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Maldives Bandos island 1993年 その6

2021-07-19 12:12:13 | 写真 海

     一本目 ハウスリーフ ダイビングサービス  / レフトサイド

 早々と朝食を済ませた。
 機材を二人分メッシュバッグに詰め込むとかなりの重量になった。
 バッグの取っ手を利用してリュックサックのように背負った。
 ネクサスを片手に歩き始めた。
 ダイビングサービスまでの道程は僅かであるがけっこうきつかった。

 まずはカウンターの上に広げてある台帳にルームナンバーと氏名。エントリー時間を記入した。
 スタッフがウェイトの重量を訊いた。アルミタンク、ファブリックスーツ、ネクサスの組み合わせは初めてである。いろいろ考慮して4kgを頼んだ。


 エア充填の済んだタンクが数十本並んでいた。
 十リットルと十二リットルの二種であった。それぞれ黄とオレンジに色分けしてあった。
 私とE君は十二リットル、M美は十リットルを選択した。
 
 ※日本では高圧空気のタンクは全て灰色である。法でそう定められている。
  TV、小説、コミックなどで酸素ボンベと語られていたら知識の無い者の表現である。
  ダイビングのタンクに充填されているのは空気である。
  ボンベと言う表現もまずしない。(bombと間違えられないようにか?)この時代はタンク。2015年からシリンダーと呼ぶ団体も出てきた。
  もし高圧の純酸素を使用したら酸素中毒になる。最悪の場合は死に至ることがある。
  

 セッティング。
 「残圧どれくらいですか?」
 「200と少しあるよ」
 「私のは100ちょっとしかない」とM美は不安な顔である。
 おそらく使用済のタンクを返却する場所を間違えた者がいたのであろう。タンク交換。
 E君はエア漏れがあると騒いでいる。
 「ヨークスクリューが緩んではいないのか?」
 原因はタンクのOリングであった。

 
 A 矢印の先の黒い部分がOリング。シリコン製。輪ゴムと同じような形状だが断面が円形。
 B バルブ。緩めると高圧空気が吹き出す。

 要チェックダイブのY子をダイビングサービスに残して三人でエントリー。
 ※見出し写真 チェックダイブのスタッフ と Y子

 浅瀬にパウダーブルー、シマハギ、ムラサメモンガラ、キス、ハゼの類が群れていた。
 桟橋の前はドーニーの発着の為に水路が掘られている。それを利用してリーフの縁まで出た。
 二人に僅かに遅れて潜行。サービス前のドロップオフは利用する者があまりにも多いのであろう、珊瑚の類は殆ど崩れて下地が剝き出しになっていた。
 いきなりタテジマキンチャクダイが姿を現した。沖縄では逃したのでここでは必ずものにしたい。ネクサスを構えた。だがバックが荒れた岩肌では・・・・・・。
 二人は既に水深20mへ。合流。透明度があまりにも悪すぎる。少々暗い。
 E君がセンセイにメモ。『見えないから様子を見よう』M美も不安そうな顔をしていた。
 ダイビングサービスで聴いた沈船探索は諦めた方が無難のようだ。
 私は沖縄から帰って来たばかりだが二人は久々のダイビングだ。
 暫くはこのエントリー地点付近でリフレッシュダイビングが良さそうだ。

 
 ニシキヤッコが姿を現した。撮影。
 魚類は豊富である。日本では視ることのできない魚が次々に姿を現す。
 二人を少々無視。撮影続行。
 突然頭上が暗くなった。見上げると一団が潜行してくる。ウェットスーツは着用していない。(ここのサービスではレンタルウェットスーツは無い)
 体験ダイビングかスクールであろう。
 潜行姿勢が全くなっていない。不要のキックにより周囲が濁った。もう撮影は出来ない。移動。
 ハウスリーフとはたぶんモルディブ特有の言葉である。島の周辺の珊瑚礁をそう呼ぶ。
 漁業は盛んであるがリゾートの周辺では行うことは無いらしい。それ故にか魚が人間を恐れることが無い。
 むしろ寄ってくるほどである。
 E君がセンセイにチェックダイブと書いて上方を指さした。少々浮上。Y子の姿を捜したがまったく見当たらない。別の一団だった。
 撮影を続けているとまた別の一団が近寄って来た。今回は紛れもないチェックダイブ組だった。
 Y子が私たちに気づいて手を振っている。『その余裕があれば大丈夫だ』
 
 暫くしてE君に肩を叩かれた。
 『チェックダイブオワリ』イレース。
 『イントラが一緒にいろと言ってる』イレース。
 センセイを受け取り『OK』イレース。以上センセイによる会話。



 Y子合流。残圧チェック。まだ100以上を残している。
 四人で暫くファンダイブ。
 私はもっぱらネクサスを構えていたが E & M はセンセイによる会話を充分楽しんでいる。
 たまに覗き込むと『アホ』だの『ドジ』だのと書き込んでじゃれあっている。
 「いつまでもやってろ」

 浮上。E君が先生に図を描いて見せた。
 「まっすぐ行くと浅いから潜行ロープまで戻り水路を使おう」と言った。
 確かにリーフの上は流れがある。スキンならばともかくフル器材を背負って足場の悪いリーフを行くのは楽ではない。
 E君の提案を受け入れた。

 機材を洗って一息ついた。ドーニーが突堤に近寄って来た。
 スタッフの田中が海中マップの描かれたホワイトボードを持っている。
 『!。センセイは?』
 「E、センセイはどうした?」
 「エッ!。渡しましたよ」
 「誰に?」
 「・・・・・・?」
 「私は合流した時に一度使っただけで、その後は触っていない」とY子
 「私は一度落としてから持たないことにしている」とM美。
 「やはりお前だ。エキジットするときに図を描いて見せたな。その後はどうした?」
 「エッー!?・・・・!?」
  ・・・・・・
 「捜しに行ってきます」
  私もあとを追った。しかし・・・・・

 ダイビングサービスを後にしてコテージへと向かった。
 「♪あーわい 初恋消えた日は あーめがしとしとふっていた」森昌子である。
 E君が苦笑いをしている。
 「・・・・・・・しーたい続けーた 人の名は さー ハイ」
 「先生 先生 それは センセーイ」(三人で合唱)
 コテージの前で日光浴をしている白人が驚いたような顔をして我々を見ていた。

 コテージ到着。まずシャワー。ネクサスも充分水洗い。広げたタオルの上に置き水滴を充分拭う。
 フィルム交換の際には欠かせない儀式である。

 

 つ づ く

 


 

 

 

 

 

 



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