8日・土曜は奈良県橿原市の県立橿原公苑陸上競技場にて行われた、高校総体の決勝戦を
観戦してまいりました。対戦カードは、前橋育英-米子北。前育は昨年暮れから今年正月の
選手権においても、非常にいいサッカーを見せていたチーム。といいますか、もはや全国でも
有数の名門校といっていい存在でしょう。今年の高校サッカーの状況を、恥ずかしながら
僕は全くつかめていませんが、前育の決勝進出への驚きはなく、妥当なものだろうという
解釈をしています。
しかしながら、米子北の決勝進出は意外な感を持ちました。決勝進出を意外と記すのは、
つまりこのチームを過小評価していたということですが、全くもってそのとおりと言うしかない。
ただそれだけに、どんなサッカーを見せてくれるのか、楽しみもありました。
キックオフ早々に米子北が左サイドから攻め込み、シュートをうつシーンがありました。
この時点では米子北の積極性を感じましたが、その後は前育がペースをつかんでいく。
ボール支配で上回り、前育が試合を動かしているという印象を与えます。先制点をあげるのは
前育かなという気持ちで見ていましたが、前育6番・木村高彰が中盤で相手ボールをカット、
そのままドリブルで持ち上がり、おそらく10番・皆川佑介にパス、一旦サイドにボールが
流れたあとセンターに折り返し、そのパスを8番・三浦雄介が綺麗なミドルでゴールに流し込む。
4分前育1-0米子北。フカさないことを意識したうえ、コースもきちんと計算してはなったシュート。
GKが一歩も動けないほどの見事なシュートでした。
この早い時間の先制点が前育に余裕を与えたのか、その後の前育は無理攻めをすることなく、
後方でボールを回し自分たちが攻めるべき場所を見極め、機を伺いながら試合を進めていく。
基本的には前半はこのかたちがほぼ最後まで継続していたといってもいいでしょう。
またその前育の後方でのボール回しに対し、米子北も強いプレスをかけることはしなかったのですが、
前育が無理攻めを避けボール回しを丁寧に行っていたことも、米子北がリードを許した状況でも
強いプレスに行かなかったことも、この時期の連戦という部分が影響していた面はあるでしょう。
なんせ2,3,4日の3連戦、1日の休みのあとまた6,7,8日の3連戦と、1週間で6試合という
無茶苦茶な日程ですからね。
キックオフ15分は前育のほぼ一方的な試合でしたが、その後は米子北も徐々に攻められるようには
なっていく。米子北は9番・谷尾昂也にボールをあて、そこから展開していこうという
意図が見えました。谷尾は資料では178cmとなっていましたが、見た目にはもう少しありそうな感じ。
2トップを組む11番・山本大稀が170cmという小兵タイプで、いい組み合わせではありました。
まさしく、巻と深井を思い出させるというか(笑)。
ただ谷尾と山本が奮闘してはいましたが、前育の2番・キャプテンの小山真司と4番・代田敦資の両CBが
的確に対応、最後を割らせない。このままでは米子北がゴールを奪うのは難しいかもしれないな、
なんて思いを感じながら前半1-0で終了。なおこの試合は35分ハーフ。
運動量が多いとはいえなかった前半と異なり、後半開始から10分間ほどの米子北は明らかに
動きが違いました。前育最終ラインでのボール回しにもプレスに行く場面が目立ち始めたほか、
自分たちの最終ラインも高く上げボールを高い位置で奪おうという意思統一がなされたように
感じました。前育の選手たちも、前半とは違うなという思いはあったのではないでしょうか。
しかしその状況でも、前育はセットプレーのチャンスを活かしてくる。前育右サイドからのCKに対し
ヘッドでの競り合いが続いたあと、前育FW13番・西澤厚志がヘッドでゴールに押し込む。
46分前育2-0。このゴールが試合を決定づけた感はありました。少なくとも僕には。
その後米子北は交代で投入されたFW13番・山本健太郎が(この試合においては)フレッシュな
プレーヤーらしく、スピードで切れ込みチャンスを演出するといった場面も目についたものの、
前育の守備を崩すには至らず、2-0で終了。前橋育英が夏の高校日本一となりました。
試合全体を通してみれば、前育の勝利は正当な結果だと思います。両CBの能力がチームに安定感を与え、
最後方からのGKの指示の声もよく出ている。さらに落ち着いてボール回しをする時間と、
ピッチを広く使い攻めに出る時間とを無理なく両立するなど、いいチームだと思いましたね。
監督の山田耕介氏はもはや名指導者と表現すべき存在ですが、今年の前育もいいチームに
なりそうだと感じましたね。選手権に向けてもね。
一方米子北も自分たちのサッカーをきちんと持っているな、ということは感じましたね。
ただこの試合に関しては前育が一枚上手だったというだけの話で、この経験が米子北の選手にとって
今後の大きなプラスになることを願います。
会場の最寄り駅は近鉄橿原線の畝傍御陵前駅でしたが、改札を出てすぐの通路で高校生ボランティアが
彼ら自身が作成したであろう駅から会場までの地図を用意したうえで、会場への道案内を行うといった
非常にフレンドリーな運営がなされておりました。選手だけでなく、地元の高校生にとっても
高校総体は十分な意味を持つ大会なのでしょう。サッカー観戦はもちろんですが、道案内を
がんばっていた高校生ボランティアの姿を見ただけでも、橿原まで足を運んで良かったと思いましたね(笑)。
なお畝傍御陵前駅は「うねびごりょうまえ」と発音します。いかにも、古都らしい名前でいいですね。
この名前を知れたことにも、足を運んだ価値がありましたよ(笑)。
観戦してまいりました。対戦カードは、前橋育英-米子北。前育は昨年暮れから今年正月の
選手権においても、非常にいいサッカーを見せていたチーム。といいますか、もはや全国でも
有数の名門校といっていい存在でしょう。今年の高校サッカーの状況を、恥ずかしながら
僕は全くつかめていませんが、前育の決勝進出への驚きはなく、妥当なものだろうという
解釈をしています。
しかしながら、米子北の決勝進出は意外な感を持ちました。決勝進出を意外と記すのは、
つまりこのチームを過小評価していたということですが、全くもってそのとおりと言うしかない。
ただそれだけに、どんなサッカーを見せてくれるのか、楽しみもありました。
キックオフ早々に米子北が左サイドから攻め込み、シュートをうつシーンがありました。
この時点では米子北の積極性を感じましたが、その後は前育がペースをつかんでいく。
ボール支配で上回り、前育が試合を動かしているという印象を与えます。先制点をあげるのは
前育かなという気持ちで見ていましたが、前育6番・木村高彰が中盤で相手ボールをカット、
そのままドリブルで持ち上がり、おそらく10番・皆川佑介にパス、一旦サイドにボールが
流れたあとセンターに折り返し、そのパスを8番・三浦雄介が綺麗なミドルでゴールに流し込む。
4分前育1-0米子北。フカさないことを意識したうえ、コースもきちんと計算してはなったシュート。
GKが一歩も動けないほどの見事なシュートでした。
この早い時間の先制点が前育に余裕を与えたのか、その後の前育は無理攻めをすることなく、
後方でボールを回し自分たちが攻めるべき場所を見極め、機を伺いながら試合を進めていく。
基本的には前半はこのかたちがほぼ最後まで継続していたといってもいいでしょう。
またその前育の後方でのボール回しに対し、米子北も強いプレスをかけることはしなかったのですが、
前育が無理攻めを避けボール回しを丁寧に行っていたことも、米子北がリードを許した状況でも
強いプレスに行かなかったことも、この時期の連戦という部分が影響していた面はあるでしょう。
なんせ2,3,4日の3連戦、1日の休みのあとまた6,7,8日の3連戦と、1週間で6試合という
無茶苦茶な日程ですからね。
キックオフ15分は前育のほぼ一方的な試合でしたが、その後は米子北も徐々に攻められるようには
なっていく。米子北は9番・谷尾昂也にボールをあて、そこから展開していこうという
意図が見えました。谷尾は資料では178cmとなっていましたが、見た目にはもう少しありそうな感じ。
2トップを組む11番・山本大稀が170cmという小兵タイプで、いい組み合わせではありました。
まさしく、巻と深井を思い出させるというか(笑)。
ただ谷尾と山本が奮闘してはいましたが、前育の2番・キャプテンの小山真司と4番・代田敦資の両CBが
的確に対応、最後を割らせない。このままでは米子北がゴールを奪うのは難しいかもしれないな、
なんて思いを感じながら前半1-0で終了。なおこの試合は35分ハーフ。
運動量が多いとはいえなかった前半と異なり、後半開始から10分間ほどの米子北は明らかに
動きが違いました。前育最終ラインでのボール回しにもプレスに行く場面が目立ち始めたほか、
自分たちの最終ラインも高く上げボールを高い位置で奪おうという意思統一がなされたように
感じました。前育の選手たちも、前半とは違うなという思いはあったのではないでしょうか。
しかしその状況でも、前育はセットプレーのチャンスを活かしてくる。前育右サイドからのCKに対し
ヘッドでの競り合いが続いたあと、前育FW13番・西澤厚志がヘッドでゴールに押し込む。
46分前育2-0。このゴールが試合を決定づけた感はありました。少なくとも僕には。
その後米子北は交代で投入されたFW13番・山本健太郎が(この試合においては)フレッシュな
プレーヤーらしく、スピードで切れ込みチャンスを演出するといった場面も目についたものの、
前育の守備を崩すには至らず、2-0で終了。前橋育英が夏の高校日本一となりました。
試合全体を通してみれば、前育の勝利は正当な結果だと思います。両CBの能力がチームに安定感を与え、
最後方からのGKの指示の声もよく出ている。さらに落ち着いてボール回しをする時間と、
ピッチを広く使い攻めに出る時間とを無理なく両立するなど、いいチームだと思いましたね。
監督の山田耕介氏はもはや名指導者と表現すべき存在ですが、今年の前育もいいチームに
なりそうだと感じましたね。選手権に向けてもね。
一方米子北も自分たちのサッカーをきちんと持っているな、ということは感じましたね。
ただこの試合に関しては前育が一枚上手だったというだけの話で、この経験が米子北の選手にとって
今後の大きなプラスになることを願います。
会場の最寄り駅は近鉄橿原線の畝傍御陵前駅でしたが、改札を出てすぐの通路で高校生ボランティアが
彼ら自身が作成したであろう駅から会場までの地図を用意したうえで、会場への道案内を行うといった
非常にフレンドリーな運営がなされておりました。選手だけでなく、地元の高校生にとっても
高校総体は十分な意味を持つ大会なのでしょう。サッカー観戦はもちろんですが、道案内を
がんばっていた高校生ボランティアの姿を見ただけでも、橿原まで足を運んで良かったと思いましたね(笑)。
なお畝傍御陵前駅は「うねびごりょうまえ」と発音します。いかにも、古都らしい名前でいいですね。
この名前を知れたことにも、足を運んだ価値がありましたよ(笑)。