西の魔女が死んだ

新潮文庫ＷＥＢ読者アンケート第１位・・・
（どうも、この“第１位”という文字に弱いんだよな～ｐｉａ は）

『 西の魔女が死んだ 』　 著者 ： 梨木 香歩

人間の歪みが引き起こしているのではないか？と思われる、様々な社会問題。
そんな歪んだ社会の中にいて、真っ直ぐ立とうとするが故に 重圧を受けてしまった
中学生の女の子（まい）。立ち止まり、両親の勧めで、田舎に住むおばあちゃんの
元へ…。そこで触れる自然と、自然にごく近い姿をしたおばあちゃんによって、徐々
に、生命力を回復してゆくという…。

このおばあちゃんこそが、“西の魔女” なのです。
西の魔女が施した妙薬は…難しい理論があるわけでなく、人が永い間に自然から
教わり、受け継いできた知恵、生活の基本を見せる、普段そのままを見せるだけ。

自然の中での規則正しい生活で、精神力を鍛え、素質を伸ばし、自分で考え自分
で決める（本来の人らしい人になる）という “魔女修行” なるものが始まった。
西の魔女は、厳しさと優しさをもって、まいを見守る姿勢をとり続けます。

西の魔女の、一見古風な生き方は、実は古くもあり、同時に最も新しい生き方！？
現代社会に生きているまいが、自分の力で立ち直り、自分の足で歩き始めるのに
有効であったから。生きるために本当に価値のあるものは何か？を知ったから。

魔女の元を去って二年後…大好きな “西の魔女” が死んだ。
「おばあちゃんが死んだら、まいに知らせてあげますよ」 そう約束していた。
確かな魂の存在を感じる、ガラス窓に残されたおばあちゃんからの伝言…

　　　ニシノマジョ　カラ　ヒガシノマジョ　へ
　　　オバアチャン　ノ　タマシイ、ダッシュツ、ダイセイコウ