何だか「のだめ」17巻を買ったわけですが,どうも話の展開が思わしくなく,読み飛ばしたくなるような巻でありました。でも続きものって仕方ないですね。読み続けるしかなし。
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そのなかで,2箇所(だったか?)
滅七
とあったんですが,滅亡の間違いでしょうかね。それとも,亡の字が七に見えるだけなのか? そういう種類のフォントなのか? 疑問は疑問を呼ぶわけではありますが,誤植でしょうかね。
ま,仕方ナッシング。他人事だと妙に嬉しい…
ま,こうしたことは,よくあることであるわけでして,当然,ワタシの作った本にはあります。しかも,宿便のごとく大量に!
こないだ,同僚H氏と共同で某医学の本を作っていたところ,
増悪
という言葉にめぐりあったのですが,この分野に詳しくないH氏は,当然のように,
憎悪
と赤字を入れておりました。(赤字を入れる=校正をする)
貴公,よく読んでごじゃるな,と褒めたいところですが,これ,「増悪」で間違いない。「病状がますます悪くなること」という意味の医学用語のようでありまして,確かにふつうの辞書には掲載されていない言葉であります。
と思ったら,ネット版「大辞林」には載っておりましたよ……と思ったら,「広辞苑」(第四版:マルチメディア版)にも載っていた。。orz
とにかく,最近,「増悪」という言葉を見なくなった気もするのでありますが,それは単なる気のせいか。
などと適当な話を広げたら,話がまとまらなくなってしまった。。。。
ま,たいていの本には校正の見落としがあるものでありますね。
褒められたことではないですが,何ともしようがないというところもあります。なかには,1刷と2刷の間で,まったく別の本じゃないか!というべき違いがあったりして,なかなかこれが。ああた。大変なのよ。あれれ,イタタ……こんなことが書いていたら,十二指腸が痛くなってきた……
推理小説家・倉阪 鬼一郎には,
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なる素晴らしいエッセイがありまして,これが面白い。というか,ワタシ,倉阪さんの本,これしか読んだことなく,スマン...
同業者の方,校正に興味のある方,是非ご一読を。
中身について説明しますと,倉阪さん,現在は推理小説業界の流行作家(死語)として活躍されておられますが,当然,食えん時代もあったそうで,で,倉阪さん,某印刷会社の「校正者」をやっておられたそうなんですね。で,出てくるわ,出てくるわ,誤字脱字変換ミスの嵐あらしアラシ。というような話が書かれており,奇人的且つ偏執的なる倉阪さんの性格も合わせて,非常に楽しめる一品となっております。
もちろん,さすがプロの書き手によるものでして,ウチの同居人も喜んでおったくらいですから,普通の読者の方にも喜ばれましょう。とはいえ,倉阪さんの読むと,「校正」業界に一応片足くらいをつっこんでいるモノとしましては,当然,深く勉強させられるところ,腹を抱えて笑えるところなど多々あります。
また,こうした本は時に,カタルシスを生むので,リラックスするんでありますね。精神医学⇔心理界隈の本をチェックしすぎると,こんなにあんのかよ と再び十二指腸がチクリと痛みますんで。。。
でもって,他にも似たようなエッセイみたいなのないかな,と探しているんですが,あんまりない(気がします)。
誤記ブリぞろぞろ―校正の常識・非常識野村 保惠 日本エディタースクール出版部 2005-10売り上げランキング : 150076Amazonで詳しく見る by G-Tools |
なんていう本を見つけたくらいでありまして,こんど読んでみっかな。
編集者がどうのこうの文化や輝かしい人脈を自慢げに語っている本は腐るほどあるのに,こういう職人芸的な出版人の本が少ないのは意外です。もうちっとこういう本,あってもいいのになぁ。もはや,あらゆるものが重箱の隅的に,つまりは「専門書」化しているのに(あるいは,「同人誌」化)。
でもって,ここで,ワタシ,psy-pubの必勝校正術をお教えしますよ!
①ワープロソフトの校正機能を使う……
(いや,ほんと,けっこうコレが使えんだよね。トホホなくらい)
これだけじゃ,寂しいので,奥の手を。
②読み上げソフトを使う……
(長いのはさすがにやらんですが,短いのはやるときもあります。眠くなりますが…。研究者の方は,やると吉。)
これだけで,誤植はゼロに近くなるかと。。。
うむ,ネタ的に腐ってますね。
腐りついでに……腐女子チェッカーのワタシとしては,
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を立ち読みしたわけですが(文字が阿呆のように大きく立ち読みくらいで読めちゃうんですが),今ひとつでありました。
たぶん,もう若くないんだと思う。
コメントありがとうございます。
スイマセン,素でやっちまいました。
人の「憎悪」を笑うもの,自らの「滅七」に笑われる……。
逆に開き直ってみると,増⇔減,で釣り合いは取れている……気がしないでもない……かも……たぶん。意図的だったら,かなり高度な釣りのような……。
ということで,意図的だった,ということにしておいていただければ幸甚です。