんどくせぇな。家で、ゴロゴロしてぇな」と思ってばかりいたら、
人に会うのもめんどくさくなってきた。
なかなか厄介。

このままじゃいけないなと、
先週の週末は、仙台に出かけた。

そういえば、イルミネーションの時期だったかと、
タクシーの中から、ケヤキ並木を懐かしく眺める。

そして、大学で出逢った仲間と、久しぶりの再会。
タワイモナイ話が、カケガエノナイ時間。

大学を卒業して、6年。
本当にあっという間。
時の流れは、思っているよりも早い。

もっと、軽快に、
もっと、軽やかに、
ステップを刻んで行こうか。




有言実行

2006年12月18日 | little story
俺は何かと、先に宣言しちゃってから、行動に移していくのを好む。
四字熟語を使えば、「有言実行」を好む。
ついつい、口から出てしまうと言った方が、より正確な表現になるかもしれない。


禁煙しようと思っている人が、
周りに、「禁煙した」って、宣言しちゃうのは、なかなか有効らしい。
実行に移さないと、宣言した手前、「恥」となるから。

俺は、「なぜ、有言実行をするか」と、
聞かれたことはないけれども、
仮に聞かれたとすれば、
たぶん、こう答えるだろう。


宣言して、人が驚いた顔を先に見たいから。
宣言して、人が喜ぶ顔を先に見たいから。


先週の金曜日、
ひさびさに中学時代を共に駆け抜けた、
一人の友達に電話をした。

その友達は、昨年の12月に結婚をし、
俺は、もう一人の友達と、「結婚祝いに準備がかかるから後で渡す」と宣言をした。
渾身の作品を作って、喜んでもらろうと思いながら、気づけば1年が経過。
未だに渡してない。

その友達は、こう言っていた。
「ワクワクがイライラに変わったよ」と。

冗談交じりで、お互いに笑った、その会話は、
こうして、文字におこしてみると、
なかなか笑えない。

口だけで終わるのは勘弁だ。
男、失格。
いや、すでに口だけになっている感も否めないが、
約束をした人達に、あいつは、覚えていたんだと、
そろそろ、行動に移していこうかと反省しております。


同じく、先週の金曜日。
友達が退院をしてから数ヶ月。
遅ればせながら、俺は、退院祝いをするために、
ひさびさの仙台に向かい、
ひさびさの夜を共に過ごした。





旅にでちゃうものランキング

2006年12月13日 | little story
「また、旅にでたのかよ」


数本はあったボールペンは、
俺の元を去っていき、
残り1本を見て、俺は心の中で、そう、つぶやいた。

その残り1本も、インクは、満タンなはずなのに、
気合いが足りない。
かすれ気味。

そういうわけで、俺の中の、
2006年、旅に出ちゃう物、ランキング第一位は、
「ボールペン」でした。

ちなみに、その出かけたボールペンが、
違う人の所で、発見された時もあり、
ボールペンくらいで、「俺のです」っていうのも、
なんか、みみっちいよな。まあ、いいやと、
そんな些細な1ページもあった2006年の俺とボールペンの思い出。


意外性を見せた、第2位は「靴下」。
ここにきて、旅にでまくり、俺が所持している靴下の半分は、
どこかに出かけてしまった。
焦りすぎの感が否めない。

ちなみに、右と左の靴下が違う状態で履くことを、北海道の方言では、
「びっこたっこ」と言う。


この前、誕生日を迎えた時に、ふと、2006年を少しばかり振り返った。
今までにないくらい、あっという間に迎えた12月。

8月に日本47都道府県の旅を完結したまでは、良かったものの、
まだまだだなと振り返る。

やりたいことも、まだあるし、
会いたい人にも、会っていない。

せめて、ちょっとばかり、ラストスパートをかけようかと思う12月。





誕生日派

2006年12月12日 | little story
12月9日。
俺は29歳を迎えた。

「今日、誕生日だね。おめでとう。正月いつかえってくる?」と、
母さんからの短いメール。

いつも、短いが、短いのは当たり前。
どうしてかって、ショートメールだから。

妹は、どうして、母さんにショートメールを教えたのだろう。
「どうせ教えるなら、普通のメールを教えれば良いのに」と、
素朴な疑問がわくが、とうの母さんは、
たぶん、メールをすること自体が楽しいから、
良しとしておこう。

俺も家族の誕生日を覚えているが、うる覚え。

そんなに昔でもない、妹の誕生日に、メールでもしてやるかと思って、送ったら、2日早かった。
未だに、15日だったか、17日だったか自信はない。
そんな兄貴で申し訳ない。

それならまだしも、父さんと母さんの誕生日は、
月だけが確実で、日にちは、一桁だったなと、
最悪な息子を以前として、突っ走っている。


本当に、自分以外の誕生日を覚えられない。
月までは、覚えていられるんだけど、日にちとなると、めっきり自信がなくなる。

みんなは、どんなふうに、友達の誕生日を覚えているのだろうか?
手帳に記入するとか、携帯に入力しておくとかじゃない、男らしい覚え方を教えてもらいたい。

やっぱり、誕生日に、友達とかからメールが入ってくるのは嬉しい。
自分が嬉しい気持ちになるのなら、先に、自分からしたいよね。
しかし、俺は、月しか覚えていない。
当然、小さな幸せのメールを送っていない。
この場を借りて、あやまりたい。
ごめんなさい。


ちなみに、クリスマスも近いけれど、
記念日で、どの日が、一番大切かと聞かれれば、
「誕生日派だ」と俺は答える。






その時、再び

2006年12月04日 | little story
冬になると、俺の定位置は、ストーブの前。
かまくらを作って遊んでいた子どもの頃から同じだ。

ストーブに足をかけ、寝転がる。
「熱い!」と、時々、足を引っ込めるくらいが、ちょうど良い。


一昨年のことだったか、俺は、あいかわらずストーブの前に寝っ転がって過ごしていた。
そして、気づいたら、寝ていた。

そのことが原因だと思うんだけど、猛烈なけつの痒さに、さいなまれる。
けつのデリケートな部分が、やけどした。
たぶん。

それは、それは、強烈で、しかも、この痒さから逃れることは、
できないんじゃないのかと思うくらいの長い期間、1ヶ月。

どれくらい痒かったかというわかりやすい話がある。


朝、起きたら、知らず、知らずのうちにズボンを脱いでいた。


ズボンの上から、掻いても、満足しきれなかったんだろう。


よくよく考えると、この時期は、よく体調を崩している。
先日も、なぜか円形脱毛症になり、
かとおもいきや、今年は、それだけに終わらず、虫歯。


虫歯をなめないほうが良い。
もう痛くて、痛くて、たまらない。

俺は、ここ近年、「めんどくさい」とか、「だるい」とか、
マイナスな言葉が頭をよぎっても、なるべく口に出さないようにしていた。
口に出すことによって、マイナスが増幅していくと考えたから。

が、この虫歯。
そんな俺の意志とは無関係に、猛烈に痛む。

もう、ここは避けて通れないと、先週、歯医者に行った。
嫌いな場所の第1位を争っている歯医者。
20年は、その座を譲らない。

しかも、虫歯は1カ所にとどまらず、
大御所の「親知らず」も控えている。

一度、「親知らず」を抜いて、歯茎が陥没し、下から白い骨が見えた。
その時、再びと、今からビビっている。