続・エヌ氏の私設法学部社会学科

無理、矛盾、不条理、不公平、牽強付会、我田引水、頽廃、犯罪、戦争。
世間とは斯くも住み難き処なりや?

巻5の8 衛の君、貧窮を賑はし給ふ事

2017-01-13 | 理屈物語:苗村丈伯
ご訪問ありがとうございます→にほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ←ポチっと押してください

 唐土、衛という国の王は、冬は、日に当たって上衣を着て、茵(しとね)を重ねた上に座って過ごしていた。
 ある時、外に出て遊んでいたところ、道の傍らに薪を背負って、声を上げて泣く者がいたので、衛の王は問うた。
「そなたは、どうしてそのように泣くのだ」
 薪を背負う者が答えるには、
「雪が降り、寒さが甚だしいのに、着るものは薄いものしかないので、この寒さに堪えられず泣いているのです」
と言う。
 これを聞いて衛の王が、顔色を失くして言うには、
「王として、民の憂いを知らずにいては、民は誰も、朕を王と認めはしないだろう。今、このように貧しい民がいることを見て、憐れまないとすれば、これは王たる者の道ではない」
と言って、城の倉を開き、多くの金銀米銭をことごとく取り出して、貧しい民に与えた。

※美談のようであるが、私は天邪鬼なので、「その金銀米銭は、もともと誰から取り立てたものだい?」とツッコミたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。