映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「アメリカン・ギャングスター~American Gangster~」

2008年04月21日 | 映画~あ~
2007年 アメリカ映画

60年代後半のアメリカ、ニューヨーク。長年仕えていたボスの死後、独自の麻薬ルートを開拓し、その力を確固たるものとしていったフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)。麻薬捜査チームのリーダーに抜擢されたリッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は、ニューヨークにはびこる麻薬汚染を捜査から、フランクの存在にたどり着く。

監督は『グラディエーター』のリドリー・スコット。今回もラッセル・クロウを採用。ラッセル、好きなんでしょうね。

2大俳優の競演なのですが、なんとなく地味な印象の映画です。実話を元に作られているので、これは仕方がないのかも。『Ray』でもそうだけど、実話を基にしていると歌っているからには、盛り上げるために山場を作ることもできないだろうしね。

主役であるギャングのフランクさんなんですが、私が見る前に想像していた「ギャング像」と全く異なります。対極です。ギャングというか、仕事のできるビジネスマンです。売り物は麻薬。そこは全うなギャング道なんですが、堅実でよく働く。「自分が、自分が!」と前にしゃしゃりでない。ちょっと違うんです。だから伝説なんでしょうけど。その堅実さは、デンゼル様しっかりと表現されていらっしゃいます。目立とうとするタイプではないけど、ギャングの長のお約束のお召し物、毛皮のコートと帽子のセットも難なく着こなしてしまうあたり、さすがデンゼル様な訳です。

一方ラッセルさんはといいますと、離婚訴訟を戦いながら、自分の弁護士である女もきっちり自分のものに。麻薬捜査にも手を抜きません。ある時はスチュワーデスをも自分のものに。ワイルドな風貌。女大好き。ラッセルさん、そのままですね。でも60年代のちょっと長めのバングス…失礼、前髪。ラッセルさん、似合わないですね。ブルドッグ顔には短髪が一番なんでしょうね。

デンゼル様が見初めた相手は、ミス・プエルトリコ。この方、まぁ美人なんでしょうけど…華がない。残念だわ~。途中、「ギャングの女」っぷりをあげてくるかと思いきや、なんとなく中途半端なままプエルトリコに帰ってしまわれました。実話とはいえ映画なので、もっと癖のある、それでいて美しい女性がよかったなぁと思います。

出演者は俳優2人以外もかなり豪華ですが、その豪華さがなんとなく生かしきれていないような気がします。ジョシュ・ブローリンは存在感はあったけど、胡散臭さが感じられた(あ、演技かも)し。この人の初映画って『グーニーズ』なんですって!見たことないけど、実は今日テレビで放送されてたわ。またも見逃しちゃったけど。ほかにキューバ・グッティングJr、キウェテル・イジョフォー(デンゼル様の弟役)などそれぞれが個性のある俳優さんたちだから、もう少しそれらが映画に出ているとキャラが立ってよかったなぁ、と思います。キウェテルさんって今回初めて名前を知ったのだけど、『ラブ・アクチュアリー』の人だったのね。覚えとこ。

よくできた映画なんだけど、事前に期待しすぎたのか入り込むほど夢中になれる作品ではありませんでした。でももう一度ちゃんと日本語字幕入りで見直してみようかと思います。



おすすめ度:☆☆☆