ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【練】『炎の第九』チケット完売

2008年07月09日 22時03分56秒 | 練習記録
♪千歳フィル練習 2008.7.5(土)13:30-20:40@千歳市民文化センター大ホール
曲 第九 1・2・4楽章通し→2→4→1→(夕食)→4(合唱入り)→3楽章

・本番を一週間後に控え、練習もいよいよ大詰め。それと共に北海道洞爺湖サミットも直前で、警察車両がそこいら中にウヨウヨ。そんな中、検問などで止められる事もなく無事会場に到着。
・会場のステージはすでに台が組み上がった状態です。本番が終るまで2週間ほどの間こちらの大ホールは貸切なのだとか。通常では考えられない破格の待遇です。合唱団は1楽章からステージ上で待機なので、この公演のために作られたベンチが用意されています。ステージに乗る人数が人数なので、反響板をかなり下げてスペースを確保してあり、そのおかげで反響板の途中に幅3mほどの隙間が開いた状態になっていました。これは音響への影響は必至。
・練習前の事務連絡にて「チケット完売」の報告があり、場内がどよめく。よって当日券の販売は無いそうです。聴衆の期待の高さが窺えます。
・この日は、当初はコバケン氏による練習日でしたが、予定が変わり、コバケン氏の弟子である三河正典さんという方が指導に訪れました。とても忙しい中わざわざ時間を割いてはるばる北海道まで来て下さったそうです。どのような棒を振るのか、興味津々。
●1→2→4楽章通し
・指揮者が登場し挨拶もそこそこに、「まずは聴かせてください」と早速通し。
・全体的に、それまで練習していたよりもテンポが1割増ほどの速さで、特に2楽章などはついて行くのがやっと。場面転換の部分もほとんど溜めずに、先先へ突っ込み息つく暇も無い感じ。遅れるオケに動じることなく指揮者はグイグイと音楽を進めていき、どうにか4楽章の終わりまで辿りつきました。弾き終わって、指揮者は開口一番、「慣れない指揮で仕方が無い部分もありますが、皆さんあまりにも指揮についてこなさすぎです!」、「小林先生は動かないオケが大嫌いです!」、「もし今日が小林先生だったら絶対キャンセルされてますよ。僕でよかったですね(笑)」 強烈な先制パンチ。ここからステージ上の和やかさは消え、練習への集中度がぐんと上がりました。
・「小林先生の練習では楽譜への書き込みはしないでください」 ステージへの筆記用具の持ち込み禁止。コバケン氏からの指示は全てその場で頭と体で覚えること。練習のスピードを増し、集中力を高めるため。ヒエエー
・「本当ならこれから20時間ぐらいぶっ続けで練習しても間に合わないくらいですが、残された時間でできるところまでやってみましょう」と、時間を1秒も無駄にしないような密度の高い練習開始。
●2楽章
・冒頭の2小節1組の音形について、sf の有無を明確に弾き分けること。これには目からウロコ。
・「音をもっと飛ばして下さい! ホールの後ろの壁にあてるつもりで!」 この日の最頻出事項。この指示で、実際に音が変ったので一概には言えないのですが、これには反響板の隙間も影響しているのではないかと思います。自身弾いていて、どうもいつもとは響きが違う感じ。ステージセッティングによる音響の不利は演奏で補わなくてはなりません。せめて天井部分だけでも塞げたら。
・木管へ:「ホール最後列にあるろうそくを吹き消すようなつもりで」 細くて強くて鋭い息を。
・弦へ:「音楽が弱ければ弱いほど、左手は ff で」 弱音だからといってふにゃふにゃ押さえない。固くハッキリ。
・練習が進み、緊張が取れてきたことと適確な指導により、オケはどんどん良い音に。これを聴いた指揮者が、「これなら大丈夫そうです。心配が取れました……」と、思わず本音をポロリ。
●4楽章
・弦へ:練習記号[R]「回転寿司で目当ての寿司を取るように」 タイミングよく音楽に乗ること。
・最後の部分はとにかく動きを派手に。「小林先生はこういうのが大好きです!」 コレハマカセトケ
・指揮者の着るシャツの汗の模様が首からジワジワと広がり、ついには肩を越えるところまでベチャベチャになり、練習の熱さを物語っていました。
●1楽章
・指揮者シャツ交換。たとえ練習でも着替えを持ち歩いているようです。指揮者は肉体労働。
・弦へ:「ここは掘り下げた音をください!」 これも頻出事項。うわついた軽い音ではなく、しっかり楽器の隅々まで鳴っている深い音を。
・弦へ:「やわらかく弾く部分は指板寄り(sul tasto)で」 とにかく、強弱緩急硬軟の違いをハッキリつける。
・弦の難所。臨時記号をまぶした10小節ほどのいやらしいウネウネフレーズについて。まずは f の pizz. で弾かせ、その強く押さえた左手の感覚を残したまま、右手(弓)は滑らかに弾く。
・「この曲で一番難しいのは場面の切り替えです」 突然の p→f、f→p など、なまってしまわぬよう、ハッキリクッキリと。
・練習が進むにつれて、みるみるうちにオケの音が変わっていくのが分ります。素晴らしい指揮者の力量。
●4楽章(合唱入り)
・指揮者二度目のシャツ交換。夕食をはさんで夜の部に突入。
・合唱団へ:まずは合図と共に一斉に立ち上がる練習。ウエーブの起こらぬように皆一斉に、というのはやってみるとなかなか難しいようです。
・合唱団へ:「客席の後ろに見える非常灯の中の人にも聴こえるような声で」 合唱に対してもやはり、客席へ音を飛ばす指導。時には玉を投げる動作を交えつつ。「玉を遠くに投げるためには、そのための予備動作が必要です
・合唱団へ:「皆さんは俳優です」 ステージ上で感情豊かに演じること。ドイツ語の『ヴ』やら『ッ』やら巻き舌やらの発音や表情のつけ方など、非常に細かい指示。
・オケへ:「楽譜を見ずに、空間を見てください」 楽譜にしがみつかずに、空中を飛んでいる音を感じること。
・オケへ:「合唱が聴こえる音量で。歌をかき消さないように」 指示の通りに弾いてみて、それまで自分の抱いていたイメージが如何に弾き過ぎだったかが、よくわかりました。
・ついには指揮者の声がかすれだす。
●3楽章
・残ったわずかな時間で3楽章をサラッと通してオシマイ。
・長時間にわたる密度の濃い練習でかなり疲れましたが、そう長くは感じない充実した時間でした。翌日は10時から練習開始。

♪本番 小林研一郎指揮『炎の第九演奏会2008in千歳』 2008.7.13(日)15時開演@千歳市民文化センター

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4 コメント

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すげー人達 (コントラバスの人)
2008-07-10 02:09:47
あれは凄かったねぇ…。
世の中にはスゴい人たちがいるんですね。音楽続けててヨカッタ!
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Unknown (mad)
2008-07-10 15:35:07
どうも、お初です。
某工大オケ2年生で1stVlnやってる者です。

代わりの指揮者の人でそんな指示が出るんですか…!
本番、楽しみにしてます。
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うわぁ・・・ (mako母)
2008-07-10 16:00:08
すごいですね
その練習見学したかったですぅ
返信する
Re: (ぴかりん)
2008-07-13 07:59:39
> コントラバスの人さん
そう言ってもらえると、誘った甲斐がありました。
本番がんばろう!

>madさん
お初です。丁寧な自己紹介ありがとうございます。
いろんな意味で勉強になる演奏会だと思います。
ドアマンの方もしっかりよろしく。

>mako母さん
これのために人を呼んで見てもらいたいような練習でした。
コバケン氏の練習見学については、希望者多数のため原則お断りしているそうです。ちょっともったいない感じ。
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