ただ生きるのではなく、よく生きる

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誤った友愛精神の普及

2017-08-25 18:03:24 | 人生の生き方
世界中の人に対する友愛について書いてある本を読んでいたのですが、この本の
最初に、友愛に関する詳しい説明が載っていました。

ところが、数ページめくってみると、同じ著者が別の話題について書いていました。
それは、自分自身の団体の仲間が詐称し、ウソをつき、自分勝手に振舞っている、と
批判する記事だったのです。そこで批判されたのは、敵対する団体の人ではなく、
同じ団体の人でした。しかも、その告発された人は、少なくともウソをついたり
しないことで評判の高い人だったのです。

聖典の著者はこのように説いています。
「目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することなどできません」
(新約聖書『ヨハネの手紙一』4章二〇節)

同様に、自分の知っている仲間を愛せない人が、どうして自分の会ったこともない、
さまざまな信条を持つ人やさまざまな国の人を愛せるのでしょうか。

いくら「世界中の人と仲良くしましょう」という文章を書いていたとしても、そのような
人が実際に自分の親族や隣人と仲良く暮らし、たとえ悪いことをされてもいいことを
お返しにしてあげられるかどうかわわかりません。

わたしたちの心の中に、恨み・嫉み・ねたみ・敵意・憎悪といたものがほんのすこしでも
残っているにもかかわらず、世界中の人との友好関係を広めようとするのは、大きな
勘違いです。心の中の悪感情は、他の人を誉める言葉を発するのを嫌がり、否定
してしまうからです。しかし、このような勘違いは非常に自覚しにくいものなので、
非常に次元の高い愛や英知に到達しない限り、その間違いを犯してしまう危険が
あります。

─『「意志」と「人生」の法則』ジェームズ・アレン KKベストセラーズ刊