2009年の読書記録のまとめ。
2009年に読んだ本のタイトル数は55。2006年-100、2007年-89、2008年-75、ときて、ここ数年減少傾向が見られます。以前は冊数を稼ぐために、"薄い本"、"読みやすい本" を優先的に選ぶようなところがありましたが、最近はあまりこだわらなくなったという事情も影響していそうです。しかし、今後は最低でも週一冊の年間最低50冊のラインは保ちたいところ。
読んだ本のタイトルを眺めてみると、「ドカーン!!」と衝撃を受けるような、飛び抜けた本は見当たらず。全体的に新書が粒揃いで、良書が多かった印象があります。そんな、印象に残った本をいくつか以下に列挙。
<"ツボ" な本>
★柔らかい時計, 荒巻義雄, 徳間文庫 207-2, 1981年
2009年の小説部門、または強いて挙げれば2009年のベスト本。主に不条理な精神世界をテーマとした物語を6編収録した短編集で、中でも『白壁の文字は夕日に映える』が出色の出来。現在絶版。
★新書百冊, 坪内祐三, 新潮新書 010, 2003年
新書好きとしてはたまらない本。紹介されているのは知らない本ばかりで、お宝がザックザクの反面、自分の読書の浅さを思い知らされる。
★札幌の秘境, 青木由直, 北海道新聞社, 2009年
久々に買っ新刊本。本の内容としてはまだまだ改善の余地がありそうだが、「人が注目しない場所(秘境)に行って写真付きでレポートする」というその趣味に非常に親近感がわき、また見知らぬ場所が多数紹介されていて非常に参考になった。
<その他印象に残った本>
~日本の小説~
●殉死, 司馬遼太郎, 文春文庫 し-1-37, 1978年
軍神・乃木希典の生涯。
●卍(まんじ), 谷崎潤一郎, 岩波文庫 緑55-4, 1950年
"谷崎ワールド" 全開。
~海外の小説~
●フランケンシュタイン, メアリ・シェリー (訳)森下弓子, 創元推理文庫 532-1, 1984年
「世界で最初のSF」とも言われるSFの古典。今ではそのイメージが一人歩きしてしまった "怪物フランケンシュタイン" の原形がここにある。単なる奇譚にとどまらず、「人間とは何か?」というテーマをも内包した名作。
●マノン・レスコー, アベ・プレヴォ (訳)川盛好蔵, 岩波文庫 赤519-1, 1929年
恋愛小説の古典。約200年前にして、すでに恋愛物のネタは出尽くしているような。
●アンドロイドは電気羊の夢を見るか?, フィリップ・K・ディック (訳)浅倉久志, ハヤカワ文庫 SF テ-1-1(SF229), 1977年
SFの名作。映画も観てみたい。
~新書~
●美について, 今道友信, 講談社現代新書 324, 1973年
「美とは何か?」そんなとらえどころの無い問題について真正面から取り組んだ内容。その思考過程が興味深い。
●ウィトゲンシュタイン入門, 永井均, ちくま新書 020, 1995年
ウィトゲンシュタインの人となりではなく、あくまでもその "思考"(頭の中味?) の入門書。たとえその内容が理解できなくとも、その思考の生の肌ざわりを感じられる点だけで十分な収穫。
●サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ, 下條信輔, 中公新書 1324, 1996年
「こんな心理学の本を読みたかった」と、心理学の素人として感じる本。人間の無意識世界への架け橋。
●権威と権力 ―いうことをきかせる原理・きく原理―, なだいなだ, 岩波新書 C36(青版)888, 1974年
先生と学生の『権威と権力』をテーマとした対話。何という分野に属するのか分類に困ってしまう内容だが、日常で気にも留めなかった問題を掘り起こして見せてくれる本。
~その他~
●寺田寅彦随筆集 第一巻, (編)小宮豊隆, 岩波文庫 緑37-1, 1947年
"理系文筆家" のはしりの作品。全5巻で、残りの4巻も楽しみなシリーズ。
2009年に読んだ本のタイトル数は55。2006年-100、2007年-89、2008年-75、ときて、ここ数年減少傾向が見られます。以前は冊数を稼ぐために、"薄い本"、"読みやすい本" を優先的に選ぶようなところがありましたが、最近はあまりこだわらなくなったという事情も影響していそうです。しかし、今後は最低でも週一冊の年間最低50冊のラインは保ちたいところ。
読んだ本のタイトルを眺めてみると、「ドカーン!!」と衝撃を受けるような、飛び抜けた本は見当たらず。全体的に新書が粒揃いで、良書が多かった印象があります。そんな、印象に残った本をいくつか以下に列挙。
<"ツボ" な本>
★柔らかい時計, 荒巻義雄, 徳間文庫 207-2, 1981年
2009年の小説部門、または強いて挙げれば2009年のベスト本。主に不条理な精神世界をテーマとした物語を6編収録した短編集で、中でも『白壁の文字は夕日に映える』が出色の出来。現在絶版。
★新書百冊, 坪内祐三, 新潮新書 010, 2003年
新書好きとしてはたまらない本。紹介されているのは知らない本ばかりで、お宝がザックザクの反面、自分の読書の浅さを思い知らされる。
★札幌の秘境, 青木由直, 北海道新聞社, 2009年
久々に買っ新刊本。本の内容としてはまだまだ改善の余地がありそうだが、「人が注目しない場所(秘境)に行って写真付きでレポートする」というその趣味に非常に親近感がわき、また見知らぬ場所が多数紹介されていて非常に参考になった。
<その他印象に残った本>
~日本の小説~
●殉死, 司馬遼太郎, 文春文庫 し-1-37, 1978年
軍神・乃木希典の生涯。
●卍(まんじ), 谷崎潤一郎, 岩波文庫 緑55-4, 1950年
"谷崎ワールド" 全開。
~海外の小説~
●フランケンシュタイン, メアリ・シェリー (訳)森下弓子, 創元推理文庫 532-1, 1984年
「世界で最初のSF」とも言われるSFの古典。今ではそのイメージが一人歩きしてしまった "怪物フランケンシュタイン" の原形がここにある。単なる奇譚にとどまらず、「人間とは何か?」というテーマをも内包した名作。
●マノン・レスコー, アベ・プレヴォ (訳)川盛好蔵, 岩波文庫 赤519-1, 1929年
恋愛小説の古典。約200年前にして、すでに恋愛物のネタは出尽くしているような。
●アンドロイドは電気羊の夢を見るか?, フィリップ・K・ディック (訳)浅倉久志, ハヤカワ文庫 SF テ-1-1(SF229), 1977年
SFの名作。映画も観てみたい。
~新書~
●美について, 今道友信, 講談社現代新書 324, 1973年
「美とは何か?」そんなとらえどころの無い問題について真正面から取り組んだ内容。その思考過程が興味深い。
●ウィトゲンシュタイン入門, 永井均, ちくま新書 020, 1995年
ウィトゲンシュタインの人となりではなく、あくまでもその "思考"(頭の中味?) の入門書。たとえその内容が理解できなくとも、その思考の生の肌ざわりを感じられる点だけで十分な収穫。
●サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ, 下條信輔, 中公新書 1324, 1996年
「こんな心理学の本を読みたかった」と、心理学の素人として感じる本。人間の無意識世界への架け橋。
●権威と権力 ―いうことをきかせる原理・きく原理―, なだいなだ, 岩波新書 C36(青版)888, 1974年
先生と学生の『権威と権力』をテーマとした対話。何という分野に属するのか分類に困ってしまう内容だが、日常で気にも留めなかった問題を掘り起こして見せてくれる本。
~その他~
●寺田寅彦随筆集 第一巻, (編)小宮豊隆, 岩波文庫 緑37-1, 1947年
"理系文筆家" のはしりの作品。全5巻で、残りの4巻も楽しみなシリーズ。
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