10月6日は、平成天皇の少年時代の家庭教師、ヴァイニング夫人が生まれた日(1902年)だが、建築家のル・コルビュジエの誕生日でもある。
ル・コルビュジエは1887年、スイスのラ・ショー=ド=フォンで生まれた。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ。父親は時計の文字盤職人で、母親はピアノ教師だった。
シャルルは、家業の時計作りを継ぐために地元の装飾美術学校に入ったが、そこの校長に才能を見いだされ、すすめられて建築の仕事を手伝うようになった。
21歳のころ、フランス・パリに行き、建築事務所に勤め、その後、美術学校で教鞭をとったり、新建築の設計にたずさわったりした。
27歳のとき「ドミノシステム」を発表。これは、鉄筋コンクリートによる住宅建設方法で、水平スラブと周囲でそれを支える最小限の柱、各階へのアクセスを可能とする昇降装置を構成要素とするものだった。
33歳のとき、詩人や画家といっしょに雑誌創刊し、そのころから「ル・コルビュジエ」というペンネームを使いだした。
ル・コルビュジエは「住宅は住むための機械である」という思想を推し進め、1925年、38歳のときに開かれたパリ万博では、装飾性を排除した「レスプリ・ヌーヴォー館」を発表し、建築界に衝撃を与えた。
43歳のとき、「低層過密な都市よりも、超高層ビルを建て、周囲に緑地を作ったほうが合理的である」とする考えを打ち出し、この思想は以後、世界の都市計画の考え方に大きな影響を与えることになった。
パリ郊外ポワシーにある「サヴォア邸」、「マルセイユのユニテ・ダビタシオン」「ロンシャンの礼拝堂」などを造った後、1965年8月、南仏カプ・マルタンで海水浴中に心臓発作のため没した。77歳だった。
ル・コルビュジエが提唱した理論に「近代建築の五原則」というものがあって、それはこういう内容である。
・ピロティ(一階部分に柱を残して外部空間とする構造)
・屋上庭園
・自由な平面
・水平連続窓(横長の窓)
・自由な立面
これを実現した典型的な例が仏の「サヴォア邸」や東京の国立西洋美術館であり、これらを含む各国に散らばる17建築のル・コルビュジエ作品が、2016年、世界遺産として一括登録された。
ル・コルビュジエの近代建築の定義からいうと、ほとんどの日本の一般家屋は建築以前の代物で、ただの掘っ建て小屋である。やはり現代人らしい文化的な家に住むためには、広い空間と、豊かな資金が必要なようだ。
こたつを置いた四畳半の、ごろりと寝ころがれば、ステレオにも冷蔵庫にも勉強机にも手が届いた、こぢんまりとした便利な下宿時代の部屋がいまだに懐かしく、ル・コルビュジエの建てるようなだだっ広い家は落ち着かない。人が家を選ぶようだが、じつは家の側でも住むのにふさわしい人を要求するのだろう。
(2024年10月6日)
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ル・コルビュジエは1887年、スイスのラ・ショー=ド=フォンで生まれた。本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ。父親は時計の文字盤職人で、母親はピアノ教師だった。
シャルルは、家業の時計作りを継ぐために地元の装飾美術学校に入ったが、そこの校長に才能を見いだされ、すすめられて建築の仕事を手伝うようになった。
21歳のころ、フランス・パリに行き、建築事務所に勤め、その後、美術学校で教鞭をとったり、新建築の設計にたずさわったりした。
27歳のとき「ドミノシステム」を発表。これは、鉄筋コンクリートによる住宅建設方法で、水平スラブと周囲でそれを支える最小限の柱、各階へのアクセスを可能とする昇降装置を構成要素とするものだった。
33歳のとき、詩人や画家といっしょに雑誌創刊し、そのころから「ル・コルビュジエ」というペンネームを使いだした。
ル・コルビュジエは「住宅は住むための機械である」という思想を推し進め、1925年、38歳のときに開かれたパリ万博では、装飾性を排除した「レスプリ・ヌーヴォー館」を発表し、建築界に衝撃を与えた。
43歳のとき、「低層過密な都市よりも、超高層ビルを建て、周囲に緑地を作ったほうが合理的である」とする考えを打ち出し、この思想は以後、世界の都市計画の考え方に大きな影響を与えることになった。
パリ郊外ポワシーにある「サヴォア邸」、「マルセイユのユニテ・ダビタシオン」「ロンシャンの礼拝堂」などを造った後、1965年8月、南仏カプ・マルタンで海水浴中に心臓発作のため没した。77歳だった。
ル・コルビュジエが提唱した理論に「近代建築の五原則」というものがあって、それはこういう内容である。
・ピロティ(一階部分に柱を残して外部空間とする構造)
・屋上庭園
・自由な平面
・水平連続窓(横長の窓)
・自由な立面
これを実現した典型的な例が仏の「サヴォア邸」や東京の国立西洋美術館であり、これらを含む各国に散らばる17建築のル・コルビュジエ作品が、2016年、世界遺産として一括登録された。
ル・コルビュジエの近代建築の定義からいうと、ほとんどの日本の一般家屋は建築以前の代物で、ただの掘っ建て小屋である。やはり現代人らしい文化的な家に住むためには、広い空間と、豊かな資金が必要なようだ。
こたつを置いた四畳半の、ごろりと寝ころがれば、ステレオにも冷蔵庫にも勉強机にも手が届いた、こぢんまりとした便利な下宿時代の部屋がいまだに懐かしく、ル・コルビュジエの建てるようなだだっ広い家は落ち着かない。人が家を選ぶようだが、じつは家の側でも住むのにふさわしい人を要求するのだろう。
(2024年10月6日)
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