──1969年5月10日。
ベトナム・アシャウ渓谷にあるドンアプピア丘、通称“937高地”攻略のため、アメリカ軍はアパッチスノー作戦を発動。
後に10日間に及ぶベトナム軍との死闘の幕開け。
アシャウ渓谷はベトナムとラオスの国境沿い、フエという街の東にある地点。
脚本のジェームズ・ガラバトソスさんは第1騎兵師団に所属したベトナム帰還兵。
実在の第101空挺師団の戦いを描いた話。
最初の40分ダラダラでちょっと飽きそうになりましたw ここら辺は帰還兵ならではのリアルな視点なんでしょうが。
いきなり戦闘じゃなしにまず訓練があり、訓練中も敵が待ってくれるわけがなく死人が出たり。
そしていざ戦いが始まっても勇壮でもなければ華々しいわけでもない。
まぁ、良くも悪くも報われない。起承転結もなければ波風もない。淡々と戦闘が始まり終わる。
この虚しさ。一般兵の虚しさですね。
とにかくこの戦闘、登り下りです。渓谷というか山岳地帯なんで。ひたすら斜面でベトナム兵との殺し合い。
その上に密林の悪天候。高所を制圧したと思ったら敵と勘違いされ味方ヘリに誤射されるわ、散々です。
そして最大の敵は母国という。手紙に「戦争賛成と思われたくないから、もう返事は出さない」と恋人に書かれた日にゃ……
この時、ベトナム戦争は末期に差し掛かり、アメリカ軍の撤退が決まっていました。
すでに戦いの意義を失い、現地のアメリカ兵は悪人呼ばわり。国のために戦っていたのに……
そもそもこの戦争の目的は何だったのか、この作戦の意味は?
一般兵は何も知らされない。それでも生き残るために戦うしかない。
そして、全てが終わった後のこの虚無感。
見る楽しさは全くないんだけど、全身を包み込みような徒労が戦場のリアルを物語る……
では、また。
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