声楽家PRIMULAさんの音楽雑談

演奏会の報告・お知らせなどを主に掲載していきます。日々の音楽観なども加えていきたいと思います。

ニワトリと卵

2014-09-29 11:03:15 | 日々の発見

このところ良いお天気が続いています

秋らしくて気持ち良いですね。

(山のほうでは大変なことも起きているようですが

最近、卵が先か?ニワトリが先か?

みたいな永遠のテーマについて考えてみまた

ま、歌曲についてですから、詩なのか?

メロディなのか?

ってことですが・・・・

ドイツ歌曲の中では、同じ詩で何人もの作曲家が曲を付けた場合

たいていは、ちょっと似通った曲になります。

詩が有節であればなおさらです。

日本の詩たとえば「この道」などは

縦書きの詩を読んでみると

読むだけで何通りかの読み方ができます。

・・・・で

あれ?なんであのメロディになった?

と思ったわけ

つまり作曲者にとっては「この道」はあのようなシュチュエーションだった。

ということ

 

同様にフランス歌曲においても同じ詩であっても

作曲者によって全く別の様子になります。

これは、日本語の詩もフランス語の詩も

読む人によって違った感情を読み取ることができるということ。

ドイツの詩は、表現したいことがほんの一点

ワンポイントだ。

ということではないか?と思いました。

 

しかし、やはり音楽ですから、

作曲者の意思を反映させるように考えていかないと、

大事なことを見失うのではないか?

とそんなことを思っているところです。

 


音楽における民族性

2014-09-17 20:40:07 | 日々の発見
なんだか、難しげなタイトルになりましたが・・・・

生徒さん方が、「花は咲く」をやっておきたい。

とおっしゃるので、母のグループで使用していた楽譜を転用するべく手配・・・。

映像では何人もの人、グループが交互に歌ってらして、

キャンペーン的には良い感じがしますが、

絶え間なく、曲想が変化していく感じは、どうなんでしょう?

素人さんには・・・・・・。

(と相変わらず不遜な考え

ま、取り組んでみれば案外問題なく行く場合も多数ございますので、

何ら問題は・・・・・


ところで、「花は咲く」私的には違和感満載

だって、見事に日本的

いや、あの民謡調のノリ

リズム感

日本の民謡はそれはそれで立派な文化だと思うし、

聴くのも全然いやではないですが、

そういう曲には合わないだろう~

と。。。。

ひたすら乗り気じゃない今日この頃です。

というわけで、音楽にはそれぞれ自然と民族性。

というか、特徴が出てきますね。


ドイツ歌曲はとにかくまず、形式。

これをきっかりと示すこと。

その次に、明瞭なドイツ語の発音、と声のポイント。

その先に、内容表現があるという。

何層もの構造。いくつもの関所が待ち構えています。

それぞれクリアするには大変な年月が必要です。

ですから、大抵は、「明瞭なドイツ語の発音」くらいのレベルまでで

終わってしまいます。

でもね、いいですか?

私たちはプロですから、必ず、その先の内容表現まですべてクリアしなければなりません。

そこまで至った時、

あ~プロなんだ

って思ってくださいね


そして、フランス歌曲。

ここでは情熱がまず最初に必要です。

ラテン系ですから


また、その話かよ!

って思うくらいに、朝も夜も、

「愛」です。

永遠に続く愛なんてない!

と分かっているのも、またフランス歌曲ですが。。。

それでも、毎日です。

だから、つまり歌う時は偉くエネルギーが必要で、

そして練習が終わると、どっと疲れてしまう。

という結果になります。


だから、機能和声や、リズムやら形式やらに、頼れるドイツ歌曲のほうが、

エネルギーが枯渇してしまいそうなときには、

「いいなあ~

と思ってしまうのでした。

なに?

ってだから~

秋のマダムをお迎えしての演奏会の練習が始まったんだってば~

がんばろう~っと






音楽の勉強

2014-09-11 21:55:49 | 日々の発見
今年も、生徒さんの発表会を開くことになりました。

たくさんのお客様をお招きして華々しく・・・・

とはいきません

やはり人前で歌うということは大変な精神力が必要です。

で・・・・結局、いつも通りの小さな会となりました。

その分たくさん歌えるので、好きなようにやっていただきたいのですが、

今年は「いや、先生2曲でいい~です」

「え?いいの?」

というやり取りになりました

あれあれ?去年までは3曲歌うと平気で言ってらしたのに・・・・。


そうなんです。

段々進歩して、体を使って歌うようになると、

かなりの重労働です。

精神力も必要です。


先日、ある方の文章を読んで気が付きました。

日本人は本来気持ちを表に出すことをあまりしません。

日常のちょっとした「いらつき」でさえ

ぐっとこらえてしまうことも多いと思います。

ですから、いくら作品に書いてあったとしても

それをストレートに出すのは・・・・ちょっと~

なんだと思います。

でも、音楽、特に声楽はそれを、何の苦も無くやらないと

まったく成立しないのです。

きれいでまっすぐな愛の歌であっても苦手なのに、

歌曲のテーマはそれだけではありません。

アウトプットすることに耐えられない方々が多いのだと、

そんな風に思っている次第です。


きっと素人の生徒さんたちだけでなく、

自分はいっぱしの音楽家、声楽家

と思っていらっしゃる方々の中にも

これを苦手としてらっしゃる人は大勢いるのだと思います。


だから、みんな口々に「勉強」とか言ってんだと。


参考演奏とイメージとYOU TUBE

2014-09-01 12:17:46 | 日々の発見
最近は、参考にしたいと思う録音を探すとき、

わざわざCDショップに行かなくてもYOU TUBEにたくさん出ています。

ちょっと探すと簡単に3種類くらいは聴くことができます。

発音などもその際にチェックすることができるし、

作品の様子を知るにもとても良いことだと思います。

便利な時代になりました

で。。。。。ついでに。。。。

ダンスのステップも入力して検索・・・・・・

すると・・・・やはりちゃんと見つかるのです。

有名なダンサーさんのレッスンDVDをステップごとに短く切って

UP  してくださっています。

普段自分が踊っているときには、感覚でしかわからなかったものを、

客観的に見ることができ、自分はこう思ってこのステップを踊っている。

という、プロの方の参考意見も聴け、

へえ~。

と思いながら、いざ自主練


ショーという形ですと、バリエーションを見ることになるので、

やはり、こういう基本形を何回も見て頭に叩き込んでおくことは

本当に良いことだと思います。

・・・・で、レッスンに行って先生と踊ると、

お~なんかいいような気がする感と、そうか・・・

という新たな発見と。。。。

そして、結局は歌曲を歌う時と共通していることがあって・・・・

でもそれは頭の中で行われているので、客観的にお見せすることはできないし、

アウトプットされたものは一瞬全く別のもののように思われるので、

ふ~ん。。。

なんともここに、書くこともできないのですが、

人間の考えること・・・・・思考ではなくイメージすること。

って面白いなあ~

とつくづく思った次第でした。





音楽の才能

2014-08-25 10:15:03 | 日々の発見
少し涼しくなりました。

やはり、涼しくなるとやる気は出てくるもので・・・

そういえば、昨日 山田和樹さんとスイスロマンド管弦楽団の演奏会の模様を

TVにて拝見しました。

周りを見渡すとクラシックには若い方は興味ないのか?

と思っていましたが

そうでもないんだということに気づく良い機会となりました。


普段よりも、詳しく解説されていて、練習風景とか、指揮者だけでなく団員の方へのインタビュー

なども組み込まれていて、とても楽しく拝見しました。

興味深かったのは、彼の指揮する姿がエレガントで上品だという評判が高かったこと。

確かに本番中も、上半身の使い方は一般にお見かけする指揮者とはちょっと違いましたね

だから、その姿を見ているとどのように演奏すればよいか?

すぐにわかるのだそうです。

(なるほどねえ~

そしてその指示がまことに的を得たものであり、共感できるものであるからこそ、

名門オーケストラの方々が良い演奏で答えてくださるのだと、思います。


熾烈な競争の業界ですので、本当は、かなり大変なはず。

と思いますが、そんなことは少しも表に出さず。。。。

答えてらっしゃいました。

えらいなあ~


某ラジオ番組で、某経済学者の方も話しておられましたが、

文系では(最近では理系でもそうらしいが)派閥、学閥があって

主流派に属していないと何をやっても日の目を見ることがないのです。

科学でも音楽でも、日の目を見ることが大切なのではないのですが、

ほぼ全員、日の目を見ることを目標にやっておられるようです。


音楽なんて、良い演奏して、聴いて

あ~良かったねえ~

でいいじゃ、ないですか?

本当に良い演奏をすることをただ素直に喜んでいられる。

そんな環境に身を置きたい。

と常々思っているのですが・・・・





暑さの中で

2014-08-20 13:23:58 | 日々の発見
暑い日が続いています。

お盆のお休みもあって、様々な方にお会いできました。

そして先日のリサイタルについて

様々なご意見を伺いました。

今回はテーマが難しく、音だけで感じていただくのは無理と思ったので、

演奏曲を名曲にして、お話でテーマに沿った流れをご紹介してみました。

ちょっと知っている方にとってはわかりやすかったようですが、

やはり、日本語の歌のが・・・・・

というご感想のようでした。

え~ だって、「ドイツ歌曲の歩み」っていうテーマだって言ったでしょ?

というわけで、いつものような状態になっているのでありました。

やれやれ・・・・

もう少しピアニストが上等な演奏をしてくだされば

もっと、もっと、聴きやすく、言葉がわからなくても理解できる。

感動できる演奏になった、と思うのですが・・・・・・

それにしても~

と思っています。

どこの国の言葉でも、言葉というものにはやはり魂が宿っているのだと思います。

だから、放っておくと一人歩きをしてしまうこともしばしば。。。。

そのうちに尾ひれが自然とついてきたりして・・・・・。

でも、そこに音楽が付くと、不思議と尾ひれは付きません。

その詩、言葉の意味するところがはっきりと伝わるようになり、

それが歌の極意なのだと思っているのですが、

なかなか完全に伝わるように演奏することは至難の業です。

意味の理解できる母国語であったとしても。です。

なんとかそこを目指して、日々努力しているのですが、

様々な事情でほんの一、二回しか実現できていません。

なんとかならないものかな~

と暑い中 秋のコンサートの練習をば・・・・

今度は二重唱が幾つかあるので今からとても楽しみです。

また、中身の濃い演奏になるといいなあ~

と思いながら

お互いに暑さに負けずに


雨の日曜日

2014-06-22 14:58:46 | 日々の発見
そうか・・・今日は雨って言ってたっけ・・・

と天気予報を思い出しながら、起床

Obwohl so muede bin, muss ich viel zu tun.

世の中は、ワールドカップだとか、なんだとか様々なニュースが飛び交っいますが、

こちらはリサイタル準備の苦しみの真っ最中・・・・

今日も今日とて、お知らせの発送に追われる一日。

ですから、ま、雨であろうとなんだろうと全く・・・・

そんな中ですが、昨日もお教室の皆さんと練習をしている最中に、あることに気が付いたので

ここに・・・・・

朝岡先生の曲集の中に5拍子の曲がありました。

ほかにもいくつか5拍子で書いてらっしゃるので、お好きなのかな?

と最初はそんな風に思っていました。

しかし、昨日のレッスンで、山田耕筰の「この道」をお稽古している最中

ん?「これも5拍子じぇね?」

ってことに気づき

ということはやはり、日本語のリズムがそうなんだということに思い至ったわけ

朝岡先生は素直に5拍子でお書きになり、山田耕筰さんは苦労して4分の3拍子にはめ込み・・・・

両者はそのように違うのですが、日本語はあくまでも五七五のリズムです。

試しに縦書きの詩を見ながら歌っていただき(すでにメロディは知っている

私は5拍子に感じながら(日本語中心に考えて弾く)という。

ちょっと普通の先生にはできない芸当をやってみました。

ふんふん

そうすると、やはり「この道」もぴったりと来るじゃないですか・・・・

そうか・・・やはり5拍子ね・・・

楽譜に書いてあることを軽く考えて演奏することは全く良くないことですが、

その先にあるものを見ながら演奏することはさらにバージョンアップした理解力とソルフェージュ力

が必要なのだと改めて、考えた次第でした。




モーツァルトのピアノ協奏曲

2014-04-07 16:57:02 | 日々の発見
昨日、NHKで聴きました。

ピアノ協奏曲第20番

ソロはルドルフ・ブフビンダー

私の大好きな弾きっぷり

ていうか、タッチが素晴らしい

ドイツの作曲家の作品を演奏するには、

もう!このタッチでなくっちゃ

と、言い切って仕舞いたくなるくらいの演奏でした。


しかし、音楽の在り様は、科学や数学とは違い当然多様性が認められますので、

答えは何通りも存在します。

ですから当然その演奏についても賛否あり得るわけですが、私にとっては

まさしく「1番」でした。

あ~周りのピアニストさんたちも、こういう風に弾いてくれないかなあ~

なんて贅沢なことを考えながら、

今日も、フォーレの練習をしてきました。

フランス音楽はちょっと違うので、一口に言うことはできませんが、

フォーレの和声はかなり難しいです。

そんな、難しい和声展開の「La bonne chanson」

なんとか頑張らないと


次回、チラシ載せますね。

美しい五月に

2014-03-23 13:28:16 | 日々の発見
Im wunderschoenen Monat Mai~

最初からちょっと発音するのに厄介なこのハイネの詩。

有名なのは“シューマンの詩人の恋”ですが、

ほかにもFranzなども書いています。

ヨーロッパの五月は、日本の春のように段々と順に進んでいく春ではなく、

ある日突然に始まる緑の季節です。

フォーレの“五月”ですとその辺をリアルに表現していて、

活動的な、むせ返るような躍動感があります。

でも、どうもこの詩には、メランコリックな感じや、センチメンタルな感じが漂っているようで、

周りの自然よりは詠んでいる本人の心情を表しているような雰囲気です。


フランス歌曲ですと、一つの詩に対して、様々な意見や見解があり、

その結果、曲となって形になったときに随分と違いが出てくるのですが

ドイツの歌曲ではその辺は違うようです。

ほんの少しの差はあるようですが、その詩のイメージは作曲家が変わってもほぼ違いはないようです。


先日ナタリー・シュトゥッツマンの演奏で聴きました。

女声の低い声というものは、大変に魅力的なものです。

彼女のようなコントラルトはあまりいないので、余計に価値が高いのですが、

歌うだけでは飽き足らず、最近は指揮のお仕事にもご熱心なんだそうです。

ん~

でも・・・・

本当にドイツ歌曲の魅力がわかる人には、よだれものの、良い演奏だったんだんだけどなあ~


心情の吐露。

これが語り口だけでなく、声そのものの伸びで表現できる人って

めったにいないんですよね~

特に、シューマンの“詩人の恋”はピアノパートはとても難しいし、

曲数多くて、大変だし、

最後まで歌うだけでも大変なのに・・・・。


ま、そんなわけで、シュトゥッツマンが存分に内面の表現ができる優秀な歌手だってことを再認識できた

良い機会でした。


今年のリサイタル

2014-03-15 16:42:52 | 日々の発見


なかなか暖かくならない今日この頃ですが、

皆様、お元気ですか?

最近は風邪をひきながらもなんとか慣れないパワポで印刷物作りに励んでいます。

画面で見ると光って見えるので、本当はもっと違う感じを想像していたのですが、

印刷し、更にスキャンで読み込むと、ぼけた色合いになってしまいます。

ちょっと残念ですが、本当の色は「茄子紺」

もう一枚、フォーレの会のチラシはどんな色にしたら残念にならないでしょうか?

難しい問題です。



さて、大急ぎでドイツ歌曲の歴史を追いかけるシリーズの第一回目。

モーツァルトから、ヴォルフまで

形式的には有節歌曲を中心に、

詩的にはゲーテのミニョンを中心に、

少しずつ変わっていく様子を各作曲家の代表作とともに

演奏し、味わってみようという企画

違いが判るように演奏できるよう、只今奮闘中