オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

剣峠 二章

2019年12月31日 | くねくね道
 剣峠の北側の連続する九十九折れを走り切って,ようやく峠の切り通しへと辿り着いた.峠の切り通しを通過して,南側の南伊勢町側へと入る.この剣峠の切り通しは,冬でも常緑の木々たちがアーチを作っており,雰囲気が中々いい.  周知の通り,峠には剣の形を模した石碑がある.実際に自分の目を通して見ると,石碑は意外と大きくて立派なものだった.剣峠に来た記念として,お決まりのように石碑と一緒にオートバイ . . . 本文を読む

剣峠 一章

2019年12月30日 | くねくね道
 2018年に関西へ来てから,ただその名前だけに惹かれていた峠がある.三重県の伊勢神宮と南伊勢町の切原を南北に結ぶ伊勢南勢線の剣峠だ.剣や切原など血生臭いイメージを彷彿とさせる地名である.剣峠を目指して,伊勢神宮のある北側からオートバイを走らせた.  剣峠の北側は,最初から幅員の狭い道だ.そして,しばらくの間は傾斜のない平坦な道が続く.常緑樹林地帯であるため,師走でも辺りは緑のトンネルで . . . 本文を読む

冬の荒船海岸 その二

2019年12月28日 | 荒船崎
 年の瀬が迫った12月の荒船海岸には,曇天模様の下,鼠色の海が広がっていた.この日は,風が弱くて波も穏やかだった.冬の荒船海岸には,哀愁が漂っているような気がした.  海岸近くの岩礁には,ただ一人で釣りをしている漁師さんがいた.そういえば,荒船海岸の日の出を見た時もそうだった.この時は,漁船が釣りをしている漁師さんを迎えにちょうどやってきたところだ.今日の漁はこれでおしまいだろうか. . . . 本文を読む

冬の荒船海岸 その一

2019年12月24日 | 荒船崎
 早いもので2019年も残すところ,あと数日.年が明ける前に,10月以来ご無沙汰していた荒船海岸へ行くことにした.晴れの天気予報であったが,残念ながらこの日の紀伊半島は曇天模様だった.  それでも5℃を下回る山間部からやってくると,紀伊半島の海沿いは10℃以上もあるので,とても暖かく感じた.冬の曇り空の荒船海岸は,夏の時の透き通るような青さはなく,鼠色の海だった.  真夏でも荒涼と . . . 本文を読む

二木島湾

2019年12月22日 | 紀伊半島
 三重県は熊野市二木島町.二木島湾はリアス式海岸によって形成されており,その東端には11月に訪れた楯ヶ崎がある.楯ヶ崎までの山中海岸の途中には,神武天皇東征の際に海難で命を落とした神武天皇の兄―三毛入野命(みけいりののみこと)―が祀られているという阿子師(あこし)神社があった.  この阿子師神社の対岸となる二木島湾南西の海岸には,同じく海難で命を落とした神武天皇のもう一人の兄―稲飯命(い . . . 本文を読む

奥瀞の川霧

2019年12月20日 | キャンプ
 今年の紀伊半島の冬はまだそう寒くはなくて,12月でもキャンプができる.とはいえ,カイロと湯たんぽ代わりに熱湯を入れたステンレス製スキットルを抱え込みながら寝袋にくるまり,無事に北山川の朝を迎えるのだった.この日はいつになく辺り一面が,靄(もや)で真っ白に包まれていた.  これはひょっとすると川霧が期待できるかもしれない.そう思って,朝食をさっさと済ませてオートバイを走らせた.国道で北山 . . . 本文を読む

Ônigura part2

2019年12月15日 | 紀伊半島
 岸壁の高さがおよそ300メートルの大丹倉(おおにぐら)の頂上を目指して,赤倉線終点から林道を歩いていくと,上りの階段が現われた.この先に大丹倉の頂上が広がっているのかもしれない.  階段を上った先はまだ頂上ではなくて,少し開けた広場となっていた.広場には,苔むした自然石が御神体の髙倉剣大明神が祀られている.ご神体の下には,修験道の行者が納めていった剣があるという.そして,納屋の後ろにあ . . . 本文を読む

Ônigura part1

2019年12月14日 | 紀伊半島
 大丹倉(おおにぐら)という流紋岩でできた大絶壁が,三重県熊野市は育生町の山中に存在する.岸壁の高さはおよそ300メートルということだ.開放感あふれる空間に大丹倉が、どっしりとその存在感を主張している.ここではオートバイがまるで玩具のように小さく見えてしまう.  一体どの様にしてこのような巨岩がここに形成されたのだろうか.調べてみても詳しい情報は,なかなか出てこない.紀伊半島のミステリア . . . 本文を読む

評議峠越え,熊野灘へ

2019年12月11日 | 紀伊半島
 キャンプツーリングの快適な季節はあっという間に過ぎ去ってしまって,寒さ厳しい12月へと突入してしまった.今年は奮発して寝袋をグレードアップしており,寒さとは無縁だった.しかし,流石に12月となると寒さが堪えてくる.翌日は寒い山間部を避けて,暖かな海沿いを北上して帰路へと向かうことにした.  案の定,翌朝は暗い内から目が覚めて,テントが乾くまでは寒さとの戦いを強いられる始末だった.計画通 . . . 本文を読む

前鬼山 その三

2019年12月09日 | 探検
 前鬼林道起点へと辿り着き,ここからは,徒歩で前鬼集落を目指していくことになる.陽の当たらない寂しい感じのする道を黙々と歩いて行く.道は崖伝いとなっているが,その眼下には彩り豊かな木々が,陽に照らされて美しく輝いていた.歩いてしばらくすると,軽トラとその持ち主である自分の両親と同じくらいの年代のご夫婦が,車から降りて辺りを散策していた.  お父さんの方は,仙人のような立派な白いあごひげを . . . 本文を読む