ブラジルって??

ブラジルに赴任することになったサラリーマンによるお気楽ブログ

砂糖とバイオエタノール④

2007-09-29 03:13:23 | 旅行などなど

こんにちは。サンパウロは雨になりました。

続きです。
この工場では水を大量に使うそうです。
さとうきびの圧搾過程でも少し水を加えながら搾り、発電用にもボイラーで蒸気を発生させ、砂糖とエタノールのそれぞれの工場でも加水しながら精製するようです。
1日約30,000㎥使うようですが、その殆どは循環による再利用ということで、川からの取水は1日900㎥程度とのことです。

搾液のうち、エタノール工場に送られたものは醗酵・蒸留によりエタノールを精製します。
エタノール工場に近づくとお酒の臭いに変わりました。
息をしているだけで酔ってしまいそうです(笑)。
エタノール工場には屋根はありますが、壁は片側にしかありません。
充満して爆発する可能性があるからでしょうか(笑)。
ここで作られるエタノールは度数が98度ということです。
ウオッカなんか目じゃありません(笑)。
試しに手につけると、すぐに蒸発してしまいました。消毒用アルコールのような感じです。


そして、砂糖工場に送られた搾液は濾過と沈殿を繰り返し、不純物を取り除き乾かして砂糖になるようです。
工場内は衛生上の理由により見学はできませんでしたが、袋詰された砂糖の出荷の様子を見学しました。
50Kg入りの砂糖袋がベルトコンベアに乗り工場内から次々と出てきます。
これをトラックに積んで出荷するのですが、トラックに上手に積むには人の手が必要なようで、荷台の上ではベルトコンベアから下りてきた砂糖の袋を受け止めて並べる重労働が続いていました。


工場見学が終わり、昼食です。
昼食はバスで湖畔にある社員クラブで戴きました。
保養所らしく、食堂のほかテニスやサッカーのコートがあるきれいな施設でした。
昼食後はさとうきび畑の見学に行く予定なのですが、この時点で既に予定より2時間遅れです(笑)。

帰りの時間を心配しつつさとうきび畑に向かいます。
続く

砂糖とバイオエタノール③

2007-09-28 22:21:08 | 旅行などなど

こんにちは。サンパウロは今日も晴天です。

続きです。
ヘルメットと防塵メガネと耳栓で武装して工場に向かいました。
最初は圧搾過程の見学です。

トラックは工場に入るとこのゲージに入ります↓。

ゲートの上部にある機械から、荷台にあるさとうきびの山にドリルのようなものを突き刺しサンプルを採取します。
そのサンプルを検査室で成分検査を行い、糖分の量を測って買取価格を決定します。
工場では、自社所有地からの収穫以外にさとうきびの買付けを行っているようです。見た感じでは買付けがメインのように思えました。

刈り取りの段階で短くカットされたさとうきびはこのようなトラックで運ばれ、一気に圧搾ラインに流されます↓。


大多数のトラックは、長いままのさとうきびを搬入するので、このようなトラックからクレーンでさとうきびだけ吊り上げられ、裁断機に運ばれます↓。



粉塵が霧のように舞っており、甘い臭いが立ち込めています。
まるで空気の中に砂糖を溶かしたようです。

裁断されたさとうきびを圧搾します↓。

ベルトコンベアで運ばれ、数度にわたり圧搾機を通します。

搾り液は機械の下に落ち、川のように流れます↓。

洗わずに搾られるので、泥も一緒です。
完全に泥の川(笑)。砂糖とは程遠い状況です。
でも舐めれば甘いのでしょう。ここでは「チャーリーとチョコレート工場」の川を思い出しました(笑)。
搾りかすとなったさとうきびはパサパサです。
そして、立ち込める粉塵はこのあたりがピークになります。

ここからルートが分かれます。
搾り液はエタノール工場と砂糖工場にパイプラインで運ばれます。
搾りかすはベルトコンベアでボイラーに運ばれて燃やされます。
工場の外に立ち上る煙はこのボイラーからの煙のようです。
そして燃やした熱で発電を行い、この工場全ての電力を賄っているほか、余剰電力を売電しているとのことです。

続く

砂糖とバイオエタノール②

2007-09-27 22:47:37 | 旅行などなど

こんにちは。サンパウロは晴天です。

本題に入ります。
実は先日、ブラジル日本商工会議所が主催する砂糖きび農場・エタノール工場視察会に参加しました。
サンパウロ郊外にある農場と工場を日帰りで視察するバスツアーです。
今回見学した工場はバッハ・ボニータという町にあるのですが、サンパウロから約340Km離れており、片道4時間ほどかかります。
そのため出発は朝6時。眠い目をこすりながらバスに乗り込みます。
参加者(総勢40名程度)を乗せたバスは、一路バッハ・ボニータへ向かいます。

バスで一眠りして起きると、窓の外には広大なサトウキビ畑が広がっていました。
そして、バッハ・ボニータに到着です。
バッハ・ボニータはサンパウロの北西にある小さな街です。
サンパウロ市街を流れるチエテ川の下流にある町で、小さな湖があります。
サンパウロ市街ではとても汚れているチエテ川ですが、下流は意外ときれいです。
どこで浄化されているのか・・・これだけ離れるとさすがに影響が無くなるのか疑問ですが、町の名前の通り美しい(Bonita)運河(Barra)が眼下に広がります。

その運河の対岸の小高い丘の上に濛々と煙を上げる巨大な工場が見えてきました。
まるで要塞のようです。なぜか「もののけ姫」に出てくる製鉄所を思い出しました(笑)。
バスはその工場に向かいました。
さて、その工場とは・・・。
CosanグループのUsina da Barra (バッハ工場)です。

Cosanグループはブラジル国内に十数か所の工場を保有し、さとうきびの作付も60万haという規模で行っています。
さとうきびは年間約2,800万トン収穫し、砂糖年間約250万トン、エタノール年間約100万キロリットルを生成するブラジル最大の砂糖エタノールメーカーです。
ちなみにブラジルの国内エタノール総生産量は年間約1,700万キロリットルです。
そして、バッハ工場は1日に36,500トンのさとうきびの処理を行い、1日に60,000袋(?)の砂糖と、1,800㎥のエタノールを生成する世界最大の圧搾能力を持つ砂糖・エタノール生成工場です。
http://www.cosan.com.br/unidades_barra.aspx
ちなみに、36,500トンのさとうきびと言うと、↓こんなトラック台車約2,000台分です。


工場には次から次へとトラックでさとうきびが運ばれてきます。
この工場は、24時間3交代で稼動しています。
4月から11月まではほぼ休み無く稼動して、12月から3月までは操業を休止しメンテナンスを行うようです。

工場に入ると、プレゼンテーションルームに案内され工場とCosanグループの概要とブラジルの砂糖・エタノール生産の方向性に関する説明がありました。
説明によると、ブラジルでは今後もさとうきびの作付面積が増え、同時に工場も多数建設されるようです。
さとうきびはとうもろこしとは違って鮮度が大切である為、およそ4万haの畑に対して1つの精製工場が必要なようです。
作付面積を増やすには、森林を開拓するのではなく、牧畜用地を転用するという説明でした。
また、ブラジルのエタノールへのやっかみからか、他国からブラジルはアマゾンの熱帯雨林をさとうきび畑に変えているという言われていることに対して、そもそもアマゾンなどの熱帯気候ではさとうきびは育たず、サンパウロ近郊の農地での栽培が多いことと、ブラジルではアマゾンやパンタナールなどの保護地域でのさとうきび栽培を禁止していることについても説明がありました。

さて、ヘルメットを借りて工場見学です。
今回も前置きみたいな話でした。
続きます。

砂糖とバイオエタノール①

2007-09-26 23:14:19 | 旅行などなど

こんにちは。サンパウロは曇りです。

今日は少し大きな話です。
昨今、地球温暖化への対策が叫ばれていますが、その中でバイオエネルギーへの注目が集まっています。
石化燃料を使用することは地中に埋まっているエネルギーを二酸化炭素に変えることになり、大気中の二酸化炭素量を増大させますが、バイオエネルギーはその原料である植物の成長過程で二酸化炭素を取り込むため、バイオエネルギーを使ったとしても二酸化炭素排出量はプラスマイナスゼロとなるので、環境への影響が軽微であるとされています。
また、石化燃料は有限資源であるため、その代替燃料としての役割も期待されています。

そんな中、ブラジルのバイオエタノールが注目を集めています。
そもそもはオイルショックの際に原油価格が高騰したため、ブラジル政府がガソリンに変わるエネルギーとして導入を促進し、全てのガソリンスタンドにガソリンとエタノール混入ガソリンの両方を売るように義務付け、その結果現在では15%以上の車(約300万台)がFLEX車(ガソリンに対するエタノール混入比率をどのようにしても走れる車。燃料タンクにセンサーがあり、種類を判別して噴射装置に伝えるらしい)となっており、今後販売される車はほとんどがこのタイプになるようです。
現在、ブラジルのガソリンスタンドではエタノール混入ガソリンは普通のガソリンの半額程度で売られています。FLEX車の人は恐らくエタノール混入を選ぶでしょう。

バイオエタノールは全世界で年間約6,000万キロリットルが生成され、その約70%がアメリカとブラジルの2カ国で作られています。
原料としてはアメリカがとうもろこし、ブラジルはさとうきびというように違う植物から作られますが、ブラジルが世界最大のバイオエタノール輸出国であるのに対し、アメリカは世界最大の輸入国となっています。

ブラジルでは、世界的なバイオエタノール需要の高まりに対応するため、今後も更に増産する方向です。
その為にサトウキビの作付面積を増やし、生成プラントを建設やパイプラインの敷設といったインフラ整備を進め、国内需要のみならず重要な輸出物品として国家戦略をたてているようです。
また、日本からも商社を中心としてエタノール生成事業に続々と参加しているようです。

前置きが長くなりましたが、今日は前置きだけです(笑)。

創立40周年記念カンポリンポ祭 その2

2007-09-25 23:51:04 | 日本人学校

こんにちは。サンパウロは曇りです。

続きです。
午前の部が終わり、昼食です。
今年はシュラスコとおにぎりの販売があり、事前に購入した食券でシュラスコの大串2本とおにぎり2個と交換してくれました。
ほとんどの人が購入したようなのですが、約500人×2本=1000本近くに達したのではないかと思われます。

昼食後は午後の部。
テーマの「MATSURI」に相応しく、オープニングはおみこしでした。
そして、浴衣やはっぴに着替えた子供たちが祭気分を盛り上げます。


会場は集会広場です。
その中に、各学年ごとの模擬店が設置されています。

ステージでは得意技披露などの余興が行われています。

模擬店では子供たちの手作りおもちゃや、簡易活け花などを50センターボ(0.5レアル)前後で売っています。


他にも的当てなどのゲームや、コーヒー・ジュースなどの店もありました。


感心したのは、コーヒー・ジュースはただ売っているだけではなく、コーヒー豆の収穫からコーヒーになるまでのことや、果物の種類や特徴などについてちゃんと調べて掲示してあったことです。ただ行事をするだけではなく、教育を前提とする姿勢が伝わって来ます。


そして圧巻だったのは流しそうめんです。

学校の敷地の高低さを利用した長さ約30mほどの流しそうめんです。
竹は敷地内の竹を使い、机の上に固定して設営されていました。
そうめんを流す場所も3ヵ所ほど作ってあったので、一番下まで届いていました。

海外生活が長い子供が多く、流しそうめんなど見たこともない子供たちが大多数のようです。
初めて経験する流しそうめんに皆ビックリし、大騒ぎでそうめんを食べていました。
日本の裏側で日本の文化の1つを経験できる、あらためて恵まれた環境だと感じました。
実はこの流しそうめん、今年のカンポリンポ祭の為にだいぶ前から構想としてあったようなのですが、多くの父兄はきっと無理だろうと思っていたようです。
しかし、学校側はあきらめず見事成功させました。
おかげで子供たちも貴重な体験ができました。

最後にPTAによる模擬店です。
カキ氷やポップコーン、チョコバナナやアイスクリームなど、頑張った子供たちへのご褒美として、父兄が汗を流して準備します。
子供たちは事前に食券を持っており、ブースを全部まわります。

最後に大抽選会と全員の記念写真撮影です。
抽選会では35周年記念の際のTシャツも大放出です(笑)。
記念撮影では父兄も含めて全員集合。
皆さん暑い中お疲れ様でした~!