かくれて咲く花

~凛として~

身体の声を聴く

2011-10-26 21:34:04 | Weblog


数年ぶりに、本格的な風邪をひいて寝込んでしまった。
ここずっとおおむね健康で、熱が少し出たりしても、だいたい葛根湯を飲めば治っていたのに、10月半ばに熱が出て、回復したと思ったらぶり返して悪化。咳が出始めて、ちょっとまずいなと思っていたけど、朝起きて「あーこのままいくと、間違いなく気管支までいく・・・」と直感。休日診療してくれる近所のお医者さんへみずから向かうほど、本当に具合が悪かった。またいろいろ検査されたり、お薬飲むのか・・・とユウウツな気持ちで、熱でモウロウとしながら1時間半くらい待ったけど、ここの先生はとても丁寧に診てくれる。以前、気管支炎で苦しんだ時に診てもらっていたのはもう7年前になるのに、ちゃんとそのときのレントゲンの写真も保存してくれてあって、いろんな角度から症状を検討してくれて、お薬を出してくれた。いつの間にか院長先生が息子さんに代替わりしていたけど、診療スタイルは変わっていなくて、ああホームドクターはこういうお医者さんだと安心だなあと思った。嬉しかったのは、抗生物質は極力出したくないという方針で、咳止めは西洋医学のお薬だったけど、漢方のお薬を処方してくれたこと。抗生物質とかは身体の中のウイルスやらなにやらをやっつける感じだけど、漢方はじわーっと身体にしみて、体内の毒を排出していく、という感じがする。以前はどうしても休めなくて、注射を打って無理やり治してまたすぐ仕事に戻る、という時期もあったけど、なんて身体に対して暴力的な日々だったんだろう。風邪をひいたら、体調を崩したらまずは身体を休めること。当たり前のことなんだけど、なかなか勤め人の職責を果たしながらゆっくり休むというのは、両者のバランスを取るのは難しい。今回は幸い、迷惑を最小限にして、少しお休みを頂いて身体を休めることができたので、まだ咳は出るものの、気管支炎までいかずに済み、なんとか回復に向かっている。

熱が37℃越え(参考記録:平熱35.2℃)となると、この食いしん坊の私が食欲がまったくないという状態に陥った。ホントに何も食べたくない。だけどお薬飲むために、何かおなかに入れなきゃとお粥さんを作って無理して食べて。この「無理して食べる」という辛さは、普段あれだけ食べることに執着をみせる私に、「ああ食べる喜びって、健康あってのものなんだなあ・・・」としみじみと実感させてくれた。無理して不味いものを食べるのは拷問なので、できるだけ美味しいものをと、熱でフラフラになりながらもキッチンに立って作りました。ルクルーゼは天才なので、お米半カップにお水3カップを入れてコトコトと30分放っておけばすごく美味しいお粥さんが出来る。レシピ本には菜の花粥が載っていたけど、いまは時期じゃないので代わりに小松菜を入れてみたらすごく美味しかった(小松菜は別途塩ゆでして絞って刻んで、お粥さんもお好みの塩加減で調整を)。ふっくらとやさしいお粥さんは心も身体もあたためてくれて、少し元気が出てくると、「食欲のないときに食べたいと思うのは何か」ということを知るためにレシピ本を眺めてみたり、食欲がないくせに何を食べるかということは心配し、ベッドのなかで絶えず「つぎ、何食べよかな・・・」と考えているあたり、食いしん坊の真骨頂を発揮しているというか。

どれくらい食欲がなかったかというと、まず朝はトーストが食べられない。その固形感にうっときて(つわりか)。お粥さんばっかりもあれなんで洋風にリゾットでも、とおもっても、バターで玉ねぎを炒めてチーズを入れて・・・と考えると「うっ」となるので、栄養を考えてさっぱりとしたサラダや野菜の炊いたんなど、「これなら食べられる?」と身体と相談して食べるものを決めていた。今朝はやっと「トーストを食べたい」と思えたので、回復の兆しを祝って大好きなはちみつバナナトーストに。バナナを薄くスライスしてお好みのパンの上に並べ、トーストして焼きあがったらはちみつをたらします。朝のこのひと手間で、めちゃめちゃ幸せな気分にそしてアメリカで好きだったパンケーキ屋さんのヨーグルトの再現に一部成功したのが、プレーンヨーグルトにシリアルとバナナ、あればブルーベリーを加えてはちみつをびゃーっとかけ回す。これからの季節はいちごが出てきたらもちろん追加というかメイン待遇で体調を崩して以来、コーヒーを身体が欲していなくて、まだ飲みたいと思えないので、専らミルクティー。カフェインは紅茶の方が多いはずなのに?日々あんなに大切にしていたコーヒータイムがないのも変な感じ。しかもこの私がおやつにも食指が動かない、なんてまさに事件ですが、まあこれはいいことかもしれません。いま目の前にショートケーキやモンブランを出されても、うさぎやのどら焼きを出されても、「うっ」ですもの。ホンマ、つわりかって感じですが。熱があるとき、アイスクリームを食べると冷たくて気持ちがいいのですが、そんな気分にもならないのです。まあこれはいいことなのかもしれないけど。

やっぱり元気でいてこその食いしん坊なんですね。震災以来、本当に毎日睡眠時間が足りなかったし、遠くなったスポーツクラブに通うのも、結構負担が大きかった。なので運動もしばらくお休み。身体の声をよく聴きながら、睡眠時間も確保して、すこやかにほがらかにいられるペースを、再構築していきたい。

風邪、すごく流行っているので、皆さまもお気を付けくださいね。「一旦回復したとみせかけてぶり返して長引く」「喉にくる」という症状が多いようです。くれぐれもご自愛を


おべんとうも、秋めいて

2011-10-12 21:21:04 | Weblog


10月に入って、朝夕めっきり涼しくなりました
なんやらかんやらでブログの更新に手が回らぬ日々でしたが、秋の味覚を楽しみながら(絶賛マロンフェア開催中)、私は毎日元気です

先日、「おべんとう、見てるで~」と、久方ぶりにお会いしたMさんに言われ、恥ずかしくて穴があったら入りたくなったでもこの「うめ」ブログを書くことを後押ししてくださった方が「見てくれている」ことは、やはり私にとって力になる。トマトのリコピン→抗酸化作用で盛り上がったり、昨今の情勢を語り合ったりして、「ミニトマト研究会」が立ち上がることになった模様。先日の台風で、母が「このあと野菜の値段が上がるわ」と予言していたとおり、トマトも白菜も高くなった。でも長野や北海道産の野菜が多く出ているので、少々高くても食材が手に入ることが喜ばしい。まあトマトもブロッコリーも、台風が来る前から結構なお値段だったけど。私が人生でいちばん大切にしているのは食べること(言い切った!!)。結果的に、このエンゲル係数の高さには、いやはやですが

小さい頃から「人は人、自分は自分」の教育が行き届き、他人のおべんとうなんか気にしたことなかったけど、自分でおべんとうを作ってちょこちょことブログに記録を残していると、世の中にはこんなにたくさんの人が自分のお弁当や日々の食事についてブログやなんやらで情報を発信しているのは非常に参考になる一方、自分が食べているものを公開することは、“what you eat, what you are”ということから考えると、文章を書く以上に自分の姿を晒しているような気がして大変気恥ずかしい思いは拭い去れない。自分の記録用にとおもってのせているつもりだけど、毎日あんまり代わり映えのしない自分のおべんとうが、自分が食べるぶんにはいいけど、やっぱり人に見せるもんじゃないなあとの思いを深めてしまう。特にすごく手の込んだ、でもきっと手際よく作っておられるんだろうな、と思うお弁当に出会ったりすると。先日、お使いに行ったとき、お昼時だったので応対してくれた方が机のうえでお弁当を広げておられて、不躾ながら思わず目をやると、和食中心のおかずが何種類も美しく盛りつけられた、すごく素敵なものだった。あんなのを私が作ろうと思ったら、4時半くらいに起きないと無理だろうなと思いつつ、戻ってきて自分のおべんとうを広げて、さっき見たんとはえらい違うなあ・・・という気持ちに。

     

とはいえ、そんな気分を吹き飛ばしてありあまるトマト味噌の実力!!野菜はお茄子、玉ねぎ、エリンギだったかな(→すぐ書いてしまわんと忘れてしまう人)。これをMちゃんから頂いた茅乃屋のケチャップを少々加えてトマ味噌で炒めただけで、ああ、なんという美味しさ私の料理の腕がいいのではなくて、調味料の力ではあるのですが、やっぱり自分でつくったのがいちばんおいしいなあとしみじみ。その日の朝、冷蔵庫にある食材と自分の気分に合わせてつくってきたものは、そのとき自分が食べたいものだから、どれだけ見た目も素晴らしくて美味しいお弁当であっても、やはり人が作ったものだから、「おいしいものを頂けて幸せ」という満足感はあっても、「今日はこれが食べたくてつくってきて、それが美味しくできていた喜びと幸せ」とは違うもの。

トマ味噌はいたく気に入って、翌日もこの味付けで。

     

豚肉、ズッキーニ、玉ねぎをトマ味噌&ケチャップで。ちょっとピリ辛だけど、ドライトマトが入っていて本当にスバラシイ。これから寒くなってくると、トマ味噌仕立てのお鍋にして登場する回数が増える予感。コチュジャンなんかは私には刺激的すぎるので、とってもいいものに出会えて嬉しい(こちらにて発見)。またこのケチャップが素晴らしく美味しいので(Mちゃんほんとにありがとう)、お気に入りの一品が一気にグレードアップしたのがこちら。

     

一見ドライカレーなのですが、ご飯の上は茄子と豚ひき肉のケチャップ炒め。つくりかたは至って簡単で、お茄子を半月ありは乱切りにして、水にさらしておく。オリーブオイルでみじん切りにした玉ねぎを炒め、こまかく刻んだピーマン、お茄子を加えて塩こしょうして炒める。お水を少々(50ccくらい)入れて、顆粒のコンソメをちょいと入れて、ケチャップをガバッと加えて水分が飛ぶまでぐつぐつと煮込む。あれば赤ワインをちょっと入れてもいいです。一瞬「わー、お水入れすぎたかな」と焦っても、しばらくコトコトしている間にちょうどいい塩梅になります。仕上げにドライパセリをパラパラと。写真ではわかりにくいですがピーマンの緑が彩りよく、ケチャップが素晴らしいのでこれまで作ったなかでも最高の出来栄えで、自分で作ったものながらひと口ひと口、「ああ、おいしい」といちいち感激しながらのランチタイムでした。もちろんご飯との間には溶けるチーズを忍ばせて。ドライカレー同様、パンに合わせてもso goodお子ちゃま向けの甘めな仕上がりですが、お茄子が入荷すると必ず作らずにはいられない、大好きなメニューです。

秋といえば秋鮭ということで、

     

たしかピーマンとエリンギと一緒にバターで蒸し焼きにしたはず(→既に記憶があいまいな人)。塩鮭もいいですが、バターも合うなあ。大切なお友達のお母さんに頂いた栗の甘露煮がこれまた素晴らしく、デザートは種なしの巨峰もプラス。秋の味覚満喫で、「ああ、今日もおいしかった」とご満悦なのでした


反省:つくったらメモしておくとか、早めに上げていかないと、脳のメモリはすぐ容量不足になってしまう。