続・エヌ氏の私設法学部社会学科

無理、矛盾、不条理、不公平、牽強付会、我田引水、頽廃、犯罪、戦争。
世間とは斯くも住み難き処なりや?

巻5の9 荘子、釣りたる魚を捨つる事

2017-01-30 | 理屈物語:苗村丈伯
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 唐土に荘子という人がいた。
 この人の友に恵子という者がいて、梁の王に仕え、多くの俸禄をもらい富貴な身分であった。
 ある時、恵子が大勢の供を連れて、宋の孟諸という沢を通りがかったが、折節、荘子が世を逃れて、この沢に引きこもり、釣糸を垂れていた。
 荘子は、友の恵子が、このように富貴の身になっても、なお、欲望の心が大いに深いのを見て、自分が釣った沢山の魚を、ほんの少しばかり残して、他はみな放ち捨てるところを、恵子に見せた。
 これは、魚は必要な時に必要なだけあればいいのであって、他は蓄える必要さえない。官に仕えるのも同じようなことで、富貴な身分になって栄華な暮らしをするようになると、必要以上のことばかりを欲するようになって、何の益もない、ということを教えようとしたものである。


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