子どもの頃、大好きだった絵本。『ピッキーとポッキー』。
もう繰り返し繰り返し、何度となく読んだ。母によると、読んであげているうちに、字も読めないうちから全部覚えてしまった私は、絵を見ながら“読んで”(諳んじて)いたらしい。しかもご丁寧に「ピッキーとポッキー。ぶん・あらしやまこうざぶろう、え・あんざいみずまる」と、タイトルと作者名から始めていたとのこと(これは自分でも覚えている。このときから細部にこだわる性格だったようだ)。字が読めないのに、ページをめくるタイミングもいちいち完璧で、母は「この子は天才じゃないか」と、よくあるカンチガイをするのだが、あれだけ毎日何度も読んでいたら、子どもなら覚えてしまうものだろう。「いつかピッキーとポッキーの菜の花畑に行きたい」と、真剣に思っていました。
このピッキーとポッキーの魅力は、なんといっても絵のかわいらしさに加えて、「ピクニックに行く」という小さな冒険ストーリー。長じて『赤毛のアン』のピクニックを知るまでは、竹の水筒に木の実のジュース、すみれのサンドイッチがアイスクリームよりも憧れだったのですよ。大人になって、あの「あんざいみずまる」さんが村上春樹のエッセイの挿絵を描いて、対談なんかしちゃってる!!!と知ったときの驚きや、あの「あらしやまこうざぶろう」さんが、実はこんなワイルドなオッサンであることが発覚したとか、人生成長にあわせて面白い発見が用意されているものです
でもやっぱり絵本は大人になって読んでもたのしい続編『ピッキーとポッキーのかいすいよく』、読んでみようかな。
もうひとつ大好きだった『ぴかくんめをまわす』も、張り切ってよく諳んじていましたが、いまだに信号待ちのとき、おもいだします
そうそう、うさぎといえば、『かちかち山』の最後、泥船が溶けて沈む悪タヌキを、櫂を使ってさらに沈めようとするうさぎの無表情な顔が忘れられない。このタヌキの凶悪な表情も幼心に強烈な印象をのこしたし、「まんが日本むかしばなし」は大好きなシリーズでした
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