ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】女子の生きざま

2008年06月12日 08時07分12秒 | 読書記録2008
女子の生きざま, リリー・フランキー, 新潮OH!文庫 016, 2000年
・"あの" 『東京タワー』の前に、同著者はどんな物を書いていたのか。あったのは、ただただこの興味のみです。でなければ全く見向きもしなかったであろう本。
・渋谷の女子向け雑誌に連載した、「女子の生きざま」をテーマにした小文26編をまとめたもの。各章に直筆のイラスト入り。
・所々にキラリと光る人間洞察が見られますが、とにかく無駄にオゲレツ用語が頻出し、それを避けて書き抜くのも一苦労です。
・本編より数年の時間を置いて書かれた「文庫版のためのあとがき」が秀逸。
・「女性にとって、この「女子」という時期はとても大切な時期です。「女子の季節」を暮らし間違えたら最後、地獄のような人生を送らなければイケマセン。ここでは毎回、幸せな人生を迎えるために重要なポイントを勉強しつつ、「女子の生きざま」を考えていきます。」p.7
・「モテる娘は汚い靴を履きません。」p.8
・「では、女子にとって必要なベシャリとは何か。(中略)重要なのは "どんだけかわいらしいセリフを吐けるか" です。ポイントは会話ではなくセリフというところ。(中略)とにかく、人は "見たまんまの人" というのが一番魅力がありません。外見との対比のある "スイートなセリフ"。コレこそが女子が幸せに暮らすためのモテ技術。」p.13
・「フロイトが言ったように、人間が行動するとき、その心理の奥底にはリビドー(性的衝動)が存在しています。  人は皆、SEXするために何かをしているということなのですよ。」p.19
・「勘違いしてはイケマセン。下着とは見せるためにつけるものです。」p.19
・「まず、男子にとって女子の下着を見るということは、そのコの日記を読むようなモノ。ここで大切なのは「人間味」です。オシャレと思って上下、キャミソールおそろいでキメたりするのはかえって味気ないモノです。(中略)「人間味」とは微妙なモノで、上はベージュなのに下は紺、ちょっと見はおかしなカンジなのですが、そのへんのハズシが逆に男子の心をワシャワシャさせたりするモノです。」p.22
・「まず、認識しなければイケないことは、アナタたち女子はみんな工業製加工品であるということです。  「生まれたままの姿で」とか「赤ちゃんみたいな肌」などと、ことさら、プレーンな自分を主張していらっしゃいますが、勘違いも甚だしいことですね。」p.25
・「このように、日本人(特に女子)はシャイでありながらも、キッカケさえ出してくれればなんでもできる、自主性はないけど、積極性はある、ええ調子の民族といえます。欲しいモノはキッカケです。とにかく、女子は背中をちょっと押して、キュー出ししてくれる男子を待っているのです。」p.38
・「そう。日本のTVの影響力は絶大。それは女子といわず、すべての人々がTVからなんらかの甘酸っぱさをインスパイアされています。  ウチのオカンでさえもみのもんたの『おもいっきりテレビ』で "ココアは健康にいい" と聞いただけで、スーパーに走り、ココアの棚に行ってみたら、もう、すでにほかのオカンたちがココアを買い占めていて、1コもなかったり。  とにかく、異常です。」p.45
・「ハッキリ言います。ボクは今まで個性的な女子というものにお目にかかったことがありません。  それは女子に限ったことではなく、個性的な人自体、ボクは知りません。」p.64
・「男子は結構そーゆーのに弱いです。男女交際は濃さです。時間ではなく濃さを求めた、アグレッシブな女子を目指してください。」p.111
・「例えば、スタイリストの世界でも、先生になればなるほど、格好がなんでもなくなってゆきます。そして、三流のスタイリストほど、100メートル先から見てもスタイリストと分かる格好をしています。」p.120
・「"惜しみなく愛は奪う"  本来、恋愛の基本であり原則であることです。恋愛をする、人を好きになるということは、相手の自由を、相手の個の存在を束縛せんと抗うことです。たとえ、それが相手にとって迷惑なことと知っていようとも、その感情を抑えきれずに泣き、叫び、わめき、悶え苦しみ、走り、踊り、狂うこと。  今、すごい、いいこと言ってます。みんな急いでメモって、コピーして友達に配りなさい。」p.147
・「女盛りの時期に周りの男はバカばっかり。結婚なんか死んでもしたくないような男に情が移って別れられず、いつか逢ういい男とめぐり会えるまでのツナギなんてねむたいことを考えてるうちに、中で出されてハラボテになり、親からひとくさり説教された後、近所のレストランで仲間うちの結婚式。  突然子持ちになって、好き勝手できる自由な時間もなく、赤ちゃんの夜泣きにノイローゼのアナタ。しかし、ダンナは安い給料を酒と競馬と風俗に入れ揚げて家には帰ってきませんし、キャバクラ嬢に熱を上げてサラ金地獄。このコさえいればと離婚したモノの、その子供もバカでトルエン中毒。  まさに、星の輪廻。そして、続・星の輪廻です。  若いうちに何かしなさいと大人が言うのはこのことです。」p.169
・「でも、こうやって女子のことを考えていくうちに、つくづく女子って大変だなぁと思いました。髪の毛を脱色してセットして、マユ毛そろえて、スキンケアしてネイルケアして、ワキ毛抜いて、ハミ毛切って、香水つけてエイトフォー噴いて、リップをぬったり、リップサービスしたり。こんなんやってたら勉強するヒマなんかあるハズない。  バカで当たり前です。イヤ、むしろバカのほうがいい。今書いたことを全部やってなくて勉強できても、そっちのほうが痛い。」p.172
・「みんなはもう大丈夫。キミらはたしかにクズで、地球上にとってはまったく不必要な人間かもしれないが、問題はそんなことじゃない。キミを必要としているのはキミ自身です。自分のためにどうあるべきかを誇り高く生きてください。」p.174
・「でも、この連載をするにあたり、本当にたまにですが取材らしきこともしたりして、そこで話を聞かせてもらった女子の人たちのことは、よく覚えています。  その度に、「あー、俺もそーゆー取材をキッカケに女子とヤレるんじゃねぇか」と幼い胸を焦がしたもんですが、現実にはそーゆー感情に到る以前に、あきれたり、あくびをしたり、ビックリしたり、そして何より、"女子ってたいへんだなぁー" と自分が女子でないことにホッと胸をなで下ろしていました。(中略)それ以来、年をとるっていいなぁと実感するようになりました。」p.178

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