心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

【このひと】加害者が発覚以前に書いた本を読んでみる【セクハラ】

2006-09-26 13:03:25 | 心理以外
というわけで,セクハラ,ものすごいです。セクハラだけじゃなく,何か性的な事件,無茶苦茶増えています。数そのものは変わっていないのかもしれませんが,ちゃんと訴えたり,回りの人の協力とか,そういうのが改善されてきた証左なんでありましょう。マスコミが好んであげるネタであるともいえますが。そういえば,痴漢冤罪を訴えていて現行犯で東京都迷惑条例違反で捕まったミラーマンこと植草教授とかね,日テレのアナウンサーも降格だそうだし,高校生向けのガイダンスで自分のあられもないエッチなビデオを流しちゃった自己開示大好きな大学教員もいたし,まあ,皆さん,大変熱心なものです。もちろん,われらが心理業界だって同様。否,弟子と師匠の関係性が濃い分,もっとひどいことだってありえ~る。そういうわけでしてね,加害者が発覚以前に書いた本を読んでみる,というこの企画であります。






なんて,やりたかったんですが,さすがに出来ないかと。

でも,セクハラ防止のためにも,ワタシ,psy-pubに何かできんもんかと思ったわけでありますよ。

ま,セクハラ問題,たいてい加害者は逃げ切ります。会社では厳しい処分が下されることもあるようですが,それは「刑事上」の問題になったような場合のみ。組織ができるのは移動や左遷などの処分くらいであって,再度の発生の予防にはなるでしょうが,解雇にまでは至らない。とはいえ,それにしたってようやくここ数年で改善されてきたにすぎません。会社が大きいとこうした問題にかなり対処してくれますが,小さい会社だと辞める以外に選択肢がないという場合もアリマス。哀しいことです。
とはいえ,知恵をつけた社会人ならば,逃げるか,戦うか,いろいろと戦略を考えるべきなのでしょう。同性に相談しつつ,もっと上の上司に相談しつつ,異性の同僚にも相談……というようにあちこちに困っていると訴えると,どこかでだれかが動いてくれることもあるようです。
でも,なかなか難しいね。二次被害もありますしね。話しにくい事柄であることもあるし。

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最後の本,何だか,セクハラを完全にやり遂げるためのマニュアルみたいですが,違いますよ。
どれも,ちゃんとしたマニュアルです。ハラスメントへの対処は,情報蓄積型のマニュアルが望ましい感じであります。ぱらぱらと読めるものですので,1冊置いておくと便利かもしれません。ただ,被害者側は被害者になった後は読みにくそうですね…。被害に遭う前に読んでおくのがいいかもしれません。これ,マジで。実際,特に女性は差こそあれ,そうした被害に遭うことは多いかもしれません。

一方,ハラスメントの温床(?)といえば,「大学」であります。最近は学生相談室とか,「アカハラ」防止用のパンフとか配られていたり,いろいろと充実しているみたいですが,いやでも,被害に遭う人はいなくなっていない。
なぜかといえば…大学生がまだまだ子どもで,教員の一部がエロオヤジだからでありますね。ま,これは会社でも言えますが。
いや,ホントね,自分の下半身に節度がないと思われている方はね,もう切っちゃえば? ざっくりやってしまえば? そう思うわけであります。

あとね,その行為,「恋愛」じゃないですから。
恋だと思っているのは自分だけです。

そう自覚すること,大事であります。


セクハラをしたという以外にも,やっぱいろいろと悪い人はおりまして,そういう人の噂は結構あちこちから入ってきます。
たとえば一緒にクライエントとお風呂に入っちゃうとか,弟子に睡眠薬飲ませてイタズラしてしまうとかいう新聞や雑誌のネタになりますと,今までの業績はパーになります。
出版社としては,著者のそういう面は,これまたまったくおいしくないことでありまして,たいていその人の本はこっそり廃刊にします。捨てます。加害者の名前だけを削って出し続ける本もあったりするのですが,基本は廃棄処分でしょうね。
たぶん,本を作るチャンスは二度とありません。ま,出版社を騙して本を作ることはできなくはないですが,ふつう復活はありえません。けっこう皆,覚えているものなのね。その人の本がどうこうというよりも,1)また何かするんじゃないか,2)そういう本を出す出版社を読者はどう思うか,3)同じ版元から本を出していた著者はどう感じるか……といったことを考えてしまいますね。

君子李下にて冠を質さず

ということで,「シロ」であっても,やっぱ,出したくない,というのが正直なところでありましょうか。植草教授のような例もありますし(この間の事件が彼の初めての犯罪だとしても,もう世間は彼の復活を望まないでしょう)。

それからね,こういう噂はかなりの速度で広がることをつけ加えておきます。ワタシもそれほど同業者の人を知っているわけではないのですが,同業者同士で飲むと,「へぇ,この人,こんなに悪い人だったんだ~」というような話を聞くことも多いものです。
また,研究者や臨床家のネットワークというのも,あなどりがたいものです。

というわけで,個人の力は小さいけれど,ネットワークを作ればけっこういいよというお話であり。同時にやっぱセクハラは得ないんで止めておこうという話であり。

何かチクリがあったら
psy-pub@goo.jp
まで。

(冗談です)


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