映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「男たちの大和」

2007年09月20日 | 映画~あ~
2006年1月に鑑賞。
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おとんとだんなと三人で『男たちの大和』を見に行ってきました。日本語初級レベルの旦那(欧米人)に細かいことがわかったかどうかは定かではありませんが、戦争を扱った映画だからね。映像だけでも結構理解できる部分はあったんじゃないかな。

映画は、なんかすごかったわ。以前『プライベート・ライアン』が公開されたとき、臨場感あふれる戦闘シーンが話題になっていたけど、個人的感想としては『男たちの・・・』のほうがもっと凄かった。日本人を見ているから、というのもあると思うけど、血なまぐさくって容赦なくて。こんなに映画を見て泣いたのって久しぶりやったわ。実はもっと白けるかと思っていたのに。

また、映画館が満員だったわ。大画面に前から3列目の端の席でみたもん。初めは画面との距離感になれなくてちょっと大変だったけどね。愛知県の片田舎のシネコンが満員ですよ、あなた!シネコンで満員、ってこれまた初めてです。しかも朝10時30分の回が。

お客さんの年齢層も比較的高かったな。

軍国主義が、とか、軍艦マーチが流れるような映画じゃなくて、兵士たちの素直な心の葛藤がそのままに映像になっていて、すごくよかったです。

俳優陣の演技もよかったです。中村獅童(漢字あってる?)の演じた、かなりくせのある軍人。確かに癖がありすぎて「こんなやついるか?」と突っ込みたくもなる気持ち半分、昔の一匹狼な男くさい男はこうだったのでは?と納得したい気持ち半分。この演技は、私としてはよかったと思います。
また、意外なところで長島一茂がいい演技してました。テレビドラマで見たことのある一茂は「大根」でしかなかったのだけど、野球で鍛えた体、広い肩幅は、兵の指揮官としての存在感に一役かっていました。


日本は敗戦国で、私たちは「戦争はいけない」と頭ごなしに教えられてきました。もちろん戦争がなくなるのならそれが一番いい。太平洋戦争後、確かに日本は直接戦争を行ってはいない。また一方で、「戦争」=過去の遺物という見方が私たちに少なからずあることも事実で、日本が戦争映画やドラマを作るときはその悲惨さを前面に打ち出す。この映画が公開されたとき、ミクシーの誰かの日記に「お涙頂戴の8月15日もの」という記述をみた。「8月15日もの」という表現の仕方に胸糞悪くなったけれど、「お涙頂戴」作品が多いことは否めない。
確かに映画やドラマになるには、それだけドラマチックでより多くの人の感動を呼ばなくてはならないからこそ、そういう物語がクローズアップされる。でもそれは本当にドラマチックに「仕立てたもの」なのかといったら、そういうわけではない。もしかしたら、その当時にはありふれた体験談だったのが、現在の私たちには非現実的な悲劇(自分には全く被害が及ばない)として写っているのかもしれない。

映画をどう語ろうがどう感じようが、それはその人の自由かもしれない。でも、「8月15日物」という表現は絶対に許してはいけないと思った。




その後、2007年になってテレビで放送していたのだけど、これは映画館向きの作品だと感じました。ま、今更映画館で見ることなんてできませんが、観る時はできるだけ集中して観てほしいです。


お薦め度:★★★☆


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