ブラジルって??

ブラジルに赴任することになったサラリーマンによるお気楽ブログ

砂糖とバイオエタノール②

2007-09-27 22:47:37 | 旅行などなど

こんにちは。サンパウロは晴天です。

本題に入ります。
実は先日、ブラジル日本商工会議所が主催する砂糖きび農場・エタノール工場視察会に参加しました。
サンパウロ郊外にある農場と工場を日帰りで視察するバスツアーです。
今回見学した工場はバッハ・ボニータという町にあるのですが、サンパウロから約340Km離れており、片道4時間ほどかかります。
そのため出発は朝6時。眠い目をこすりながらバスに乗り込みます。
参加者(総勢40名程度)を乗せたバスは、一路バッハ・ボニータへ向かいます。

バスで一眠りして起きると、窓の外には広大なサトウキビ畑が広がっていました。
そして、バッハ・ボニータに到着です。
バッハ・ボニータはサンパウロの北西にある小さな街です。
サンパウロ市街を流れるチエテ川の下流にある町で、小さな湖があります。
サンパウロ市街ではとても汚れているチエテ川ですが、下流は意外ときれいです。
どこで浄化されているのか・・・これだけ離れるとさすがに影響が無くなるのか疑問ですが、町の名前の通り美しい(Bonita)運河(Barra)が眼下に広がります。

その運河の対岸の小高い丘の上に濛々と煙を上げる巨大な工場が見えてきました。
まるで要塞のようです。なぜか「もののけ姫」に出てくる製鉄所を思い出しました(笑)。
バスはその工場に向かいました。
さて、その工場とは・・・。
CosanグループのUsina da Barra (バッハ工場)です。

Cosanグループはブラジル国内に十数か所の工場を保有し、さとうきびの作付も60万haという規模で行っています。
さとうきびは年間約2,800万トン収穫し、砂糖年間約250万トン、エタノール年間約100万キロリットルを生成するブラジル最大の砂糖エタノールメーカーです。
ちなみにブラジルの国内エタノール総生産量は年間約1,700万キロリットルです。
そして、バッハ工場は1日に36,500トンのさとうきびの処理を行い、1日に60,000袋(?)の砂糖と、1,800㎥のエタノールを生成する世界最大の圧搾能力を持つ砂糖・エタノール生成工場です。
http://www.cosan.com.br/unidades_barra.aspx
ちなみに、36,500トンのさとうきびと言うと、↓こんなトラック台車約2,000台分です。


工場には次から次へとトラックでさとうきびが運ばれてきます。
この工場は、24時間3交代で稼動しています。
4月から11月まではほぼ休み無く稼動して、12月から3月までは操業を休止しメンテナンスを行うようです。

工場に入ると、プレゼンテーションルームに案内され工場とCosanグループの概要とブラジルの砂糖・エタノール生産の方向性に関する説明がありました。
説明によると、ブラジルでは今後もさとうきびの作付面積が増え、同時に工場も多数建設されるようです。
さとうきびはとうもろこしとは違って鮮度が大切である為、およそ4万haの畑に対して1つの精製工場が必要なようです。
作付面積を増やすには、森林を開拓するのではなく、牧畜用地を転用するという説明でした。
また、ブラジルのエタノールへのやっかみからか、他国からブラジルはアマゾンの熱帯雨林をさとうきび畑に変えているという言われていることに対して、そもそもアマゾンなどの熱帯気候ではさとうきびは育たず、サンパウロ近郊の農地での栽培が多いことと、ブラジルではアマゾンやパンタナールなどの保護地域でのさとうきび栽培を禁止していることについても説明がありました。

さて、ヘルメットを借りて工場見学です。
今回も前置きみたいな話でした。
続きます。