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気概を失っていないか──人間としての気概①    渡部昇一

2016-10-01 18:02:22 | 知恵の情報
気概を失っていないか
男児学ばざれば 即ち已む
学ばばまさに 群を超ゆるべし
・・・・・・・・・・
いずくんぞ奮発して志を立て
もって国恩に答え もって父母を顕(あらわ)さざるべけんや

これは、『日本外史』や『日本楽府(がふ)』を著した頼山陽(らいさんよう・1780~
1832)が、まだ十歳半の時に書いた文章です。私は小学校の頃、この文章に
発奮して勉学を志すようになったこともあり、私にとっては思い出深いものです。

この詩に流れる頼山陽という一個人の人間の気概が、その後の頼山陽の自己実現
を確かなものにしたように思えます。

ところで現代において、この気概という人間が持つ崇高な精神が非常に弱まって
きているのではないか、と私は大いに懸念しているのです。

それは、戦後、間違った左翼思想に基づく教育が幅を利かせ、気概とか男らしさ
といった、人間として欠かせない精神的教育が置き去りにされたことや、間違った
歴史教育で日本人の気概を失わせてしまったことに最大の理由があります。

(略)ここでは一個の人間としての気概の大切さについて明かしたいと思います。
                                        
─『渡部昇一の 人生観・歴史観を高める事典』(PHP研究所)より

気概というのは、「困難にも屈しない強い意気。気骨。はり。「―を示す」
「国難を積極的に乗り越えて行こうとする強い気持ち」である。北朝鮮や、中国
の共存共栄に反するような行動にどういう姿勢で日本人は臨んだらよいか、
覚悟と知恵が要求されてくるようになってきているのではないか・・・