京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「三つ子の魂の時間」

2016-07-26 09:36:11 | 時計修理

7月26日火曜日。
山鉾巡行の後、還幸祭が終わったとたんの雨。なんともご都合主義な京のお天気です。
28日の神輿洗いには晴れてくれるでしょう。

この行事には知人の京友禅関係者が参加している。宮崎友禅が八坂神社と関係が深いことから毎年友禅染の皆さんが参加してるそうだ。
八坂神社というと祇園の「朝がゆ」しか思いつかない私。明日は定休日なので今夜は祇園へ繰り出そうかと思っています。

これからお盆にかけて写真のような夏向きの時計がずらりとやってきます。
コルム・アドミラルズ、ハンティングワールド、カシオ・BABY-Gとそれぞれアウトドアシーンによく似合う時計達です。

「三つ子の魂百まで!」の諺がある。
山鉾町など京都で出会う人達は生まれた時から地元育ちの人がほとんどです。
私は10歳まで長崎・高島炭鉱育ちなので育った文化の違いを感じる。
京都で生活していると昔からの知恵の塊にびっくりすることが多い。

ちなみに地方の赴任先から茶懐石に呼ばれる場合に衣装を運ぶのは面倒だ。そこで室町に貸衣装屋さんがあって宿泊先の旅館で着付けをして出席できるシステムが大昔からある。

また、法事など自宅に親戚一同が集まる場合には食器から料理まですべて仕出し屋さんが仕切ってくれる。
家財道具一式何もなくても布団までレンタルで済ませる生活できるのだ。
質素で豊かな本当の文化的な生活だと思う。
地元の人たちは私がいちいち感激しているのが理解できないようだ。

炭鉱町では12時間労働の2交代から8時間労働3交代制に変わったのが画期的な出来事でした。町が活性化した。
商店街も常時24時間稼働していた賑やかな町でした。静かになるのは盆正月くらいだ。
大人になって大阪の西成、十三界隈の一般の人が避けるような場所を歩いてみてもその深夜まで続く雑踏が奇妙に故郷のような懐かしさを感じます。

それが京都では8時を過ぎるとそれぞれの京町家から音は出せなくなる。
つまり仕事や用事は8時までにはすべて終えていなくてはいけません。夜の10時過ぎに洗濯機を使うような家庭はよそさんなのだ。
チェロの練習も8時までには終わらないと顰蹙ものだ。

 炭鉱町で育ってよかったことは危険予知能力は高くなることです。向かっていくのではダメ!異常を感じると直ちに逃げることだ。

京都で驚くのは危機に無関心、財布、カバンからお金を取り出す動作が緩慢。素早くしまえるように事前に準備しまた分散しておくような人は少ない。ふつう多額な現金は持ち歩かない。
京都店と心斎橋店の違いはそれだ。
市バスから降りる直前で財布を探し始めるようなのんびりした人がいる。
あとをつけられてひったくられるぞ!と注意したくなりますね~。

仕事中に時計を触ってもその三つ子の予知能力が役に立つ。
「これは怖い!」何となく危険を感じる瞬間がある。「これ‼預からんほうがよろしいね~。」と持ち込んだ業者さんに伝える。
後日不気味な報告が来る。依頼人へ返却するため何度連絡しても不在だという。記入された住所に行くと更地になっていたそうだ。

明日は水曜日!午前中、御所を散歩して早めに工房入りする予定です。何となく時計修理のお客さんがいっぱい来る予感がするのじゃ~!こんな都合のいい予知能力は簡単に外れる。

水曜日は臨時営業なので6時には閉まります。お早めにお越しください。






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