どんまい

いろいろあるけれど、それでいい。

秋に観る桜も、またよし。

2007年10月31日 | little story
子どもの頃、絵を描くのが好きだった。
漫画を描くのは、特に好きだった。
紙の上で繰り広げる、自由な世界。
紙の上では、4番でエース。

反対に、人の絵を観るのは、苦手だった。
大学の頃、一度だけ美術館に行ったんだけど、
何がすごいのか、わからなかった。
もう、行くことはないなくらいに思っていた。

ただ、今年に入って、新潟市のギャラリー、
「GALLERY N7」に通うようになってから、
「人の絵を観るのも、また刺激になる」という気持ちになって、
先日、前から行ってみたいと思っていた絵を観に行った。

「桜の絵を描いている絵描きさんがいるんだよ」

その言葉が、頭の片隅にずっとあった。
訪れた場所は「中島千波館」。

屏風に描かれていた1本の老木。

「こんなところで、再会できるなんてな」

その1本の老木は、俺が桜を好きになるきっかけをくれた桜だった。

「きれいだなぁ」

その1本の老木、その1枚の絵に見入った。

一通り、見終わった後、
「帰りにもう一度、観ておこう」と、
また、その屏風の前に立つ。


これから、長い冬に突入していく。
いい加減、冬とも仲良くやっていこうと思うけど、
早く会いたいよ。桜。




2007年10月28日 | little story
今年、アメリカに渡り、メジャーリーグのマウンドに立った桑田真澄投手。
桑田投手の野球道具には、「心」という文字が刺繍されている。

その桑田投手が、現役を続けるか考えている時に、
日米対抗大学野球を観に行った。

大学生が野球をしている姿を観て、
「やっぱり、野球をやっていたい」と思ったらしい。


俺も、時々、高校生や大学生と話をする機会があって、
結構な確率で、自分のモチベーションが上がっているのがわかる。
何より楽しい。

この前、会った学生とは、1ヶ月間、共に過ごしたんだけど、
壁にぶちあたり、悩み、
悩みながら、自分で何かをものにしていく過程を見ているのが楽しかった。

俺は、ただ、その環境を整える。
頃合いを見て、ちょっとしたヒントを出していくだけ。
自分の手で掴み取っていく過程を大切にしていきたい。

その学生と別れる日に、俺はこう言った。

「せめて悩めよ。悩んでわかけがわからなくなったら、どの職場にも、たぶん1人はすごい人がいるから、その人に相談しろ。誰もいなかったら、俺でよければ、いつでも聞くから連絡をくれ」

俺は、悩める人と働きたいし、
うまくいかないのが悔しくて、トイレで、こっそり泣いているような人と働きたい。





風来坊

2007年10月27日 | little story
子どもの頃、「あんたは、風来坊みたいだ」と母ちゃんは俺に言った。
意味がわからなかったけれど、響きはかっこよかったから、良しとした。

またある日、母ちゃんが、俺に「あんたは、鉄砲玉だ」と言った。
また意味がわからなかったから、母ちゃんに、「どういう意味だ?」と聞いた。
「一回、出て行くと帰ってこない」という意味だと教えてくれた。

「風来坊も、そんな感じの意味だろ?」と推測を立てて、
そのままにしていたけれど、改めて辞書をひっくり返して調べてみた。

【風来坊】
①風のようにどこからともなくやって来た人。
②気まぐれで落ち着きがない人。
(引用:旺文社 国語辞典)


ここ近年は、あらかじめ、連絡をしてから、
人に会うように心がけているけれど、
どうも、計画を立てるのが苦手なのもあって、
会えればラッキーだと、その日か、前の日に連絡をする。

北海道に帰った時、
そんな一人が、母ちゃんの兄さん。
つまりは、俺のおじさんにあたる人で、2分の1の確率で会えない。
会えないと言っても、連絡もせずに会いに行く俺のせい。
会えない時は、「また気が向いた時にでも来るかな」と北海道を後にする。

そのおじさん。マリナーズの城島似だと思ってるんだけど、
今のところ賛同は得られていない。

昔は、相撲取りを目指していたらしく、
体格は筋肉質で、夏は、上半身裸。
海の男がぴったりと合うようなおじさんだ。

あれは、何年前か。
その2分の1の確率で会えた時の話。

おじさんは、俺にこう言った。
「お前の苦労は、苦労じゃないよ。本当の苦労は、金での苦労だ」

そのおじさん。昔は、食えない程、金がなかったらしい。
食えない程のところから、今は独立をして店を構えている。

俺は、「よく独立する決断ができたね」と聞いた。
すると、隣にいたおばさん、つまりは、おじさんの奥さんが、俺に話してくれた。

「決断をするまでは、食欲も落ちてね。相当、悩んでいたよ」
おじさんは、おばさんが言った「失敗したとしても、また元に戻るだけよ」という言葉で独立を決めたらしい。

次は、冬に北海道に帰った時にでも、おじさんの武勇伝を聞かせてもらおう。



秋の夕日は、子どもの俺が、外で遊んで、家に帰った時を思い出させるけれど、
俺が故郷を想うのは、何も秋ばかりじゃない。






燃える

2007年10月25日 | little story
「燃えてる!燃えてる!」と慌てた顔の家庭科教師。

調理実習の時、俺のエプロンは燃えた。
俺がまだ、中学生の時の話だ。

「そういえば、あの時、作っていたのもハンバーグだったっけ。ハンバーグは、揉む回数で、旨みも変わるんだったな」と、
俺はあいかわらず、自炊をしている。

こうして日記を書くのもひさびさですが、
みなさん、自炊をしていますか?


俺は昨日に引き続き、今日もハンバーグだ。


さあ、今日もハンバーグを食おうかと思っていた所に、1通のメール。
「どうした?ジャイアンツが負けたから更新しないのか?おいっ立ち直れ。道民」

確かに、確かに。ジャイアンツが、あっけなく負けていじけてるよ。

今年も野球シーズンが終わりかと、いじけていたら、
ふと今年は、このまま終わらないことに気がついた。
オリンピック予選があった。
星野ジャパン。

以前、テレビに星野仙一監督が出ているのを思い出した。

「このオリンピックは、私の野球人生の総決算です。オリンピックが終われば、あとはどうなっても良い。それくらい燃えています」

「とりあえず、これだけは成し遂げてぇ」。
そんな執念にも似た感覚は、俺も何度か味わったことがある。

その一つが、本を出すこと。
思い立って2年。未だに成し遂げられていない。

こうなったら、自費出版しかねぇなと思えど、その道は遠い。
大抵、俺の足をひっぱるのは金だ。


今年の夏、「金を出すから俺の本を欲しい」っていう友達がいて、
「家のプリンターで印刷したものなら良いよ」と送った。
(参考日記:その小包にユーモアを詰めて贈る

先日、その友達から手紙がきた。
その友達の手紙に同封されていた、もう1通の手紙。

友達の友達からの手紙。
俺が友達に贈った自伝を読んで手紙をくれた。

その手紙、かれこれ5回は読ませていただきました。
ありがとう。

こうして、楽雲庵塾を通して、メッセージをもらえるのは本当に励みになる。
更新を楽しみにしていてくれる人がいるのは本当にありがたい。


ありがとう。









ジャイアンツ愛

2007年10月03日 | baseball
「4番、サード・・・・、原」


俺は、子どもの頃、「4番サード、原」に憧れ、
サードというポジションにこだわり、4番を目指した。
そして、高校球児の時に実現する。


その原監督、就任1年目。


「ジャイアンツ・・・愛!」


今から5年前、力を込めて、「ジャイアンツ愛」と連呼している原監督の姿を見ていて、
「大丈夫なのか?すごい選手は必ずしも監督としてもすごいとは限らない」という言葉が頭をよぎり、俺は不安を感じた。

ただ、そこは結果で見せる。
就任1年目にして、リーグ優勝、日本一を勝ち取る。

原監督が、発するメッセージは、
時々、俺の心に刺さった。
かっこいいんだよ、原監督のメッセージわ。


そして、昨日。
5年ぶりに、リーグ優勝を勝ち取る。

ここのところ、野球からは、
「あきらめない」というメッセージを、本当に受け取っている。
WBCにしても、高校野球にしても、
そして、今回のジャイアンツにしても。

終盤にきての大混戦。
阪神、中日との三つ巴。

残り試合数から言っても、相当厳しい状況にあったにもかかわらず、
クライマックスシリーズから、日本一を目指せる状況があるにもかかわらず、
そこは、リーグ優勝を目指し実現した。
ただ、ただ、すごい。


何度となく、味わった苦しみは、1日にして、ぶっとぶ。
それが、苦しみの先にある幸せだ。
苦しんだ奴にしかわからない幸せだ。


パ・リーグを勝ち上がり、
北海道で、歓喜を味わっている友よ。


日本シリーズで会おうな。


先に、転けるんじゃねぇぞ。


ジャイアンツ・・・愛。