「雲の峯幾つ崩れて月の山」
(芭蕉、奥の細道、月山での句。)
夏であり、真昼であり、生命であり、男性(陽)であり、
そそり立つものである雲の峯から、秋であり、夜であり、
死であり、女性(陰)であり、まろやかに伏すものである
月の山への、大きなゆるやかな時空の転換。あるいは
前者からの後者への服従、沈静、そして鎮魂。
雄渾なエロスをはらんだその大自然の運行への驚嘆を
芭蕉は「幾つ崩れて」という副詞ひとつ、動詞ひとつで
いいつくしたのである。(詩歌の森へ)
(芭蕉、奥の細道、月山での句。)
夏であり、真昼であり、生命であり、男性(陽)であり、
そそり立つものである雲の峯から、秋であり、夜であり、
死であり、女性(陰)であり、まろやかに伏すものである
月の山への、大きなゆるやかな時空の転換。あるいは
前者からの後者への服従、沈静、そして鎮魂。
雄渾なエロスをはらんだその大自然の運行への驚嘆を
芭蕉は「幾つ崩れて」という副詞ひとつ、動詞ひとつで
いいつくしたのである。(詩歌の森へ)