オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

島根半島 謎の灯台

2020年09月12日 | 探検
 島根町加賀の複雑に入り組んだリアス式海岸は,海岸洞窟や奇岩に富んでいる.この付近一帯は,加賀の潜戸(くけど)と呼ばれている.北側の海岸で象岩を見た後は,来た道を真っすぐには戻らず,分岐しているもう一つの狭路を進んでみることにした.  象岩へと向かう道も酷く狭かったけれど,このもう一つの分岐道は,さらに狭かった.道路の両脇から,踊り出るように草木が生い茂っていた.草木と接触するのは,オー . . . 本文を読む

島根半島 象岩

2020年09月06日 | 探検
 東西に広がる島根半島のちょうど中央部分は,島根町の野波や加賀(かか)という場所で,リアス式海岸が複雑に入り組んでいる.チェリーロードという桜並木の海岸線を西へ進んで行くと,加賀の海岸方面へと分岐していく道がある.  この加賀の海岸方面へ向かう道は,大変狭く,軽自動車が何とか通れるくらいの道幅になっている.離合箇所もほとんどなくて,道路の両脇,そして頭上には草木が生い茂っていた. . . . 本文を読む

大浦半島 ―砲台跡②―

2020年06月13日 | 探検
 ここは,今から100年以上前,舞鶴港の海軍施設の防衛を任務とした陸軍,舞鶴要塞砲兵大隊の軍事設備跡のひとつである.かつて,この場所以外にも数十か所の防衛拠点があり,総称して舞鶴要塞と呼ばれていたそうだ.  明治時代の建屋なので,レンガのほとんどが色あせてしまっているが,部分的に紅色のままのレンガも残っていた.この美しい紅色のレンガに触れてみると,とてもひんやりとしており,火照った体に妙 . . . 本文を読む

大浦半島 ―砲台跡①―

2020年06月11日 | 探検
 五月最後の週末,大浦半島の瀬崎海岸,田井漁港を訪れた後は,目的のとある場所へやってきた.現道にオートバイを停めてから,山に向かって歩くこと30分ほどで,辺りは鬱蒼と生い茂る緑の楽園へと変わった.  さらに,この緑のトンネルの下を進んで行くと,背丈よりも高い石塁の続く道へと出た.そして,石塁の先に現われたのは,コンクリートで入り口を封鎖された遺構のようなものだった.  まわりに人の . . . 本文を読む

夢絃峡 三話

2020年02月07日 | 探検
 木津川と名張川がちょうど合流する静寂な地―夢絃峡―の川沿いを進んで行くと,大きくて立派な日本家屋が現われる.悲運の運命を遂げた男女の伝説が残る地ということもあって,静寂の中に独特の雰囲気が漂っている気がした.  古風な日本家屋の傍までやってくると,かなり大きなお屋敷の様な建屋であることがわかった.そして,窓のほとんどが締め切られていた.それでも少し生活感があることが見てとれた.ここは鶴 . . . 本文を読む

夢絃峡 二話

2020年02月05日 | 探検
 大河原発電所から木津川沿いに走る県道を上流へと向かっていくと,木津川は荒々しい岩場を勢いよく流れる姿へと急に変わってしまうのだった.ここまでの悠々自適に流れる木津川のイメージとはまったくかけ離れていた.  河原には巨岩が点在しているのだが,中でも松やサツキが自生しているとりわけ大きな岩があった.この巨岩は白滝明神と言われているらしい.そして,この辺りは奈良時代より木材供給のための筏流し . . . 本文を読む

夢絃峡 一話

2020年02月03日 | 探検
 寒さは厳しくないが,天気はあいにくの曇天模様で路面もウェットだ.そんな日は,無理に遠出はぜすに近場を散策するに限る.やってきのは,京都の最南端に位置する笠置町だ.村道のような細い道を経由して,いつもよく走る国道163号線の対岸へと回ってみた.  木津川を間に挟んだ国道との対岸に位置するこの場所からは,異様な雰囲気を放った廃墟―笠置観光ホテル―を見ることができる.国道がトンネルになってい . . . 本文を読む

前鬼山 その三

2019年12月09日 | 探検
 前鬼林道起点へと辿り着き,ここからは,徒歩で前鬼集落を目指していくことになる.陽の当たらない寂しい感じのする道を黙々と歩いて行く.道は崖伝いとなっているが,その眼下には彩り豊かな木々が,陽に照らされて美しく輝いていた.歩いてしばらくすると,軽トラとその持ち主である自分の両親と同じくらいの年代のご夫婦が,車から降りて辺りを散策していた.  お父さんの方は,仙人のような立派な白いあごひげを . . . 本文を読む

前鬼山 その二

2019年12月07日 | 探検
 修験道の開祖―役行者(えんのぎょうじゃ)―の弟子である前鬼・後鬼夫婦の子孫らの宿坊を兼ねた集落を目指して,前鬼山の奥へと進んで行く.五つあった宿坊の内のひとつ―小仲坊―だけが,今も存続している.険しい道の途中には名瀑,不動七重の滝がある.  不動七重の滝を後にして,山奥へと進んでいくと,勾配はさらにきつくなり,ガードレールのない道が続くようになる.そして,この前鬼山へと続く道路は,太陽 . . . 本文を読む

前鬼山 その一

2019年12月06日 | 探検
 奈良県は下北山村にある前鬼山.ここは,かつて大峯奥駈道の修験道者たちの拠点であったという.池原ダムの少し北側,国道169号線の池原貯水池の上に架かる立派な前鬼橋の近くに,前鬼山へと続く道が分岐している.入り口では,座ってくれる人を何十年も待ち続けているであろう木製のベンチが出迎えてくれる.  路面は舗装こそされているが,幅員は狭小で廃屋も目立つ.登山客で賑わっていた時期があったのかもし . . . 本文を読む