土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

食うための戦争を終わらせた国 日本 (後編)

2013-07-01 09:23:31 | 誇るべき日本の歴史

土佐のくじらです。

先の戦争で日本は負けました。しかし戦後日本とて、世界に多大なる貢献をいたしました。
世界から、侵略戦争を行う動機そのものを消し去ったのは、戦後の日本です。

なぜなら、戦後日本は経済的に繁栄いたしましたが、その国家の繁栄が、国土拡張を伴わない世界史上初めての繁栄だったからです。
これで人類は、「国土拡張せずとも繁栄できる。」というモデルを、始めて目にすることが出来たのです。

つまり、
「自国で産業を盛んにすることで、小さな国土でも、他国から搾取するより、はるかに豊かになれる方法がある。」ということを学んだのですね。

軍事行動にはリスクが伴います。
侵略するより少ないリスクで、大きな利益が上がる方法論があるならば、当然そちらの方になびくのは人間心というものです。

これがひいては、「国境を越えることは悪」という、世界共通の認識を定着させることになり、
「他国を侵略することは悪」という共通認識を持つに至りました。

アメリカとて、たまにジャイアンチックなことをいたしますが、自国の武力を直接的に、アメリカの利益にしようとはしなくなりました。
日本と戦い、朝鮮半島を経験することで、「国防概念の戦いというものが有りえる」ということを学んだはずです。
それが現在までの、「世界の警察国家」としてのアメリカの理念を支えてきたと思います。

そして今アメリカは、かつて日本が守ろうとした地域全てを、軍隊を派遣し守っています。
これは、戦前日本が使用としていたことを、戦後のアメリカがやっていただけなのです。

そういった一連の流れは、戦後年々強くなり、米ソ冷戦終結後は決定的になったように思います。

1987年にソ連がアフガニスタンへ侵攻いたしましたが、これでソ連は国際的に非難を浴びました。

1990年に、イラクはクェ-トに進攻しましたが、アメリカを中心にそれを阻止しました。
いわゆる湾岸戦争です。
当時イラクとアメリカは、親密な関係でしたが、両国は戦争となりました。

2008年にロシアはグルジアに侵攻しましたが、この時にロシアは国際世論の強い反発を受け、孤立化寸前まで行っています。

このように、世界は他国に軍事力が侵入すること=悪という世論に変わり、各国それぞれの国境線を重視するようになりました。
これは日本が、世界に先立ち形成した概念です。

日本での始まりは、江戸時代初期です。
戦前の日本の外地での国境概念も、日本側はこれと同じ概念でした。

その時点での世界の主流は、軍事境界線=国境だったのです。
世界はこの点で、日本化したのですね。

これは戦後の日本の、「国土拡張なき繁栄」がなければ、人類はたどり着くことができない概念なのです。
それが世界から侵略戦争をなくし、人類が、平和からの繁栄を望むようになった遠因です。

世界の大きな流れはそうです。
しかしその流れに入らず、復古的な概念で、再び世界に挑戦しようとしている国家があります。

それが中華人民共和国です。
ここは遅れてきた侵略帝国であり、最後の「戦争=ビジネス論国家」です。

ここの意図を見抜き、野望を諦めさせない限り、時代はまた戦国の世に逆行します。








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