○ 九官鳥しゃべらぬ朝にダイレクトメール凍って届く二月 穂村弘
いくらお喋りで律義者の「九官鳥」とは言え、口を引き裂かれようが、米沢牛の霜降り肉を一万トンも目の前に積まれようが、一年に一度や二度くらいは、「絶対にしゃべらないぞ!」「あの生意気なホムホム相手には、口が裂けてもしゃべってなんかやるもんか!」などと覚悟を決める場合がありますから、件の「九官鳥」の怠慢行為自体は決して責められません。
問題は、その朝に限って、「ダイレクトメール」が「凍って届」いたことである。
作者のホムホムも、当然ご承知のことと思われますが、季節が「二月」ですから、ままあることではありますが、貴殿宛の「ダイレクトメール」が「凍って届」」いた責任は、一に媒介業者の郵便局もしくはクロネコヤマトにありましょう。
だが、つい先日、耳にした話によりますと、昨今に於いては、ダイレクトメール代行業者なる、新手の中間媒介業者が業界に現れ出て、件の業者どもは、〈くろねこDМ便〉や〈Uメール〉などと結託して儲け仕事を企んでいる、とのことでありますから、事の責任の一端は、そこいら辺に存在するかも知れません。
とは言え、悲憤慷慨の余り、見ず知らずの業者に手当たり次第にクレームをつけても逆襲されるかも知れませんから、事前に、よくよく調査して、事に当たらなければなりませんよ!
再読してみるに、本作の趣旨は、ただ単に「二月という季節は、あのお喋りの九官鳥が口を閉じて黙る程にも、砂子屋書房からのダイレクトメールが固く凍って届く程にも厳寒の季節なのだ」と言いたいだけのことなのかもしれません。
伝書鳩ならまだしも、南蛮渡来の九官鳥とダイレクトメールのミスマッチ的な取り合わせがホムホム的で面白い。
いくらお喋りで律義者の「九官鳥」とは言え、口を引き裂かれようが、米沢牛の霜降り肉を一万トンも目の前に積まれようが、一年に一度や二度くらいは、「絶対にしゃべらないぞ!」「あの生意気なホムホム相手には、口が裂けてもしゃべってなんかやるもんか!」などと覚悟を決める場合がありますから、件の「九官鳥」の怠慢行為自体は決して責められません。
問題は、その朝に限って、「ダイレクトメール」が「凍って届」いたことである。
作者のホムホムも、当然ご承知のことと思われますが、季節が「二月」ですから、ままあることではありますが、貴殿宛の「ダイレクトメール」が「凍って届」」いた責任は、一に媒介業者の郵便局もしくはクロネコヤマトにありましょう。
だが、つい先日、耳にした話によりますと、昨今に於いては、ダイレクトメール代行業者なる、新手の中間媒介業者が業界に現れ出て、件の業者どもは、〈くろねこDМ便〉や〈Uメール〉などと結託して儲け仕事を企んでいる、とのことでありますから、事の責任の一端は、そこいら辺に存在するかも知れません。
とは言え、悲憤慷慨の余り、見ず知らずの業者に手当たり次第にクレームをつけても逆襲されるかも知れませんから、事前に、よくよく調査して、事に当たらなければなりませんよ!
再読してみるに、本作の趣旨は、ただ単に「二月という季節は、あのお喋りの九官鳥が口を閉じて黙る程にも、砂子屋書房からのダイレクトメールが固く凍って届く程にも厳寒の季節なのだ」と言いたいだけのことなのかもしれません。
伝書鳩ならまだしも、南蛮渡来の九官鳥とダイレクトメールのミスマッチ的な取り合わせがホムホム的で面白い。