あまりにも天気が良いもんだから、
カメラを持って、てくてく街を歩いた。
ぼぉっとしながら、街を眺め、
ぼぉっと信号が青になるのを待つ。
さっきすれ違った筈の、
いかつい、金髪の男性が、
俺に何か話しかけてきた。
「○×△?」
ぼぉっとしていたから、何を言っているのか聞き取れなかった。
その様子を見ていた、いかつい男性が、再び、俺に話しかける。
「アキオじゃねぇ?」
「いや、違いますね」
「いや、アキオでしょ?」
ひさびさに人間違いされたなと思いながら、
「いや、違います」と二度、否定した。
「それにしても、アキオに似てんのぉ」
関西弁まじりのいかつい男性が、
さも残念そうに、去っていった。
この前は、車に乗っている俺に向かって、
女性が手を振っていた。
二度見したけど、知らない女性だった。
世界に似ている人は3人いると言われるが、
俺の場合、すでに3人以上の人に間違われている。
世界に似ている人は3人以上いる。
たぶん、アキオも同じことを思っているはずだ。
*****
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「○×△?」
ぼぉっとしていたから、何を言っているのか聞き取れなかった。
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「アキオじゃねぇ?」
「いや、違いますね」
「いや、アキオでしょ?」
ひさびさに人間違いされたなと思いながら、
「いや、違います」と二度、否定した。
「それにしても、アキオに似てんのぉ」
関西弁まじりのいかつい男性が、
さも残念そうに、去っていった。
この前は、車に乗っている俺に向かって、
女性が手を振っていた。
二度見したけど、知らない女性だった。
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