僕の親友の高本君、通称高ちゃんに彼が35才の春、かわいい恋人が出来た。その年の6月に当時生活の基盤だった八王子から2人で奥多摩に行ってみたいと言われ僕は車が運転出来たのでよし行ってみようという事になった。秋川沿いに奥へ奥へと進んだが、確かに初夏の自然は気持ち良いものだった。進むにつれてこの渓谷では、鮎がつれるということが解った。
成程船宿らしきものがポツポツ見えて来た。高ちゃんは岡山県の出身で高梁川の近くで育ったのだそうだ。よし!鮎を釣ってみようという事になり何軒かある船宿の軒をたづね、鮎釣りのための入漁券を買った。
友釣りの鮎、釣り道具一式、初めての体験なのに何とか鮎釣りのかっこうだけは出来た。だが、2時間たとうが3時間たとうが、3人の友釣りの鮎は頑張ってくれているのだろうが、中々釣れそうにも無い。僕よりは気の短い高ちゃんは恋人の手前もあってとうとうあきらめてしまった。それでもしゃくだから友釣りの鮎は食べてしまおうとゆうことになった。河原の石で三方を囲んで細い木の枝をさがして鮎をさす。その辺は高ちゃんは手際よかった。火をおこしいよいよ焼く段階になって僕がちらっと今まさに焼かれようとしている友釣りの鮎をふと見ると気のせいか僕と視線が合ったその鮎がすまなさそうな表情になったような気がした。
当の高ちゃんは恋人との次のスケジュールがあったのかも知れない。友釣りの鮎を焼くことには何の感情も表さず焼きあがる頃には持ってきた缶ビールを勢い良く開けて焼けた鮎を頭から食べ始めた。私も食べようと手を伸ばしたが焼かれる前の鮎のすまなさそうな表情がなんとも気にかかった。後年会社の接待で再び秋川をおとづれたが、その時は茶屋料理で鮎を食したがあの時の鮎のすまなさそうな表情を思い出していた。
成程船宿らしきものがポツポツ見えて来た。高ちゃんは岡山県の出身で高梁川の近くで育ったのだそうだ。よし!鮎を釣ってみようという事になり何軒かある船宿の軒をたづね、鮎釣りのための入漁券を買った。
友釣りの鮎、釣り道具一式、初めての体験なのに何とか鮎釣りのかっこうだけは出来た。だが、2時間たとうが3時間たとうが、3人の友釣りの鮎は頑張ってくれているのだろうが、中々釣れそうにも無い。僕よりは気の短い高ちゃんは恋人の手前もあってとうとうあきらめてしまった。それでもしゃくだから友釣りの鮎は食べてしまおうとゆうことになった。河原の石で三方を囲んで細い木の枝をさがして鮎をさす。その辺は高ちゃんは手際よかった。火をおこしいよいよ焼く段階になって僕がちらっと今まさに焼かれようとしている友釣りの鮎をふと見ると気のせいか僕と視線が合ったその鮎がすまなさそうな表情になったような気がした。
当の高ちゃんは恋人との次のスケジュールがあったのかも知れない。友釣りの鮎を焼くことには何の感情も表さず焼きあがる頃には持ってきた缶ビールを勢い良く開けて焼けた鮎を頭から食べ始めた。私も食べようと手を伸ばしたが焼かれる前の鮎のすまなさそうな表情がなんとも気にかかった。後年会社の接待で再び秋川をおとづれたが、その時は茶屋料理で鮎を食したがあの時の鮎のすまなさそうな表情を思い出していた。