オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

髙宮神社

2019年02月16日 | 神社仏閣


 とある休日,滋賀県信楽町の信楽焼きの店で賑わう国道から,交通量の多さに辟易し,逃げるように滋賀県道334号へと向かった.滋賀県道334号は大変な狭路で,多羅尾という山奥へ向かう道だ.髙宮神社は途中で林道中垣外線を経由して,少し進んだ先にある.



 この辺りは本能寺の変の後,徳川家康が多羅尾一族および甲賀武士らに助けられながら,命からがら伊賀越えをしたと言われる御斎峠へと通ずる場所である.この日は今にも雪や雨が降り出しそうな空模様で,髙宮神社は昼間でも薄暗い雰囲気に包まれていた.



 長い参道は,高くそびえた木々で鬱蒼としており,両脇にはたくさんの献燈が並んでいる.そして,この日は風が強く,木が風によってしなっているようで,ギィーっといった音がどこからともなく聞こえてきた.この雰囲気は,少し気味が悪かった.



 参道の途中には二つ目の鳥居がある.そして,階段を上った先に拝殿と本殿が現われる.これまで天神神社六所神社のように,参道の長い神社を訪れたことはあったが,髙宮神社の参道は少し別格だ.やはり,山奥にあるという事と多くの献燈が畏怖の世界を連想させるようだ.



 階段を上った先は広場になっていて,すこしだけ明るくなっていた.拝殿と本殿は簡素な感じだが,石垣の上に立っており,獅子と狛犬もあって,とても立派な神社だった.



 境内にあった看板によると,1859年に建築された髙宮神社は,有形文化財に指定されており,由緒としては日本書記まで遡る古い歴史があるそうだ.



 髙宮神社で参拝を済ませた後は,家康と同じく御斎峠を越えて,伊賀へと向かうことにした.伊賀では雨に降られてしまった.2月もまだ半ば,春の兆しは一向に感じれられない寒空の下,早々に家路へと急ぐのだった.


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2020年12月19日


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