お母さんが生前からいろいろなものを残してくれていた。
何げない日用品をこまめにくれていた。トイレの掃除洗剤、洗濯用の洗剤、食器洗いの洗剤などだ。随分長い間それらの日用品を買わないで過ごしてきた。今、振り返ると本当にお母さんに支えられていたんだなと痛感する。
数カ月前、とうとうアルミホイルとラップがなくなったので自分で買うようになった。まだ、お母さんの置き土産の食器用洗剤や洗濯用洗剤、お風呂のカビ取り剤などが残っている。それらがあるだけで、お母さんの存在が感じられて嬉しい。
いつもくれるので、もらうことが当たり前になって、自分が随分と助けられていることを全く意識していなかった。本当に馬鹿だった。わたしがお母さんの家に行く時、手土産を持っていこうと思っても、先回りして、「何も持ってこんでええよ」といつも言っていた。お母さんに頼まれたのは、古新聞がちょっとだけほしいといったことくらいだった。
お母さんがくれたものがなくなっていくのはさみしいが、消費期限もあるだろうし、使っていく。