NHK連続テレビ小説「おしん」テーマ曲長編(約10分)
まさに名優。これを田中裕子に言わずして誰に言うか。
そう実感するのが,酒田での「自立編」。
正直,酒田に戻って飯屋をやるなんてストーリーはすっかり忘れていた。忘れていたので新鮮で斬新だ。
何が気持ち良いかといえば,やはりおしんの輝く笑顔。「商いは飽きない」というが,まさにその姿が具現化されている。
開店当初,誰もお客は来なかったが,余った米を握り飯にして港の船員に配ってしまう。
さらには,超絶の達筆で貼り紙広告。
それで当然お客が来る。
そしてひと悶着あっても,もはや度胸の据わったレベルではないのがおしんの素晴らしさ。
『マー姉ちゃん』での活躍も記憶に蘇ってくるが,本当に「ああ,これぞ日本女性の鏡では」と思えるようなシーンばかり。
普通なら,ここまで見せられると嫌になるのに,田中裕子の表情がすべてを包む。包容感・母のような安心感・度胸の据わった親。
101作目の朝ドラ作品は陶芸がメインテーマで,それはよい。否定もしないし,むしろいい感じだ。
しかしながら。
おしんには勝てない。歴代視聴率No.1は伊達じゃない。
後半戦が終わる来年春,僕には新しい春が来るのだろうか