腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

デビルメイクライ

2009年09月22日 18時57分00秒 | PS2ゲーム感想文
合わない……どうしても合わない……。


俺は基本も応用もミーハーで、どのメディアでも名の知られた作品を好む。
ゲーマンガニメ、いずれにおいても有名作品を選びがちで、無名作品にはあまり手を出さない。
つってもメジャー至上主義というわけではなく、またマイナーを選択肢から外しているわけでもない。
これだけ物が溢れかえってる現状、どうせ全ての作品に触れることなどできないのだから、
敢えて選ぶなら有名どこを優先した方が自分に向いてると判断してるだけだ。値崩れも多いし。
もちろん機会があれば超マイナーな作品と接することもあるし、知らない有名作品もまた幾らでもある。
要はテキトーなのである。傾向があるだけで、確固たる信念は別にない。
有名無名関係なく、面白ければそれでいい。これこそが信念だ。

だが傾向は傾向、有名作品の方に触れる機会が圧倒的に多いのは事実。
そしてそうなると、どうしても嗜好がそちら側に引っ張られるのかもしれない。
有名作品は当然ながら多くの人々に触れられるので、「万人向け」に作られていることが多い。
自然、俺も万人向けな作品、良い意味で(悪い意味でも?)八方美人な作品を好むようになった。

で。
カプコンである。超が付く有名ゲームメーカーである。
俺は上記の傾向もあり、カプコンゲームは多数プレーしている。もちろん、好きである。
「デビルメイクライ」である。カプコンが手がけるアクションゲームである。
日本じゃ平均50万本程度(多分)だが、それでも十分売れている人気シリーズだ。
また世界規模で見ると「バイオハザード」シリーズに次ぐほどの販売本数を誇る(多分)シリーズだ。

……どう考えても、俺に合わないわけがない。
古い事など問題ではない。古ゲーなどいつもプレーしている。
難しいことも問題ではない。俺はゲーム下手だが、高難度ゲームには慣れているつもりだ。
だが、合わなかった。絶望的に合わなかった。
終始プレーにイライラしっぱなしで、アクションの爽快感も糞もなかった。
寧ろ終盤に行くほどイライラは募り、久々にゲームでキレそうになったほどだ。

また、ゲーム内容が色々見えてきた2周目が楽しめたかと言うと、そうでもなかった。
1周目よりは当然腕も上がり、フラグも知ってるから進めるのは楽だが、面白くはなかった。
3周目など嫌だ。やりたくない。クリアしても開放感しかない。
終盤はアイテム使い捲りごり押し戦法で進めたので、普段なら安いプライドが傷付き、
せめて納得のできる形でクリアーできるまではプレーを続けると思う。
だがこの作品は無理だ。もうやりたくない。だって面白くないもん。
うーん、本当に意外だ。
まさかカプコンの、有名な、アクションゲームに、こんな感想を抱く事があろうとはなぁ……。



はぁ。
デビルメイクライ。主人公ダンテの二つ名ってやつだろう。
ダンテさんは裏の何でも屋(多分)をやっていて、その店の名も「デビルメイクライ」だ。
冒頭のムービーで、電話に出るダンテが「(こちら)デビルメイクラ~イ」と言うシーンがあるんだが、
それが何故かおかしくて、ここ数日個人的口癖として使わせてもらってる。デビメイクラ~イ
正直このゲームで一番面白かったのがあのシーンである。

2000年前、魔界が人間界に侵攻してきた。
もちろん人間側が勝てるはずはなかったんだが、正義に目覚めた(本当にこう表記される)魔界の剣士「スパーダ」が
魔界に反旗を翻し、激戦の末、魔界軍を退けることに成功する。
その後スパーダは人間界に止まり、人間の妻を迎え、子を設けた。
そう、ダンテはスパーダの息子、悪魔と人間のハーフなのである。
ダンテが何歳なのかは知らんが、スパーダの死後、母親と兄弟と3人で暮らしていた所、
復活した魔界からの刺客が母と兄弟を殺害。
その仇を取る為にほぼ悪魔専門の裏稼業を営んでいる……という設定である。

先に言ってしまえば、例によって物語はチンケであり、感動も感嘆も何もない。
ただ「悪魔と人間のハーフ」「ちょっと悪ぶった、でもワルじゃない男」という設定は好みだった。
一言で言えば、ダンテ、カッコ良いのである。アクションゲームの主人公としては理想的だ。
まぁ掴みはOKやったんやね。
んで、デビメイクラ~イにお色気美女「トリッシュ」が乱入同然に現れ、
ダンテさんを魔界復活の拠点となりそうな島に招待する。
戦いが幕を明ける。

わけの分からん島の城でわけの分からん仕掛けを解きながらボスを倒していくと、
やがて「魔帝ムンドゥス」という大ボスの存在が明らかになる。父スパーダが退けた奴だ。
……カプコンゲーで「魔帝」と言えば、俺にとっちゃ「超魔界村」のラスボスなんだけどな。まいいや。
言うまでもなくトリッシュは敵のスパイで、当然のように裏切ってくれる。
しかし当然のように寝返りでダンテを救い、予定調和のように死んでしまう。
だが男塾的に「やっぱし生きてた」な展開で、最後は2人の力を合わせてムンドゥスさんバーイ。
はぁ。
EDではトリッシュはちゃっかりダンテの相棒の地位をゲットし、新店舗「デビルネバークライ」を
2人で切り盛りしています、とさ。
めでたしめでたし。


……なんか、どうでもいいな。設定はともかく話にゃ全く魅力がない。
しかしそれ以上に気に入らないのが、このゲームが明らかにアメリカ様向けで作られていることだ。
俺は基本的に英語+字幕でゲームやるのが嫌いなんだ。
日本で作ったゲームなんだから、せめて日本版は吹き替えしろや。
チンケな話やトリッシュの安っぽいお色気美女っぷりも、アメリカ様を意識した故だろう。
ハリウッド的ってやつか? 知らんけど。
8年も前のゲームだが、当時からもうカプコンは海外市場に重きを置く方向を向いてたのかねぇ。
大した先見の明である。大正解だもんな……。


物語はどうでもいいとして、ゲーム本編。
そもそもこのゲームは最初「バイオハザード4」として作られていたらしい。
だが作風がバイオにそぐわないと判断され、途中からオリジナルタイトルに切り替えたとか。
考えてみれば、バイオは3から4までかなり間が空いたからなぁ。そういうこともあるだろう。

よって基本は「バイオ系」……と言っていいのかな?
画面切り替えやメニュー画面はバイオだが、操作がラジコンではない。
またバイオ(4以前)とは比べ物にならないほどアクションが多彩で、ジャンプも可能。
ここまで来るとバイオ系とは言い難い、純アクションゲームだと思う。
寧ろ洋館や城など、舞台の暗さの方がよく似てると言えるかもしれんな。


んでバイオを軽快なアクションにしたのはいいんだが、問題は画面切り替え。
これだけ動けるゲームなら視点もそれに合わせるべきなのに、バイオ準拠の固定切り替え式を採用。
おかげで視点が切り替わった際の状況判断及びレバー入力が非常にやり難い。
この前プレーした「ディノクライシス3」と同じ大問題である。
このゲームはディノ3ほど移動が速くないので、あれほど酷いわけではないが、それでも多大なストレスだ。
特に攻撃の激しいボス戦では、敵の強さより視点切り替えのウザさに苦労する。
どう考えても、不適合だと思う。
まぁこのゲームはPS2発売1年ちょい、まだまだ初期である。
カプコンとしても「バイオ系」からの脱却を色々模索していた時期なのかもしれんが……はぁ。


アクション。
剣と銃を同時に装備し、銃は撃ち放題。
ショットガンやグレネード弾まで撃ち放題なのは、バイオじゃ考えられない爽快感である。
剣(装備により拳)攻撃もコンボや溜め攻撃など多彩で、様々な組み合わせができる。
これらの攻撃を「スタイリッシュ」に決めることで、攻撃の評価が上がり、敵が落とす金の量が増える。
これが曰く「スタイリッシュアクション」たる所以である。
このダンテのアクションは良かったと思う。少なくとも、普通にアクションゲーだった。
けど、システムや敵側の設定、かなぁ……。

一体多数のアクションなんだから、「ロックオン」システムは必須。
このゲームでももちろんあるんだが、基本自動でされる上、現在どの敵をロックしているのかが
画面には表示されないので、プレーヤーの思惑とは見当違いな方向に攻撃する事が非常に多い。
「そのうち慣れるだろう」と思ってプレーを続けたが、最後まで違和感が残った。
画面が暗く、敵の位置を把握しにくいので尚更だった。
結果として投げやりな気分になり、いい加減にプレーしてしまった。
ゲームに馴染めないんだから、仕方ない。


そして敵の動きや性能。これが一番の不満かもしれない。
全体的に、敵が固すぎると思う。倒すのに時間がかかり過ぎる。雑魚も、ボスも。
この辺は言葉で説明するのが難しいが、「アクションを気持ち良く出来る範囲」を超えていたと感じる。
もちろん、難度とは関係ない次元で、の話である。
強いのは構わないが、もう少し柔らかくはできなかったのか。ダンテが弱く思えてしまう。

特に酷いのが、3対出てくる中ボスのラスト「ナイトメア」だ。
普段は無敵状態で、時折出現する「コア」を攻撃することで初めてダメージを与えられる、まぁありがちなボスだ。
しかしこのコアの出現条件が矢鱈と面倒臭い上に、コア自体も妙に固い。
「やっと得た攻撃のチャンス」に思い切り攻撃しても、大したダメージを与えられない。
何か、違うのである。ボスのコンセプトは理解できるが、調整がしっくり来ない。
こちらが攻撃できない状態、コアが引っ込んでる状態での敵の攻撃は厳しく、避けるのは大変だ。
敵の攻撃に耐え、やっと掴んだチャンスにも、大したダメージは与えられない。
固定視点に惑わされ、チャンスを逃すことも多かった。
単純に強く、倒すのが難しいボスだったが、攻略する気にはどうしてもなれなかった。
結局アイテムごり押しで進めた。二度と会いたくない。
ナイトメアに飲み込まれ、過去ボスと再戦させられるのも非常にウザかった。
はぁ。


全体的に難度は高く、ノーマルであってもかなり苦戦した。
このゲームはミッション制を採用していて、ミッションの区切りでなければ
セーブできないようになっているのだ。
よって、ボス戦だけのミッションならいいが、ボス戦に道中が含まれるものだと大変である。
ボス倒さない限り、そこまでの道中を何度も何度もやり直さなければならないのだ。面倒極まりない。
ちなみにコンティニューはアイテムで可能だが、有料なのでガンガンすることはできない。
HP回復アイテムはあるが、一つしか持てないので、ごり押しと言ってもそんなに強引にはやれない。
アクションゲームは「死にながら考える」俺には、この仕様は本当に合わなかった。
その上ボスどもがどいつも固くて面倒なんだからもう。やんなっちゃーよ。はぁ。


謎解き要素も一応ある。
つっても入手したアイテムを行く先々で使っていくだけだし、一本道なので迷うことはない。
謎解きと言うよりただのフラグ立てである。ハッキリ言って中途半端だ。
バイオのように、少しだけ頭を使わせる仕掛けにしてほしかった。
そしたらダンテに知的なイメージを持つ事もできたのに。
まぁ恐らくアクション性を優先したかったんだろうが、それなら今度はこんな半端な状態で残すのが不自然だ。
中途半端なのである。あるならもうちょい深くしろ。要らないなら排除しろ。はぁ。


グラフィックは、時代を考慮すれば美しいと思う。
PS2が本領を発揮し始めた頃の初々しさも感じられる。とか言ってみる。
「残虐なシーンが含まれています」と注意書きがあるが、別に大したことはない。
ただトリッシュの乳がさすがにポリ臭くて、ちょっと萎えちまった。
強調してるくせにそこの描写が荒いんだからな。

美しさより何より、とにかく画面が暗すぎて困った。
そりゃホラー系のゲームだから仕方ないかもしれんが、幾らなんでも暗すぎる。
バイオで言うと「ベロニカ」級の暗さだった。見えへんよ。


音楽は普通。まぁこの手のゲームに印象的な音楽は望まないが。
買ったのがサントラ付き廉価版なので、まぁテキトーに聴いて余韻に浸ろう。
これを中古480円(何の問題もない美品)で見付けた時は、御宝発見だと喜んだんだが……
肝心のゲームが面白くなけりゃ意味ないよ。はぁ。


そうそう、2周目についてだ。
面白くはなかったが、ゲームへの義理として、最低でも2周目のハードモードまではクリアしておくつもりだった。
しかしクリア後に選べるのは「ノーマルクリア状態引き継ぎのハード」だけだった。
どうやら引き継ぎ無し、裸の状態でハード(なんかエロいな)をやるには、もう1周やる必要があるらしい。
なんじゃそらぁ。なんで強制的にハンデ与えられなきゃいけないんだよ。そんなん選ばせろや。
ゲームが合わなけりゃ、製作者の配慮まで全く肌に合わない。
この仕様にもほとほと萎えたので、結局ノーマルをもう1周やって終えた。
まぁ裸ハードやってたら、途中で本体破壊してたかもしれんが……。



てぇわけで残念ながら今回は殆ど褒める要素がなかった。
しかも困った事に、実はプレー前に1~4(3はSP)全て、シリーズを揃えてしまっているのである。
もし2以降も同じ方向性のゲームだったら、これからも激しく合わないアクションのプレーを
強いられることになってしまう。うーむ。
まぁ無難に、以降は改良されているものと期待しておくか。つっても2の大不評はもう知っちゃってるが。
いや、評判の良い今作が壊滅的に合わなかったんだから、酷評の2は逆に俺にピッタリの神ゲーかも!?
……ンな都合のいい話、ないッスよね。うまくいかん。ま、今は考えないようにしよう。


結局俺は俺の感性でしか物事を判断できない。全ては主観だ。当たり前だ。
他人の評価や世間の評判なんて、その意味じゃ何の役にも立たない。
しかし、最終的な判断はそうにしても、「指針」「参考」は必要だ。必ず要る。
なんだかんだ言って、他人の評価を当てにしてるのだ。ファミ通クロレビは誰もが気にしているのだ。
ゲームを選ぶ感性も重要だが、「世間の評判」を読み取る眼力も同じくらい重要だな。
100%自分と合致するわけはないが、その%が高い評判を読み取るよう、テキトーに頑張ろう。
まぁ何を頑張るわけででもないが、それでも頑張ろう。
1人寂しくピコピコやってるオタでも、他人と関わらずには生きていけないのである。
なんつったりしてな。
やれやれ。







拍手を送る

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カオスレギオン | トップ | トライアングル・アゲイン »

コメントを投稿

PS2ゲーム感想文」カテゴリの最新記事