心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【一攫千金】ギャンブル【中毒依存】

2006-10-25 12:54:15 | 精神医学・精神病理学
唐突ですが。

ディープ・インパクトという馬は,かわいそうですね。フランスの陰謀説というのがまことしやかに流れていますが,あら,たぶんにウソでありまして,結局は管理者が自分の無知の責任をとっていないだけのことのような気がします。そうやって責任を取らない人間が多いんですよね。管理者なり,上のものなりがだんまりを決め込んである間に,マスコミが面白がって陰謀説を流し,それを否定も肯定もせず,じっと押し黙っている感じ。なんか,日本社会の(日本以外だって多そうですが)縮図を見ているような気もします。

で,まあ,競馬シーズン,近づいているわけです。ディープくんに罪はない。あの馬,確かに美しい!

と偉そうなことを言いますが。小金儲けは好きなんでつが,公営ギャンブルはほとんどやらないpsy-pubです。でもですね,「賭博」の「賭」という音は最近出てきた小腹のことを考えず,マッチョ的に好きでありまして,当然のように「雀放」なんかの大ファンであります。「雀放」,ご存じない?

麻雀放浪記(一) 青春編麻雀放浪記(一) 青春編
阿佐田 哲也

角川書店 2000
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ですがな。勝手に略すなって感じですが,我が家では「雀放」だ! 文句あっか。
当然,我が家では阿佐田哲也(もしくは,色川武大,あるいは井上志摩夫)の名はネ申のように扱われておりまして,3年に一度は読み返すものとなっております。ハイ。

で,も一つ好きな「ギャンブル小説」が,

極道記者極道記者
塩崎 利雄

徳間書店 1996-12
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なんていう小説がありまして。
一時話題になっていたのでご存知のかたも多いでしょう。一時って? ああ,ええっと,90年代初頭くらい? アベシ…

で,まあ,もっていたその本はワタシの青春《恋愛編》のようにボロボロだったんで,たぶんだれか知り合いにあげちまったんじゃないかと思ったんですが,この間ふらりと入った古本屋で見かけまして,保護してきたわけです。
ちらちらと読んだわけですが,うむ,あのころはまったく違う感想を抱いたのですが,結局,依存症の当事者本ね,これは。などと皮相な見方をしてみたりする,ワタシでありました。
とはいえね,バブルが弾けたあのころは,ギャンブル以外にも庶民には多少夢がありまして,「たしなむこと」ができました。
でも,今じゃ,田舎に行けばパチンコ屋とジャスコばかりで,なんだか,切ないなぁ,ほんとに。さすがに首都圏のテレビ局のCMではほとんど流れませんが,地方のテレビを見れば,パチンコ屋の宣伝ばかりだったりします。こっちのCMだって,宝くじとかのCMが異常に多いですもんね。なければ、サラ金で借りろっつう宣伝はさんでたりしますし。たしなむどころじゃない。目ンタマ三角にしてやらんとならんような環境でありますよ。金だ・金だ・金…

こんなんでいいのかな,と思ったり。


ギャンブル依存とたたかうギャンブル依存とたたかう
帚木 蓬生

新潮社 2004-11-17
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なんていう本を読んだんですが,ま,そうした気分にはぴったりで。
帚木先生の小説以外の本は珍しい(?)ので,ぜひ。

とはいえ,やはり医師の先生は恵まれているとひがみがないわけではなく。いやほんと都会は(とはいえ,東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡くらいか)いろいろ娯楽がありますが,地方にはパチンコ屋くらいしかないわけで,酒飲んだら車に乗れないし,給料だって高くないし,楽しみだって限られているわけです。やっぱ医師は地方では特権階級ですよ。
そういう意味では社会学的な考察が必要かと思うところもなくはなく。


ギャンブルフィーヴァー―依存症と合法化論争ギャンブルフィーヴァー―依存症と合法化論争
谷岡 一郎

中央公論社 1996-10
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なんて本があるが,どうなんでしょうか。今度読んでみようっと。
でも,フィールドとしてはギャンブルは面白いと思う。


ギャンブル依存の本は本当に数が少ないんですが,数年前にちらっと読み,よくまとまっている本という印象を受けました。

ギャンブル依存症ギャンブル依存症
田辺 等

日本放送出版協会 2002-12
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田辺先生は医師。北海道では相当な方のようです。こんな本も出されています。


精神保健相談のすすめ方Q&A―PSW・カウンセラー・保健婦のための実践ガイド精神保健相談のすすめ方Q&A―PSW・カウンセラー・保健婦のための実践ガイド
田辺 等

金剛出版 2002-01
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心病む人への理解―家族のための分裂病講座心病む人への理解―家族のための分裂病講座
遠藤 雅之 田辺 等

星和書店 1994-10
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この2社から本を出しているというのは,相当な猛者。

箒木先生にしろ,田辺先生にしろ,地方の精神科医であるのは,偶然でありましょうか。実に考えさせられる問題であります…


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自分自身を賭ける (takashi)
2006-10-26 01:19:06
日本では「保険」という名のギャンブルも盛んですねww
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Unknown (psy-pub)
2006-10-26 16:13:45
毎度ありがとさんです。













つか,スマン,意味わかんね。



浦沢直樹? op?あたりからの引用?パクリ?



ロイズは確かに投機性が高いからトーシロは手を出すなって感じですが,それは損保の話だし,「自分自身を賭ける」ちゅうのなら生命保険のことが言いたいのかしら。

でも生命保険はギャンブルかな? それがギャンブルなら銀行に預けるのもギャンブルって感じもするし,というか,商取引なんか全部ギャンブルじゃんってことも言えるわけで,だったら,何もしないにもある種のギャンブルなわけで。つか,人生ギャンブルだし。でも,別にワタシ,そんなことが言いたいわけではなく。





スマン,こっちはオジサンだからね。

ちゃんとしたタマ投げてくれんと,捕れませんョ。頼むぜ。







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自己レス三四郎 (psy-pub)
2006-10-27 11:15:03
ああ,なんか上記,psy-pub冷タスなコメントになってますですね。ごめんなさい。



ちょっと考えてみたんですが,林真須美タンの一連の「保険金詐欺」行為は,これ,ギャンブル的ですね。というか犯罪ですね。もう裁判も終わりましたけど。



日本犯罪史上有数のシリアルキラーなのに,サイコ的な印象を全く与えなかったのが,特異といえば特異なのかな。すごく現世的ですもんね。
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Unknown (takashi)
2006-10-27 19:13:17
すいません、大暴投してしまいました<(_ _)>

あるいは壁投げ。



>浦沢直樹? op?あたりからの引用?パクリ?



うわっ、鋭いですねw キートン大好きです。





保険や宝くじ、公営ギャンブルなど、日本人はギャンブル好きなのかな、てのが言いたかったことです。



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Unknown (ぽちこ)
2006-11-01 01:14:26
田辺先生は北国における集団精神療法の旗手でもありますね。素敵です。
でもって,その田辺先生に初対面で「あなた面白いね」的なことを言われたおいらは一体。
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コメントありがとうございます (psy-pub)
2006-11-01 13:17:12
>ぽちこ様

コメントどうもです。

>初対面で「あなた面白いね」的なことを言われたおいら

スゲー。どんなオモシロメガネかけてたんですか?www

というのは冗談で,スゴイなあ。羨まし。
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