『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
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フルート奏者・白川真理

出しゃばり

2024-06-29 22:42:37 | 気付き
身体の中で、最も出しゃばりなのは、脳だと思うけれど、その次は何と言っても、腕だよね、としみじみしておりました。

腕を操っているのは脳だから、まあ、この両者がタッグを組んでいるのだから、そりゃあ、それに抗うのは難しい。

思うに、フルートを始めた時、半世紀以上前から、「三点支持」というものに憑りつかれていて、そんなものは、もうとっくの大昔に振り捨てたと思っていたけれど、なんのなんの、しっかりでしゃばりさんの腕は「これこそは自分の仕事」とばかりに務めを果たしてた。

これに気付いたのも、「ため息」で吹くという変化があったからこそと思う。

より深いため息にするためには、肩は下がっていればいるほど良いのだから。

あれ?息が浅いぞ?とすぐに気付けるようになった(今頃!?)からこその変化です。

典型的なのが、緊張したり、不安になったり、またはその反対に調子に乗ってノリノリだったり、楽しく吹いたり、というのも同様。

よく、植村先生に叱られていたのは、「性格悪いぞ」だけれど、その次に「本番楽しむようじゃシロートだ!」というのもあった。

もちろん、楽しみ方にも色々レベルというものがある訳で、あくまでも私に向けられたのは低いレベルでの「楽しむ」だったのだけれど。

いずれも、肩を上げてしまうことにつながる。
それは殆ど、腕、特に左腕が出しゃばってくる。

私のやり方が一般向けとは決して思っていないけれど、もう20年くらい前?もっと前?とにかく「三点支持」は違う、という立ち位置だ。

一時はシーゾーの原理で、頭の重さを利用して左右の釣り合いを取っていたけれど、今はそれでもなく「三点載せ」。

頤、左人差し指の付け根、右手親指の三点に楽器を載せるだけ。右の小指は微妙なバランス調整を請け負う。

ずっと、これはやっていたのに、でもちゃんとやれていたのは、ゆとりがあり、自身の感情がニュートラルな時に限られていた。

テクニカルで難しい曲や本番、逆に気軽に楽しんでいる同期バンド・WAYAZで吹いている時、みな、感情が動き過ぎて、左腕が出しゃばり、「載せる」ではなくなって、先祖返りの「三点支持」ににじり寄っていた。

ここのところ、この大きな間違いに気づいて、「載せる」という稽古ばかりしていたのだけれど、なんと爽やかなことか!

大学生の時、合コンっぽい感じで初めてスキーに行った時、必要もないのにストックにしがみついてヘトヘトになったことが思い出された。

まさにそんな感じ。

「三点載せ」はフルートの重さ、重力の積極的活用になる。

でも「三点支持」はフルートの重さとの闘いだ。やれやれ。




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