涼やかな季節になってきました。
道々、彼岸花やコスモスがやさしい彩です。
空気が澄んでくると
わたしのいのちも静まり
その感覚で素晴らしいものに
出会いたくなります。
ずっと以前に
自然農の師である川口由一さんから
数学者の岡潔さんのお話しを
伺ったことがありました。
関心を抱いてはいましたが、
ご著書に出会うことなく年月が流れ
なぜか今「読ませていただきたい」
との想いが湧き
手にした「春宵十話」、
わかりやすく面白かったです。
「自然が人間にさしだしてくれるもの」を
上手に受け取るための心の構えが、
「情緒」なのである。と書かれており、
そこで示されていることは
深く納得のゆくものでした。
🍀
本文より
ほんの少しですが抜粋させていただきます。♪
春宵十話 岡潔
本当の智力というのは、
本当のものがあればおのずからわかる
という智力で、
いわば無差別智であります。
自分が知るというのでなく、
智力のほうから働きかけてくる
といったものです。
これにくらべれば、
こちらから働きかけて知る分別智は
たかの知れたものといえましょう。
数学の目標は真の中における調和であり、
芸術の目標は美の中における調和である。
どちらも調和という形で
認められるという点で共通しており、
そこに働いているのが
情緒であるということも同じである。
だから両者はふつうに考えられている以上に
よく似ている。
職業にたとえれば、
数学に最も近いのは百姓だといえる。
種をまいて育てるのが仕事で、
そのオリジナリティーは「ないもの」から
「あるもの」を作ることにある。
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数学の本質を明らかにされながら、
教育・芸術の分野におけるお話しも
とても興味深いものでした。
読書の秋に 今の私にとって
とても良い一冊となりました。
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こちらの記事は
数年前に掲載したものを
再度投稿させていだきました。
2022.10.7