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2011-02-24 | Weblog
かなり前に買って仕舞い込んでいたのを映画を見る前に見とこうと思って見つけ出して読んでいる。以前は村上春樹の独特の表現がまどろっこしくて2・30頁読んで行方不明になっていたのだが、最近彼の本を多く読むようになって、慣れてきたのか今回は面白く読んでいる。
小説の中の緑という女の子の家が本屋で、その店の情景が描かれていた部分を読んでいると私が高校生の頃よく利用していた本屋の店先の情景が浮かんできた。小説では主人公と緑が本屋の屋上から火事を見物するのだが、奇しくも私の町ではその本屋が火元(あくまで噂だが)となって、町のかなりの部分が焼けてしまった。店の向かいには柳の木があったような覚えがあり、その本屋のイメージは柳の若葉の色だ。今にして思えばすれ違うのがやっとの狭い店内、専門書などはごくわずかで、実用書が少しと平積みなった雑誌や少しの文庫本しかない。しかし、当時の私には町のその程度の本屋の情報で十分生活が成り立っていた。その小さな本屋という窓から世界を覗いていた自分を思うとそれがほほえましいような切ないような気がする。
コメント
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