和州独案内あるいは野菜大全

第一回奈良観光ソムリエであり、野菜のソムリエ(笑)でもある者の備忘録のようなもの。文章力をつける為の練習帳に

台風十八号狂詩曲

2009年10月09日 | ハウス造り
 本来ここはいわゆるブログとは違うものとして書いているつもりなのですが、丁度台風が通過した事と、書きかけの話が少しかぶる所があったので急遽纏めてみました。
 
 三日ほど前から新しい台風の進路がどうもおかしいなと嫌な感じはありました。いや、それ以前から三週間ほどは雨らしい雨も無く、こういう時は自然はきちんと帳尻を合わせてくるから大雨か台風が来るんじゃないかという予感めいたものはありました。日本に近づいて上陸がほぼ確定的になった頃から、さてどうしたものかと思案しましたが、左程の切迫感も無かったのも事実です。というのも、台風情報を米軍系サイトでチェックするのが既に習慣になっており、それによると紀伊半島の南端から東端を、かすめる様に通過するルートの予報になっていたので、当地が台風の左側になり、しかも時期的に更に東へ流れるのではと高を括っていた訳です。
 がしかし、テレビの天気予報で直撃コースをたどることが解り、何時ぞやの七号台風の再来かという事態になった前日は、朝からハウスの補強にひたすら時間を費やしました。白浜に上陸する可能性が高くなったというテレビの台風情報に影響されてか、ラジオではみかん農家が、およそ千坪のハウスのビニルを自主的に切り落としたと云う話題を取り上げていましたが、この頃にビニルの除去を決断した方も多かったのではないでしょうか?そうなるとハウス保険もおりないはずなので、余程キレイにビニルを外さないと二度張りは大変なんだろうと思いますし、ビニルを切ってしまえばもちろん二度張りは出来ません。 うちはと言うと、数少ないビニルが残ってる虎の子のハウスの為に、ビニルを外す訳にも行かず、ハウスの補強するしか選択肢が無かった訳です。
 
 ビニルハウスは一般的には、いわゆるアーチパイプハウスの事で、22から25mm径の曲げたパイプを地中に挿し込んだだけの簡便なつくりです。鉄骨ハウスに比べてコストは格段低いですが、当然耐風力も低く風速30m、場合によってはそれ以下でも倒壊すると言われています。各部材は緩くつながっている柔構造の典型なので、筋交いをはじめ補強は欠かせません。
 そこで先ず、一番弱いといわれるアーチ部分につっかえ棒をしておきました。次に、下の写真に有るようにハウスサイドの連結を強め、引き抜き力に対抗し、横風の押し込みに対抗するための重石を付けました。

  

 そして台風の一番の怖いところである、真上からの押し込みとその後の引き抜き力に対応する為、棟持ち柱を基礎付きで設置しました。
 最後に今回は間に合いませんでしたが、防風ネットを張る事も重要だと思います。但し、中途半端に張るとネットの切れ目で、縮風という現象が起きる事があるので気を付けないといけません。それもあって今回は防風ネットの設置を見送りました。
 これ以上はやる事が無く、これでハウスが倒壊するのなら仕方が無いかなと思える処までにはなったでしょう。ただ、ビニルが破れて飛んでしまう事は、これらの補強とは関係なく起きる事なので、既にくたくたのビニルが破れないように祈るしかありません。

 そうして眠れない一夜を過ごしたのですが、結果として台風は紀伊半島の東を、上陸もせず掠める様に中部方面に逸れた訳です。そのおかげかブルーシートが破れた程度で、大きな被害も無く台風をやり過ごす事が出来ました。逸れたとは言え相当の雨風が吹き荒れたのは事実で、覚悟はしていたのですがビニルが飛ぶ事もありませんでした。
 それとあくまでも結果論ですが、今回も米軍情報がほぼ正しかったのは複雑です。規模は小さいが勢力の強い台風だった事もあり、場所によってかなり影響にばらつきが出たみたいですが、紀伊半島の西端と東端の予報では対応に違いが出ても当然だと思われます。最後は自己責任と結果論になってしまうのですが、情報は多すぎても少なすぎても駄目なのでしょう。
 

  

 台風が過ぎてしまえば、また蜘蛛は糸を吐き、何事も無かったかのように蜘蛛の巣を造っていました。感情のある人間は流石にそうはいかず、被害に逢われた方は呆然自失の状態かも知れません。心よりお見舞い申し上げ、この話を終えたいと思います。

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