ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】現代科学のキーワード

2009年04月14日 23時02分25秒 | 読書記録2009
現代科学のキーワード 知っておきたい256の新知識, 読売新聞東京本社科学部, 講談社ブルーバックス B-1438, 2004年
・最新科学技術の雑学集。複数のキーワードが細切れではなく、系統立って一つの章にまとめられているので読み易く、図表も豊富でちょっとしたレポートなんかにも使えそうな内容の濃さです。類似の内容の本をこれまで数冊読みましたが、その中にあって良い出来の本だと思います。
・執筆陣:三島勇、保坂直紀、増満浩志、吉田典之、三井誠。
・「最新の科学が正しく理解できる! ユビキタス、ゲノム創薬、温室効果……。著しく進歩する科学の世界には、新しい造語や難解な用語が溢れている。その中から、現代科学をする手がかりとなる256語をキーワードとして選び出し、新聞社の科学部記者たちが読み物形式で分かりやすく解き明かす。専門書のように難しくなく、辞書のように無味乾燥でなく、楽しく読み進めながら、自然に科学の知識が身につく。」表紙
・「雪が降り、それが積もって自らの重さで氷に姿を変えて大陸を厚く覆ったものを氷床というが、この氷床が地球上のどこかにある期間が氷河時代だ。現在は、南極大陸やグリーンランドに氷床があるので、氷河時代ということになる。現在の氷河時代は約3800万年前に始まったらしい。」p.17
・「太陽から来るエネルギーと地球から出て行くエネルギーの形が違うので、同じ大気を通過する場合でも、両者の事情は全く違う。赤外線は、可視光に比べて格段に二酸化炭素に吸収されやすい性質を持っている。だから、大気中に二酸化炭素が増えると、地面から放出される赤外線はこれまで以上にたくさん大気に吸収され、そのエネルギーが熱に変わる(図1-1-1)。したがって、気温も上がる。  このように、地面から放出されるエネルギーを二酸化炭素などの大気成分が途中で捕らえてしまい、その結果、地表に近い大気の温度が上がることを温室効果という。」p.20
・「気象庁が発表する震源は、この広がりを持つ震源域の中で最初に地上波を出した場所のこと。つまり、ずれ始めた場所だ。」p.25
・「地震の規模はごく小さいものから大きいものまで幅が非常に広いので、それを表すマグニチュードの数値は、見やすいように幅を圧縮して、2増えるとエネルギーは1000倍になるように決められている。」p.26
・「遺伝子レベルであれ、種のレベルであれ、生物の多様性が失われた時に、私たち人類の生活にどのような影響が出るのか、実はまだよく分かっていない。よく使われる説明に、飛行機のリベット論がある。つまり、「飛行機は、機体に打ち付けられているリベットが一本や二本抜けただけで墜落するわけではないが、抜ける数が増えるにしたがってもろくなり、ついに限度を超えて壊れる」という比喩だ。」p.60
・「単純に言えば、丈夫な設計図を持つ人は、多少の暴飲暴食に耐えられるが、そうでない人は、生活習慣に気を付けないと、糖尿病や高血圧、ガンになってしまう。病気になるのは、設計図の特徴と生活習慣との兼ね合いということだ。」p.68
・「1 はしで豆をつかむ  2 明日の予定を考える  3 童話を声に出して読む  これらの中で、どれが一番、頭を使うだろうか。東北大学・未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授らの研究では、答えは意外にも「童話の音読」だ。脳は、単純な読み書きや計算をする時に、最も活発に働くのだという。」p.83
・「乳腺の細胞がもとになっているので、豊かな胸で知られる歌手ドリー・パートンにちなみ、クローン羊は「ドリー」と名づけられた。」p.86
・「遺伝情報は「究極のプライバシー」などともいわれたりする。」p.92
・「クローン人間を作り出すには、それほど大がかりな施設がいるわけではなく、一般の産婦人科の施設があれば十分だ。」p.96
・「基本粒子の仲間には、クオークのグループのほかに電子のグループ、そしてニュートリノのグループがある。いずれの粒子も、これ以上は細分できない。」p.147
・「素粒子物理は、なぜ宇宙はこの形で存在し、人間がどうしていまこの時にいるのかという、近代科学の成立以前から繰り返されてきた問いに答えようとする営みだ。」p.151
・「プロとアマチュアの違いについて、ある研究者は「プロは、自分で解決可能な課題を見つけ、きちんと答えを出すのが仕事。一生かかっても解決できないような夢を追うのではアマチュアだ」と説明する。」p.153
・「米国は結局、ウラン型とプルトニウム型の原爆の開発に成功した。(中略)45年8月6日に広島にウラン型原爆を、三日後の9日には長崎にプルトニウム型原爆を投下した。」p.156
・「動燃(現核燃料サイクル開発機構)が国産技術だけで開発した新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)は、経済性が悪く、電力業界が実用炉として導入を拒否したため、「ふげん」で培った技術が実用炉として花開かないまま、開発が打ち切られ、「ふげん」は03年3月に運転を停止し、閉鎖された。」p.159
・「高速増殖炉が頓挫をきたし、プルサーマルも暗礁に乗り上げ、プルトニウム利用は停滞してしまっている。そうこうするうちにプルトニウムは再処理でどんどん増えていく。日本政府は早急な打開策をまとめないと、海外からの疑いの目はますます厳しくなってくるだろう。」p.168
・「水は、374度、220気圧を超えると、液体でも気体でもない超臨界水となる。この超臨界水は非常に強い分解能力を持つため、PCBやダイオキシンといった有害物質の分解などに期待が集まっている。」p.188
・「生物の反応条件は常圧、常温で、原材料は私たちが食べる食物。技術的に考えると、特殊な環境、装置は一つもなく、しかも高効率で行われるという非常に優れたシステムだ。ナノテクノロジーの大きなお手本であり、目標となっている。」p.199
・「2001年3月にまとまった「科学技術基本計画」では、ナノテクは生命科学、情報通信、環境と並ぶ四本柱に位置づけられた。」p.200
・「電波のアナログ、デジタルとは、電波に乗せるデータが、音声などのアナログデータか、1か0か(二進法)のデジタル情報か、という違いにつきる(図9-1-1)。」p.217
・「CDMA(=Code Division Multiple Access)は、すべての端末が一斉に電波を出す "ごちゃまぜ" 方式だ。電波は混信してしまうが、端末ごとに与えられた目印を信号に織り込むことで、処理回路内で同じ端末からの信号が自動的に区別され、分けられるようになる(図9-1-2)。」p.224
・「トロンは多くのメーカーに採用され、携帯電話やビデオカメラ、カーナビ、自動車のエンジン制御など機器組み込み用のOSとして世界シェアの約六割をトロンが占めている。国内の携帯電話に限れば、八割がトロンを採用する。」p.228
・「近年、子供の好奇心の低下が問題になってきた。いわゆる理科離れ現象だ。文字通り、理科嫌いの子供が増えているわけだが、最近、理解以外の教科はさらに嫌われているというデータも出てきた。つまり、「勉強嫌い」の増加(図10-1-1)で、知的好奇心離れという新たな言葉も、専門家の間で広がり始めている。」p.233
・「新技術などにつながる可能性を秘めた独創的な "タネ" を、大学の基礎研究で生み出してもらい、それを企業の手で応用まで育てる――そんな大学と企業の連携が期待されている。」p.243

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【社】樽前山神社(苫小牧) | トップ | ▲閉店【食】明日葉 [居酒屋@... »

コメントを投稿

読書記録2009」カテゴリの最新記事