昨日の時点で連絡の取れない人の数は99人とか聞いたけど、150人あまりに登っているらしい。
とんでもない大災害だ。
この事故が引き起こす社会的不安もかなりのものだと思う。似たような環境で立てられたマンションやビルは無数にあるからね。
米国人はビーチサイドというのが本当に好きで、マンションはともかく、一戸建ての家を海際に建てることが多い。それも日本のように護岸処理がされていない、本当のビーチだ。つまり砂浜。
津波を気にしなくてもいいということ大きな理由だろう。ただ、当然、波の侵食はあるので長い年月を経て家が立っている土地がなくなってしまう、という日本人からみるととんでもないことも起きる。
東海岸のノースカロライナやサウスカロライナ州の海際のリゾート地でよくあることだ。
とはいえ、これは徐々に侵食されるので、逃げる暇、対策を講じる暇はあるわけで、「大災害」というようなことにはならない。「お気の毒にね」という程度のことだ。
しかしコンクリートでできたマンション群となると話しは別。海際の建物は岸辺から結構離れていても海風にさらされるので、長い期間を経て被る塩害は深刻だと思う。今回のような高層ビル(日本の感覚だとあまり高層ではないが)が立ち始めてからまだ50年もたってないだろうから、まさに今回の事故を嚆矢として、これから順次発生する可能性は高い。
アメリカではこれまでも橋などのインフラが経年劣化や設計、保守不良で崩壊することがあったが(ミネソタ州の事故)、これからは住居についても心配しなければ。結構大変なことだ。
その点、日本は多くの地震を経て、耐震設計の基準が過度にというほと強化されているので、ここまでの心配はしなくていい。日本が結局一番安全だ、という私の主張が裏付けされたと思う。
アメリカの建造物で私が以前から心配していたもう一つがバルコニーだ。
バルコニー崩壊の事故は結構あって、私も以前このブログで取り上げたことがある。
アメリカのバルコニーの設置方法は結構いい加減で、外から見てもはらはらすることがある。普段は住民一人か二人が時々そこに出るだけで問題が健在化することはない。しかし、アメリカ人というのは実にホームパーティというのが好きで、その時はこんなに、というような数の人が集まり、かつ酒を飲んで酩酊状態なので、危機管理能力も麻痺している。そんな状態で皆がバルコニーに出て飲んだり踊ったりすると、あっけなく崩壊する。大学の寮などでこの種の事故があり、これが起きるとほぼ間違いなく死者が出る。
日本ではそもそもこのようなホームパーティは滅多にしないので、この種の事故を聞くことはほぼない。加えて建築基準もあってかなり厳しい設計条件で設置されるので、滅多なことでは崩壊しない。この点でも日本は基本的に安全だ。
ただ、先日、東京かどこかのアパートで木製の階段が崩壊して女性が亡くなる事故があった。あれは施工業者の信じられないほどのずさんな工事が原因だった。やはり建築はちゃんとした業者に頼む必要はあるね。
私の自宅は建ってもう20年近くなる。三井ホームや住友林業など大手ハウスメーカーのショールームをいろいろ回って検討したが、最終的には県内の公共工事を多く手掛けている地元の建築会社に頼んだ。ツーバイフォーなので、地震もほぼ心配ないだろう。なんといってもマンションではなく一戸建てなので、安心。
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今朝聞いたニュースで先日行われた国勢調査の結果が報じられていた。予想とおり日本の人口へ減っている。しかし驚いたのは、東京への人口流入が続いていて、地方はますます人口が減っていることだ。
私は20年前に東京というか首都圏から地元に戻ってきたが、東京にいないことの安心感を毎日といっていいほど感じている。加えて政令指定都市に電車で40分程で着ける人口が10万人を超えた地方都市だと、ネット社会が整っていることもあり、利便性や快適さもほとんど犠牲にしなくて済む。
買物などはどこでも広い駐車場があり店内も広いので東京の狭いスーパーでの買物に比べると圧倒的に快適だ。品揃えや生鮮食品の質もむしろ東京の住宅街の貧相なスーパーに比べると引けを取らないどころか優れている。
私は東京はいずれ地震か何かの災害に見舞われると(残念ながら)思っているので、この拠点移動は正解だったと思う。しかし、多くの日本人にとって東京は魅力的なのだろうね。私だって40過ぎまでは東京の生活を満喫したので、考えてみれば同じかも。
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今、昼飯を終えた。蕎麦だ。ビールも一缶いただいた。土曜だし、周りに誰もいないからいいだろう。
デスクに戻り、アメリカのバルコニー事故をもう少し掘ってみた。
2003年にシカゴで米国史上最悪のバルコニー崩壊事故があった。この時は13人が亡くなり、57人が重傷を負った。
これも若者が集まってパーティを行った事案だ。若いから物事がよく分からない。しかし若い人達ほど、こういうパーティに集まる。親もそこまで目配りができないからたちが悪い。
最近の事故例としてこんなのがあった。ニュージャージー州の事故だ。
Cameras Capture Huge Deck Collapse in Wildwood That Injured 20 People
映像では当の建物、そしてその隣の建物が移っている。こういう構造の家はアメリカには本当に多い。つまりどこでもいつでも、条件が運悪く揃うと起きるということだ。
日本ではこの種の事故がほぼない、ということを考えていて、一つ思いついたことがある。
アメリカは当然、家の中は土足だ。そしてベランダは窓を開放すると、家の中の部屋とほぼ段差なくつながっている。家の中でわいわいやっていて、あまりベランダだと意識することなく、そのままベランダに移動することは当然ある。
日本はどうだろう。たとえベランダがあったとしても、家の中で歓談していた人達がそのまま「ベランダに出ること」を意識して並行移動することはない。というのも、当然部屋から出る時にスリッパに履き替えるか何か履物対策をする必要があるからだ。結果的に一人、二人がベランダに出ることがあっても、大勢がどっとベランダに繰り出すことなどほとんどないだろう。
つまり「土足文化」がベランダ崩壊事故の一つの原因だ、ということだ。
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